「松山英樹はなぜPGAツアーで優勝できるのか」米ゴルフダイジェストが分析

松山英樹はウェイストマネジメント・フェニックスオープンを制したことで、世界ランク1位の背中も見えるところまで浮上しました。

ウェイストマネジメント・フェニックスオープンで連覇を果たした松山英樹でしたが、昨年終盤からの優勝の中では一番パッティングが決まらなかったトーナメントにもなりました。

しかし、それでも優勝してしまいました。

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松山英樹の最大の強みはボールストライキング

golf-digest-on-wm-phoenix(米ゴルフダイジェスト電子版キャプチャ画像)

米ゴルフダイジェスト電子版のAlex Myers氏が、ウェイストマネジメントフェニックスオープンでパッティングがあまり良くなかったことを指摘し、これが課題ではあるものの、それでも勝つ方法を松山英樹は見出していると記事にしています。

以下は“Hideki Matsuyama might never be a great putter — and that’s OK”からの引用です。

Hideki Matsuyama might never be a great putter — and that’s OK. He’s already found a way to be a great golfer.

「松山英樹はパターの名手になることはないかもしれないが、それでも大丈夫だ。彼はすでに偉大なゴルファーになる道を見出している」として、仮にパターが素晴らしい選手になれなくても、偉大なプレイヤーになれる自分のプレースタイルを確立していると述べています。

Alex Myers氏は松山英樹がプレーオフの最後のホールのバーディパットで、パターを決めれる選手であることを見せた一方で、その前に多くの同様のチャンスを逃していたことを指摘し、上記の引用した内容をコメントしています。

It’s well established that the bedrock of his success is his fantastic ball-striking, which is also staggeringly consistent. So far this season, Matsuyama ranks fifth on the PGA Tour in strokes gained/tee-to-green. That falls right in line with his first three full seasons on tour in which he ranked fourth, seventh and sixth in that stat.

「マツヤマの成功の基盤となっているのはファンタスティックでありながら、驚くほど安定しているボールストライキングだ。今シーズンは現時点で松山英樹のストロークスゲインド・ティー・トゥ・グリーン(SG: TEE TO GREEN)はPGAツアー全体で5位となっている。これは彼のPGAツアーでの最初のフルシーズン3年間のスタッツと合致していて、4位、7位、6位と推移している」

ストロークスゲインド・ティー・トゥ・グリーン(SG: TEE TO GREEN)とはPGAツアーのコース別の平均値からどれだけ優れているか、劣っているかを数値化したスタッツで、プラスであれば平均以上、マイナスであれば平均以下となります。

松山英樹の残している成績がハイレベルとなっている原動力が素晴らしいショット力であることは多くの専門家が認めるところです。

さらに成績がハイレベルでかつ、安定しているのはそのショットが驚くほど長期間にわたり安定しているからでもあります。

そのことはストロークスゲインド・ティー・トゥ・グリーン(SG: TEE TO GREEN)が4位、7位、6位、5位と、次々と新しい才能あふれる選手がツアーに登場しながらもPGAツアーでトップクラスを維持し続けていることに現れています。

あるシーズンは素晴らしかったけど、他のシーズンではダメだったという選手もいるのですが、松山英樹はそうではありません。

「ファンタスティックなレベルのボールストライキング」を「驚くほどの安定感」で維持しているのが松山英樹です。

その一方でパッティングに関してはあまり良くない意味で安定しているともAlex Myers氏は指摘しています。

現在のストロークスゲインド・パッティング(SG: PUTTING)は98位なのですが、キャリアベストの86位と同様の順位となっています。

そしてPGAツアーで優勝したトーナメントにおいては、メモリアルではストロークスゲインド・パッティングが46位、昨年のウェイストマネジメントフェニックスオープンが29位、今年のフェニックスオープンが47位でした。(WGC-HSBCチャンピオンズはストロークスゲインドは集計されていません)

そして今季ストロークスゲインド・パッティングが集計された9つのトーナメントの優勝者のうち松山英樹の47位が一番悪い順位で、それ以外の優勝者の平均は17位となっています。

それでも松山英樹が優勝できているのはパーオン率の高さとプロキシミティ・トゥ・ホール(グリーン周辺を除くアプローチショット後のカップまでの平均距離)が大きな原動力だとAlex Myers氏は分析しています。

The much more important stats for Matsuyama in his wins have been greens in regulation and proximity to the hole. At TPC Scottsdale he was T-2 in GIR and second in proximity following last year’s win where he ranked first and T-6 in those two stats. In his Memorial victory, he was only 22nd in GIR, but was first in proximity. Not surprisingly, Matsuyama also led the field in strokes gained/tee-to-green this past week.

『松山英樹の優勝においてもっと重要なスタッツはパーオン率とプロキシミティ・トゥ・ホールだ。今年のTPCスコッツデールではパーオン率が2位タイ、プロキシミティ・トゥ・ホールが2位で、昨年はそれぞれ1位と6位タイだった。メモリアルの優勝ではパーオン率は22位に過ぎなかったが、プロキシミティ・トゥ・ホールは1位だった。そして今週松山英樹はストロークスゲインド・ティー・トゥ・グリーンで1位だった』

パーオン率では「カップから遠いグリーンの端にとまったショット」と「ピンそば1メートル以内につけたショット」を同じ1回のパーオンとカウントしています。

ショットの精度には大きな違いがあるのですが、パーオン率にはそのことは反映されません。

プロキシミティ・トゥ・ホールは「ショットでボールが止まった場所からカップまでの距離の平均値」となりますので、ショットの精度の高さが反映されています。

松山英樹が優勝する時には「パーオン率が高い」だけでなく、ショットの精度が高いため、「比較的決めやすいバーディチャンスをフィールドの平均よりもはるかに多く作っている」ことになります。

You don’t have to putt great to win on the PGA Tour, but if you don’t, you have to hit it great. And no one has been doing that more consistently than Matsuyama, who has two wins and two runner-ups in seven starts this season (plus a victory at the Hero World Challenge). It’s a replicable formula that has taken Matsuyama to fifth in the Official World Golf Ranking.

Of course, there’s always the chance Matsuyama, who is still only 24, also develops into a great putter. That’s probably something his fellow tour pros would rather not think about.

『PGAツアーで優勝するにはパターが素晴らしいことは必ずしも必要ではないが、パターが上手く行かないなら素晴らしいショットを打つ必要がある。松山英樹以上にそれをコンスタントにできる選手はいない。彼は今シーズンの6試合で優勝2回、2位2回という成績でヒーローワールドチャレンジも制している。これは松山英樹を世界ランク5位に押し上げた反復可能な方法論だ。
もちろんまだ24歳の松山英樹はパターでも素晴らしくなる可能性がある。ただ、それは他のツアープロたちが考えたくもないことかもしれない』

ストロークスゲインドのスタッツによって、ショットとパットであれば、PGAツアーではショットの方がより重要であることが示されています。

松山英樹くらいショットが素晴らしいとパッティングは平均レベル前後で優勝ができます。特にPGAツアーはリスク&リワード(リスクと報酬)の性質が強いコースセッティングが多く、良いショットを打った選手には絶好のバーディチャンス、ミスショットをした選手にはボギーではなく、ダブルボギー、トリプルボギーが出るようになっています。

そのためPGAツアーの試合ではビッグスコアも出せるのですが、ちょっとミスが重なると大叩きしてしまうため、優勝争いの中で下から大きくまくってくる選手がいたり、逆にトップにいた選手が大きく崩れたりという、スリリングな展開が多くなっています。

このようなPGAツアーのセッティングでは、大叩きするリスクを軽減し、多くのチャンスを作れる松山英樹のショット力は非常に大きな武器になるということです。

そのため繰り返しになりますが「松山英樹くらいショットが素晴らしければ、パッティングは平均レベルで優勝することが可能」です。

それに加えてストロークスゲインドのスタッツが集計されていなかったWGC-HSCBチャンピオンズの4日間やヒーローワールドチャレンジの3日目までのようにパッティング決まれば、エリートフィールドであっても独走することができます。

松山英樹がパッティングにおいてフィールドのトップ20からトップ10くらいをパッティングでコンスタントにキープできるようになれば、PGAツアーでの優勝回数は自然と増えていくことになりますし、メジャートーナメントを独走で制することも十分にありえます。

そのため松山英樹のパターが素晴らしくなることは『他のツアープロたちが考えたくもないことかもしれない』ものとなります。

マスターズに向けてパターが良くなればなるほど、制覇の可能性はより高まりますので、残り2ヶ月ではそこに期待したいところです。

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