松山英樹が”長期間の世界トップ10プレイヤー”になるために必要な成績は?ダスティン・ジョンソンとジャスティン・ローズの成績で検討

松山英樹はプレーヤーズチャンピオンシップ2016を終えた時点で世界ランク14位となっています。

ウェイスト・マネージメント・フェニックス・オープンで優勝した後には、一時世界ランク11位まで上昇し、トップ10が目前となりました。

ホンダクラシック開催前には10位のブランデン・グレースが4.7380ポイント、そして松山英樹が4.6181ポイントとわずかな差での11位となっていました。

しかし、ホンダクラシックで途中棄権、キャデラックチャンピオンシップで35位タイと今一歩の成績にとどまり、世界ランクトップ10突破とはなりませんでした。

その後、マスターズとプレイヤーズというビックトーナメントで7位タイとなるなどポイントを稼いで4.7399ポイントまで伸ばしているのですが、現在10位のジャスティン・ローズは6.0223ポイントで、1.2824ポイント差がついている状況です。

この1.2824ポイント差というのは数字の表面だけみると大した差ではないように見えてしまいますが、実際には抜くのが簡単ではない差です。

次の出場予定となっているメモリアル・トーナメントですが、前年の優勝ポイントは60ポイントです。

仮に今年も同じフィールドの厚さになったと場合には、松山英樹が優勝し、ジャスティン・ローズが予選落ちしたとしても、僅かに及ばず逆転できないと見込まれるほどの差で、簡単にトップ10になれない状況です。

ただ、世界ランクトップ10の壁を破るということは重要なステップではあるのですが、やはり瞬間最大風速的に突破するのではなく、松山英樹には長くトップ10であり続けるプレイヤーとなってほしいところです。

そして、松山英樹自身もそのようなレベルに達したいと考えているのではないかと思われます。

では、継続的に長期間にわたり世界ランクトップ10を維持するには、どのくらいの成績を残せるようにならないといけないのか?ということについて検討していきたいと思います。

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目次

このページの目次です。

1. ダスティン・ジョンソンの世界ランクトップ10に浮上した時からの成績

現在、1年以上世界ランクトップ10を守り続けているプレイヤーはジェイソン・デイ、ロリー・マキロイ、ジョーダン・スピース、ババ・ワトソン、ヘンリック・ステンソン、ジャスティン・ローズ、ダスティン・ジョンソン、リッキー・ファウラーなどです。

現在世界ランクトップ10では7位のアダム・スコットは一旦は陥落し、今年の2連勝で一気に復帰し、9位のダニー・ウィレットもマスターズでトップ10入りを果たしたばかりです。

そのため1年以上継続的に世界ランクトップ10でありながら、なおかつ松山英樹の目標とできるポイントである8位のダスティン・ジョンソンと10位のジャスティン・ローズの成績を見ながら、松山英樹が世界ランクトップ10入りをするために必要な成績を検討していきたいと思います。

ダスティン・ジョンソンが世界ランクトップ10に浮上してからのトーナメントでの成績は以下の表のとおりとなっています。

Dustin Johnson_Results_20160518

世界ランクトップ10に浮上したWGC-キャデラックチャンピオンシップでの優勝を含めてPGAツアーでは29戦、欧州ツアーでは1戦出場しています。

欧州ツアーでは予選落ちをしてしまいましたので獲得ポイントはなく、PGAツアーの29戦で348.77ポイントを稼ぎ、1戦平均で12.03ポイントを獲得しています。

2. ジャスティン・ローズの世界ランクトップ10に浮上した時からの成績

続いて、ジャスティン・ローズですが、2015年のシェル・ヒューストン・オープンで11位に落ちたものの、直後のマスターズですぐに返り咲き、長く世界ランクトップ10を維持しています。

そのため1週を除いて世界ランク計算の対象期間で世界ランクトップ10を維持しているため、計算対象の52試合の成績で見ていきたいと思います。

そのジャスティン・ローズの成績は以下の表のとおりとなっています。

Justin Rose_Results_20150518

世界ランクの計算対象となっている52戦のうち42戦がPGAツアー、10戦が欧州ツアーとなっています。

PGAツアー42戦では459.19ポイントを獲得し、1戦あたり10.93ポイント、欧州ツアーでは144.68ポイントを獲得し、平均で14.47ポイントとなっています。

3. 松山英樹の世界ランク計算対象トーナメントの成績

最後の松山英樹の世界ランク加算対象となっている52戦の成績は以下の表のとおりとなっています。

Hideki Matsuyama_Results_20160518

PGAツアー48戦で344.8ポイントを獲得し、1戦平均では7.18ポイント、日本ツアーでは4戦で41.72ポイント、1戦平均では10.43ポイントを獲得しています。

ゴルフの世界ランキングでは総獲得ポイントを規定された試合数で割る平均ポイント制が採用されています。

松山英樹は合計で386.52ポイントを獲得し52試合で割ると7.433ポイントを平均で獲得していることになりますが、世界ランクの平均ポイントは4.7399となっています。

その理由は、獲得ポイントは時を経ていくと比重が小さくなるようになっている集計方式が採用されているからです。

具体例を挙げると2015年マスターズの単独5位で24.00ポイントを獲得しましたが、”0.5109″が掛けられ、現在は12.26ポイントとして加算されています。

そのためジャスティン・ローズやダスティン・ジョンソンのように平均ポイントで6点台をキープするには、ただ単純に6ポイント前後を獲得し続けているだけでは足りず、実際には平均で10ポイントくらいを獲得し続けないと世界ランクポイントの6点台を維持できないということになります。

4. 3人の成績比較から考えられる松山英樹の越えるべき壁

最後に3人の成績をまとめた表で比較していきたいと思います。

これまで見てきた3人の成績を、優勝、2位、3位、トップ5、トップ10、トップ15、トップ25という成績でまとめた表は以下のとおりとなっています。

Matsuyama-DJ-Rose

予選落ちの割合は松山英樹が8.3%、ダスティン・ジョンソンが3.4%、ジャスティン・ローズが19.0%とダスティン・ジョンソンには劣るもののジャスティン・ローズを上回っています。

そしてトップ25フィニッシュは松山英樹が68.8%、ダスティン・ジョンソンが69.0%、ジャスティン・ローズが61.9%と全く引けをとりません。

しかし、ここから先に差があります。

トップ15では松山が39.6%、DJが62.1%、ローズが45.2%と差が出始め、トップ10では松山が27.1%、DJが51.7%、ローズが38.1%、トップ5は松山が16.7%、DJが27.6%、ローズが26.2%となっていて、差が数字に現れています。

つまりトップ25で成績をまとめる力はほぼ同等と言えるのですが、トップ10、トップ5フィニッシュをコンスタントにするという点において差があるという現状です。

世界ランキングのポイントを単純平均で10ポイント以上にするためには、トップ15では不十分でトップ10とトップ5の回数を多くすることが重要になってきます。

松山英樹は直近の3試合でマスターズが7位タイ、ウェルズ・ファーゴが11位タイ、プレイヤーズが7位タイと素晴らしい成績を残しています。

そしてそれぞれのトーナメントで16.33ポイント、6.96ポイント、13.60ポイントを獲得し、3戦の平均では12.30ポイントを獲得しています。

これはダスティン・ジョンソンが29戦で獲得している348.77ポイントの平均である12.03ポイントと同様の数字となりますので、松山英樹が世界ランクトップ10を維持できるプレイヤーになるには、直近の3戦のような成績がスタンダードになる必要があります。

そして松山英樹が今より世界ランクを上げていくためには、現在の平均ポイント4点台後半から6点台に上げることが必要になるのですが、そのためには20ポイント以上を獲得する成績を増やす必要があります。

ローズやDJの成績を見ても、10ポイント以上と20ポイント以上を獲得する上位フィニッシュの多さが、明らかに松山英樹と違います。

そのためにはポイント配分の比率が高くなっているトップ5フィニッシュの回数が、より重要になります。

松山英樹はマスターズの7位タイで16.33ポイントを獲得していましたが、1打伸ばせば4位タイで23.00ポイント、2打伸ばしていれば2位タイで43.33ポイントを獲得できていました。

そしてプレイヤーズは7位タイで13.60ポイントでしたが、1打伸ばせば3位タイで21.12ポイント、2打伸ばせば2位タイで40.00ポイントを獲得できました。

マスターズとプレイヤーズはともに最終ラウンドに73というオーバーパーであるだけでなく、そのラウンドのフィールド平均スコアを下回ってしまいました。

最終組と最終組の前の組というプレッシャーもかかる位置であることを考えれば仕方のない面もあるのですが、共に前半に崩れた後に立て直して、1ストローク、2ストローク戻せば優勝争いに加われるチャンスを逃してしまい、波に乗りきれずオーバーパーでプレーを終えました。

結果としては1ストローク、2ストローク伸ばしても優勝はできませんでしたが、アンダーパーでプレーしていれば、首位を走る選手にプレッシャーをかけることはできましたし、バックナインでも緊張感のある優勝争いを経験することができました。

あのような状況で1打、2打と戻せるようになることは、メジャー制覇を狙う上で重要なのですが、それができていれば大きく世界ランクポイントも稼ぐことができましたので、世界ランクトップ10を突破していくためにも重要であると言えます。

明るい材料は2016年に入ってからの10戦で115.55ポイントを獲得し、棄権が1回ありながらも平均では11.56ポイント、直近の5戦での獲得ポイントは52.04ポイントで平均10.41ポイントと、長期間にわたり世界ランクトップ10をキープしているプレイヤー並みのポイントを獲得できていることです。

昨年の前半も同様に良いペースでポイントを積み上げたのですが、夏場に強行スケジュールを組んだことの影響もあったのか、調子を落としてしまいましたので、ややトーンダウンしてまいました。

ですが、今年はそれを乗り切って、今のパフォーマンスを継続していくだけでも世界ランクトップ10は近づく状況です。

これまでジャスティン・ローズやダスティン・ジョンソンとの成績の差を見てきたのですが、見過せないのがPGAツアーでの優勝の頻度です。

この2人は世界ランクトップ10を維持していると同時に、6シーズン以上連続(DJは8シーズン、ローズは6シーズン)でPGAツアーで優勝し続けるなど、コンスタントにPGAツアーで優勝しています。

これに続くシーズン連続での優勝はパトリック・リードとババ・ワトソンの3シーズン連続となるのですが、ババ・ワトソンは長期間にわたりトップ10を維持していますし、パトリック・リードも一定期間トップ10を維持しました。

そのため世界ランクトップ10を維持するためにはトップ5、トップ10フィニッシュを増やすことに加えて、PGAツアーで毎シーズン優勝するということも重要なポイントとなります。

簡単な壁ではありませんが、遠い彼方にあるような壁ではなく、目の前にあり、しかも手をかけて登っている状況とも言えます。

その先には世界ランクトップ5を維持するという領域があり、そのためには1シーズンに複数回優勝するような、頭一つ以上完全に抜け出るような成績が必要になりますので、まだまだ越えるべき壁はあります。

ですが、プロ転向3年あまりで、急速度で上り詰めてきた松山英樹のさらなる成長による突破に期待したいと思います。

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6 Responses to “松山英樹が”長期間の世界トップ10プレイヤー”になるために必要な成績は?ダスティン・ジョンソンとジャスティン・ローズの成績で検討”

  1. まきすけ より:

    2年以上romっていまして、いつもデータをもとに書かれている点に共感を覚えており、アップされるごとに愛読しております。
    最近10位の壁は厚いなぁ~と思っていたところこの記事でしたので、
    まさにドンピシャっ!嬉しくなってしまい初めてmailしてしまった次第です。10位のポイント維持は松山が破らなくてはいけない壁ですよね。
    でも彼ならきっとなしとげることができると思っています。
    日本の記事は本当にひどいものが多いですよね。現実をデータでとらえていない。golfさんが時々日本のマスゴミに怒って海外の記事をアップしてくださるのは本当にありがたいです♡(私も海外の記事は比較的チェックしていますが、英語はイマイチなのでぐぐる先生だよりでニュアンスがわからないときがあって・・・)
    ゴルフを長い間見ていてこんなに希望を持たせてくれる日本人が出てきてくれたことに本当に感謝して楽しくて仕方ないのですが、意外にこのニュアンスを分かち合える人が少なくって。。。
    でもgolfさんの記事ですっきりさせていただいています。(__)
    これからも楽しみにしています!

  2. golf より:

    まきすけさん、コメントありがとうございます。
    色々と足りないところはありますが、お役に立てているところがあるなら何よりです(^_^;)
    世界ランクトップ10に入ることだけを考えると、アダム・スコットの2連勝、ダニー・ウィレットのマスターズ優勝は松山英樹にとってハードルが上がる厳しいものでした。ただ、2人がポイントを稼げずに4点台でトップ10に入ったとしても、簡単に抜かれてしまうようなものだったので、やはり優勝の回数やトップ5を増やすことが大切だなと思います。
    日本のマスコミの論調も以前に比較すれば良くはなりましたが、世界で受けている評価と日本のマスコミの報道の質や量とのバランスはとれていないままだと思います。もっと彼の凄さが広く伝わるといいなあと願っています。彼がメジャー制覇できなければ、その後何十年と待たないといけない可能性があるので、日本ゴルフ界の宝といって差し支え無いと思います。今の時代は日本でいくら勝ってもボクシングなどの「日本チャンピオン」としか認識されず、海外で結果を残せなければ、若い世代には関心をもってもらえないと思います。松山英樹に色々なものを背負わせてしまい、申し訳ない気もしますが、彼自身の小さい頃からの夢や目標を実現することが、結果としてゴルフ界にも良い影響があると思いますので、彼が達成できるようにこれからも応援していきたいと思います。こちらこそ、よろしくお願いします。

  3. ACE より:

    golfさん、更新ありがとうございます。世界ランクTOP10に入り、またそれを維持するのは並大抵な事ではないですね。分析を拝見し、改めて感じた次第です。ダスティン・ジョンソン選手のTOP10フィニッシュ率「51.7%」って・・・2回に1回はTOP10に入っている訳ですね。。マスターズでもパターが外れるシーンばかり映っていたので、4Tフィニッシュの印象が薄いのですが、やはり結果はしっかり残しているのですね(←松山選手に集中しすぎて他がぼやけてました^^;)

    今年は残り全てがフィールドの厚い試合ばかりですから、本当に大変ですが、メモリアルや全米オープンはコース的に期待が出来るので頑張ってもらいたいです。その他、昨年は波瀾万丈でしたが、今年のWGCブリジストンインビテーショナルは欧州勢がゴソっと抜けるので、狙い目でしょうか?
    いずれにせよ、今週は松山選手と順位が近い選手の動向をチェックしながら岩田先輩を応援したいと思います。

  4. golf より:

    ACEさん、コメントありがとうございます。
    突破するのは簡単ではないなとは感じていたのですが、具体的に細かく調べてみると、やはりかなり大きい壁でした(^_^;)
    ダスティン・ジョンソンは途中で順位を落としたりしていても、最終的にはリーダーボードの1枚目にいることが多いなと思ってはいたのですが、しっかりと数字を出してみて、驚きました。
    本当はもっと通常開催のトーナメントで優勝争いをしてもらいたいのですが、今年は変則日程で格のあるトーナメントしか出場できなさそうなので、本当に大変だと思います。松山英樹にかぎらずトップ10プレイヤーでも優勝するのが簡単ではないフィールドばかりですが、1回でも多く優勝争いをしてもらって、チャンスがあれば勝ち取ってもらいたいです。
    ブリジストンインビテーショナルはライダーカップの対象からも外れているし、全英オープンの準備を考えたらフランスのほうが良いと考える欧州ツアー選手は多いと思うので、意外と狙い目になるかもしれませんね。シェーン・ローリーなんかも出場しない可能性があるようですし。あとは、昨年は体調不良の影響がありましたが、基本的には相性の悪くないコースだと思いますので。
    シード権のことを考えると今週のトーナメントは賞金額が大きいので、岩田寛に頑張ってもらいたいです。

  5. シマモン より:

    今回golf さんのご説明で世界ランクトップ10を目指す事の意味の深さを改めて理解いたしました。 ありがとうございます。

    優勝を逃した場合にがっかりしてましたが、貪欲に一位でも上位を狙って行くプロ意識が重要と言う事ですね。
    1トーナメントの勝ち負けを意識すると伴に年間を通じて俯瞰的に成績をまとめて行く事が必要ですね。 チーム松山もそういう戦略を立てているんでしょうね。我々ファンは毎週出場して欲しいと思っていましたが考え方を変えました。 我々も我慢が必要ですね。

    ただ松山選手はまだ3年目ですから今後はゴルフ選手でありながら1事業を構築して行くしたたかな戦略性に関しても学習して行って欲しいですね。 きっとプレイ後のインタビューの内容も変わるでしょうね。
    シマモン

  6. golf より:

    シマモンさん、コメントありがとうございます。
    これまでフィニッシュしてきたところより1ストローク、2ストローク伸ばせていれば、優勝争いをもっと多くすることができるようになります。
    それが優勝回数を増やすことにつながりますし、メジャー制覇への良いステップにもなりますし、世界ランクトップ10突破につながってもきます。
    ショートゲームの課題を克服することが必要ですが、それ以外はダスティン・ジョンソンに近い成績を出せる土台はあるので、頑張ってもらいたいです。

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