イチローと松山英樹(3)『脳のメカニズムに合った目標設定と目標達成のアプローチ』

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目標設定の方法論、目標達成のアプローチにおいても、イチローと松山英樹には似通った面があります。

イチローは10年連続200安打、1シーズン262安打など、100年以上あるMLBで歴史に残る数々の記録を残しています。

MLBでこれから破る選手が現れるかどうかというレベルの記録で、他の追随を許さないような実績を残しているイチローですが、目標設定と目標達成の方法論についても語っています。

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イチローと松山英樹の目標設定の方法とは

イチローは以下のように自身の目標設定の方法論、アプローチについて話しています。

「ここまで来て思うのはまず手の届く目標を立て、ひとつひとつクリアしていけば、最初は手が届かないと思っていた目標にもやがて手が届くようになるということですね。」

「夢や目標を達成するには1つしか方法がない。小さなことを積み重ねること。」

「結局は細かいことを積み重ねることでしか頂上には行けない。それ以外には方法はないということですね。」

「目標って高くし過ぎると 絶対にダメなんですよね。必死に頑張っても、その目標に届かなければどうなりますか?諦めたり、挫折感を味わうでしょう。それは、目標の設定ミスなんです。頑張れば何とか手が届くところに目標を設定すればずっと諦めないでいられる。そういう設定の仕方が一番大事だと僕は思います。」

イチローは大きな夢、目標の一つとして「『280本、4割』というのを僕は引退するときにできたら理想なんです。」と話しています。

しかし、そのためには細かい、小さい目標を設定して、それを一つずつクリアしてくことが重要で、近道はないとイチローは話しています。

またイチローは、メジャーのシーズン安打記録だったジョージ・シスラーの257安打を越えた時には「いま小さなことを多く重ねることが、とんでもないところに行くただひとつの道なんだなというふうに感じています。」とも話しています。

イチローは大きな目標を達成するたび毎に、小さなことを積み重ねる、目の前の小さな目標、課題をクリアすることが大きなことを成し遂げる上で重要だと再確認、実感しているようです。

では、松山英樹はどのように話しているのでしょうか。

文藝春秋の2015年10月号のインタビュー記事で、松山英樹が2013年に全英オープンで6位Tとなっても「何がすごいんですか?僕は勝ちに来ているので、優勝できなければ悔しい気持ちしかない」と話したことに取材したライターが驚いたというエピソードが紹介されています。

その全英オープンで話した内容について松山英樹は以下のように話しています。

勝てなかったのに、それをうれしいと思う人間はいないと思いますけどね。たとえば、僕自身がシード権の確保を目標としている選手なら、メジャーで6位という結果にも満足していい。ゴルフが仕事である以上、働く職場を失うわけにはいきませんから。
しかし、僕はシードやトップテンに入ることが目標ではなく、メジャーで優勝することだけを目指している。目標とする試合で勝てなかった以上、満足することはできません。「目標が定まっている人間は強い」というのが僕の信念です。
毎試合、まずは予選通過を考えて、それを達成したらトップテン圏内に入り、優勝することだけを考えていく。初日、二日目の予選通過のプレッシャーから解放されたら、三日目、最終日とひたすら優勝を目指すだけ。

メジャー制覇という大きな目標を掲げているため、全英オープンで6位となったことにも満足できなかったと話しています。このようにいつもブレずにメジャー制覇というものが大きな目標としてあるのですが、目の前の試合では「予選通過」という小さい目標を達成していくアプローチをとっています。

このインタビューを受けたのが2015年8月頃のようですが、このシーズンでの松山英樹の予選通過は25試合中23試合でトップ10は9回、トップ25は19回です。これだけハイレベルの成績を残しながらも毎試合予選通過から目標設定していることになります。

このように松山英樹は小さな目標、小さなステップを非常に重要視し、それを積み重ねることで大きな目標に近づくという方法を選んでいます。

この松山英樹の目標設定、目標達成のアプローチはまさにイチローのそれと本質が同じで、目の前の小さな目標を着実にこなしながら、大きな目標に到達するというものです。

そして2人が話す目標設定の方法と目標達成のアプローチは脳のメカニズムにも合致しています。

脳のメカニズムから見た抵抗の少ない目標設定と目標達成のアプローチ

心理学者、臨床心理士でUCLA医科大学の准教授でもあるロバート・マウラー氏の著書”One Small Step Can Change Your Life(邦題:脳が教える!一つの習慣)”では、物事を改善したり、目標を達成するための方法論について脳のメカニズムに基づいて語られています。

ここからしばらくはこの本の内容をベースに書いていきます。

人間の脳は大きく分けて以下の3つの脳が調和することでバランスを保っているのですが、この3つの脳の役割と特徴を知っておくことが、大きな目標を達成したり、改善するための重要なポイントとなるとロバート・マウラー氏は指摘します。

その3つの脳の役割と特徴は以下のとおりとなっています。

  • 大脳基底核(は虫類脳):ワニの全脳に似ている。朝目覚め、夜眠る。体温の調整、心臓の鼓動
  • 大脳辺縁系(旧ほ乳類脳):感情、危険の察知、闘争・逃走反応
  • 大脳新皮質(新ほ乳類脳):創造(文明、芸術、科学、音楽)

人類は進化の課程でジャングルや森林の中に住んでいたため、動物に襲われる危機と背中あわせで暮らしていました。そのため日常の安全とは異なる危機を察知することは生命の維持のために重要となるのですが、その役割を果たしてきたのが大脳辺縁系で、その中でも扁桃体という部位が担ってきました。

この扁桃体は危機を感じると他の脳の動きを停止させて、その危機を回避するために体を動かします。この機能ゆえに人類が生き残ってきたのですが、この機能が現代の人間が「変化しようとする時の障害となる」ことが多くあります。

慣れ親しんだ安全な日常から離れようとする度に「普段とは違う」「いつもとは違う」から「警戒しろ」と扁桃体が警報を鳴らし、他の脳の動きをストップさせてしまうためです。

この脳の機能ゆえに、これまでにない新しいチャレンジ、チャンス、欲望によって変化が起こるときには、ある程度の恐怖心が起こるようになっています。

この変化が大きければ大きいほど、脳は警報ベルを強く鳴らすため、他の脳の動きを制限、停止させてしまいます。その結果、新しい行動に関する神経回路を脳につくることができず、結局元の慣れた安全を感じる状態に戻っていってしまうことになります。

ダイエットや勉強など様々な目標を掲げて、急激に変えようとしても続かないのは、このような元の自分とは違う状態になろうとすることを脳が警戒してしまい、既に脳の回路にある元の慣れ親しんだ行動に戻ろうとする働きがあるためです。

しかし、大きな目標を達成するためには成長や変化が必要となりますので、この脳の警戒心を回避しなければなりません。

そのための方法が「脳に気づかれないほどの小さい変化を起こし、それを繰り返していく」ことです。

たやすく達成できる小さな目標であれば扁桃体の警報ベルは発動せず、人間の創造性などの機能を司る大脳新皮質がしっかりと働くことができます。その結果、新しい行動に関する新しい神経回路が脳にできあがり、あっという間に変化への抵抗がなくなります。

人間の脳は新しい神経回路ができる上がるまでは反復が必要ですが、一旦出来上がると無意識にできるようになります。通勤、通学なども最初のうちは道を確認しながらですが、一定の期間がすぎれば音楽を聞いていたり、考え事をしたりしながらでも目的地に辿り着けるのはこの脳の機能ゆえです。

大きな目標を達成しようとして、いきなり大きく変えると最初は良くても、段々と崩れてしまって元の木阿弥になってしまいがちです。

それよりも小さな目標を達成する、小さな変化を心がけることが、脳のメカニズムにとって抵抗が少ないため脳に新しい神経回路を作りやすく、変化した状態が当たり前のものとなります。その結果として大きな変化を起こすことができ、大きな目標を達成できるということです。

イチローと松山英樹のとっている目標設定の方法、目標達成のアプローチはまさにこの脳のメカニズムに合致しているものです。

そして、このアプローチはスポーツ以外の一流の中の一流と呼ばれるような人にも共通するものです。

大きな目標を達成するために小さな目標を重視し達成することは一流の証

アメリカでのアルバムの売上枚数が8500万枚で全米の歴代6位、全世界も含めると1億枚を売り上げている一流アーティストのビリー・ジョエル(Billy Joel)が同様のことを話しています。

ビリー・ジョエルは、あるインタビューで『小さなステップが大切』という話をした際に、インタビュアーが「目標や夢は小さくするほうが良いということですか?」と尋ねました。それに対してビリー・ジョエルは『夢は大きく持つんだが、そのために小さいところでベストになるように努力しなさい』というように答えています。

ビリー・ジョエルは、バーのピアノマンから世界のトップアーティストの中でもトップクラスになったのですが、小さな目標、小さなステップを重視していたことがわかります。

松山英樹は毎試合、優勝を目指しながらも予選通過という小さい目標を設定し、それをクリアしてトップ25、トップ10に入っていくことを繰り返しています。

その目標設定を毎試合のように達成することで自信が生まれていきますし、同時にその成績が当然という脳の神経回路が出来上がっていきます。そして、より上を目指す際に感じる「できないのではないか」「無理ではないか」といったような恐怖心、不安を回避、軽減することにつながっています。

予選通過が当たり前になると、トップ25が身近な目標となるため、そこを目指すことへの抵抗が小さくなります。そしてトップ25がスタンダードになってくると、トップ15、トップ10になることが身近な目標になりますので、ここを目指すことに対する脳の抵抗が小さくなります。

このような目標設定により、着実にステップアップしていることは、松山英樹のPGAツアーの3シーズンの成績を見ればしっかりと確認することができます。

大きな目標を掲げながらも、全力で目の前の小さい目標に取り組むことができる一流のメンタリティと思考を24歳にして持っている松山英樹です。

しかも、2016年はマスターズ、全米プロゴルフ選手権、ザ・プレイヤーズチャンピオンシップ、ツアーチャンピオンシップと大舞台での優勝争いを経験するなど、目標とするメジャー制覇に向けて着実にステップアップしています。

PGAツアーの新シーズンと2017年でのさらなる成長と飛躍が期待されます。

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11 Responses to “イチローと松山英樹(3)『脳のメカニズムに合った目標設定と目標達成のアプローチ』”

  1. 八太郎 より:

    golf さん、おはようございます。
    新たな 2016ー2017 シーズンを迎えるリセット期に「イチローと松山英樹(1)ー(3) 」 のコラムじっくり味合わせて頂きました。
    golf さんの着眼点・・・・本当に素晴らしいですねぇ !! 正に共感フムフムと云わざるをえません。。
    余談です・・・小生は団塊世代の暇人リタイアメントシニア身分ですが、大変失礼ながら、思わず golf さんの”人となり”に改めて興味深々となった次第です。
    それにしても、二人のプロフェショナル「イチローと松山英樹 」年齢も違い、一方は今月 43 歳を迎えようとする昭和生まれのレジェンド & もう一方はまだ 24 歳と云う平成生まれのレジェンド候補。
    いずれも世界を舞台に活躍する現役プロフェッショナルですが、相通ずるものを有していますネ。
    この二人の事を一般的には「天才」と一言で片づけてしまいそうですが、その裏で黙々と繰り返されている地道な「思考と行動」があって、初めて今があると云う事をを改めて golf さんのレポートから感じ取れます。
    golf さんの UP 文章にある 「1999年の試合中にセカンドゴロを打った時、打撃の感覚をつかんだ」と云うイチロー。 9月のドイツバンクでパター感覚を知った」という松山。
    共に他人の何十倍も繰り返されてきた見えない処での‘努力’があるからこそ、感じ取れた”感覚”なのでしょうネ。
    来週 10/13(木) から始まる日本オープンでは、久々に松山のプレーがじっくり見れそうなので楽しみです。
    golf さんもいつもの真夜中観戦レポートと違い、日中観戦でリズムが異なるかもしれませんが、鋭い日々情報 UP を楽しみにエールを贈らせていただきます。
    (追伸)
    耳タコかも知れませんが、今回の「松山 & 石川 & A・スコット」の同組とは、一体全体‘何処の誰が’考えて決めた事なのか・・・愚かの一言ですね。 JPGA の中に一組だけ PGA のメンバーが集結し、観戦に来ている方々もはるか遠くから眺めなくてはならず、この組の前後の選手にとっても目の前でギャラリー大移動を 18 ホール見せつけられたら学ぶ事も出来ず不愉快な予選ラウンドになる様な気がします。
    せっかくの機会なので、この3プロをこれから松山や石川に続く若手のプロと組ませて学びの場として欲しかったと思う限りです。
    長文となり申し訳ありません。
    2016-2017 シーズンも何卒よろしくお願い致します。

  2. golf より:

    八太郎さん、コメントありがとうございます。
    ちょっと出かけますので、後ほど返信を(^.^)

  3. KOMA より:

    イチローと松山英樹全て読ませていただきましたm(__)m
    日頃、断片的にイチローの考え方などは記事なので目にすることはありますが本を読むという事がなかったので、こうして引用していただけると
    ありがたいです(”One Small Step Can Change Your Life(邦題:脳が教える!一つの習慣)”もしかり)
    どうも天才という生き物は目標に取り組む姿勢に共通性があるように思えるのは、最近、違う分野の天才と呼んでも差し支えない方も同じ事を語っていました「積み重ねることが大事」と。
    美味しいクロワッサンは層が薄く重なれば重なるほど閉じ込められたバターの香りが漂いサクサクとして美味しいですよね関係ない???(笑)
    結局は全て脳の命令で動いているんでしょうから(そう書くと身もふたもないですが)脳のメカニズムって面白いです。
    一般的に天才、超一流の人物は直観力に優れていると言われています。直観力=本能のようなイメージがありますが、実は危険回避などの場合以外は新しい脳皮質が優れているという事になりますよね?古ーい脳皮質を騙しているうちに新しい脳が進化するのかもしれませんね。
    なので一見、つまらない同じことの繰り返しを繊細な感覚で差異を感じながら何時間も飽きる事無くこなせるのでしょう。
    凡人には一番難しい(>_<)
    またgolfさんのコラム楽しみにしております!

  4. golf より:

    八太郎さん、コメントありがとうございます。
    日本オープンの組み合わせは首を傾げることばかりですね。根本的な解決策ではなく付け焼き刃のような解決策に走りがちなのが、ただただ残念です。どうなっていくか見守ってみたいと思います。
    いつもデータ、スタッツ重視の内容とは異なるのですが、私が松山英樹を高く評価し、関心を持ち続けている理由が、技術や実績もさることながら、このメンタリティや思考も大きなウェイトを占めているので書いてみました。
    またこうしてまとめて書いておけば、私が分析やコメント欄で書いている内容の意図もよりクリアになるかなという気がすることもあり、シーズンの切り替わりを利用してみました。
    21歳の時点で、すでに一流といえる思考力とメンタリティを持っていたのが、私にとっての衝撃で、このブログが継続できた理由でもあります。
    今の急速な成長もこういった思考力とメンタリティがあるからこそだと私は考えています。なので心配しているのは体調だけです。それさえ問題なければ、そのうちメジャーも勝ってくるれるだろうと思っています。
    2016年は良いステップを踏めているので、本当に来季、来年が楽しみです(^.^)。

  5. golf より:

    KOMAさん、コメントありがとうございます。
    アメリカでは天才の思考パターンを分析して、それを整理して体系化し、身につける方法なども研究されたりしています。その本を読んでみたこともありますが、なるほどと思いはしましたが、それを身につけるのは簡単ではないという印象でした。
    直感力については、将棋の羽生善治さんは「経験を多く積むこと」、そして「自分のとった行動、行った選択を、きちんと冷静に検証すること」で磨かれると思うと話しています。ここにもやはり細かいことの積み重ねが重要だということがわかります。このシリーズの第1回で書いたように、天才と呼ばれる人たちは上達の達人で、上達への明晰な意識を持っていて、それは似ているのだと思います。
    長くなるので簡単にしか書きませんが、「直感」と「閃き」は脳科学者の池谷裕二さんによると違うようです。直感というのは論理性が伴うもので、頭になかにフッと湧くものではありますが、それは経験を検証し整理してきたことが土台となって生じるものです。閃きは理論的には説明できないけど、正しいと感じるというものだそうです。天才的な業績を残している人は、自分の行った選択と決断に対して検証に検証を重ねた結果、より精度の高い答えを導き出せるスムーズでシンプルな思考パターン、神経回路を脳に作り上げているのかもしれません。天才と呼ばれるような人たちの思考パータンが似ているということはすでに知られていることで、それがゆえに天才をモデルとして模倣することが試みとして行われています。松山英樹のインタビューやコメントを読んでいると、一流の中の一流と通じるとても優れた思考パターン、思考力、メンタリティを持っているように個人的には感じています。

  6. toshi より:

    ”イチローと松山英樹”⑴~⑶ たいへん興味深く読ませていただきました。 
    ベースボールとゴルフという異なる競技ですが、トップアスリートが集うアメリカを主戦場として活躍している両選手には、共通項が多々あることをあらためて確認することが出来ました。
    地球上に生命が誕生してから何十億年という時間をかけ、現在まで生物が進化してきた環境はいまだに厳しいものがあります。両選手ともアメリカという生存競争が激しい中で淘汰されることなく環境に適応し、その経験値から学習能力を高め、目の前の問題を確実にクリアし、そのための努力は惜しまない。プロフェッショナルとしては当然のこととは思いますが、日本の野球・ゴルフを見ていてもエキサイティング出来ないのは何故なのかなぁと。選手たちに問題があるのか、まとめ役の協会・機構に問題があるのか。内向きに見えて仕方ありません。
    イチロー選手、松山選手は勿論、プロ選手を生業としている人達には、更に進化し、世界中から喝采を受けるプレーをして頂きたいと願っています。国籍を問わず、我々を興奮させてくれるプレイヤーには今後も大きな拍手を送りたいと思っています。
    イチロー選手には50歳まで、松山選手にはシニアになっても世界を舞台に活躍してほしい。 松山がシニアになる頃は、私は土に帰っていると思いますが。
    生命が誕生して1秒にも満たない時間の中で、両選手の活躍を見ることが出来るのは、この上なく幸せです。来シーズンも楽しみにしています。
     

  7. golf より:

    toshiさん、コメントありがとうございます。

    野球とゴルフに関してはアメリカのリーグ、ツアーが世界最高峰ということもあり、小手先では通用しないのだと思います。
    ごまかしが効かないシビアな世界で、体格的に不利な日本人がトップクラスであり続けるためには、その他の部分で補うことが重要ではないかと思います。何が通用して、何が自分の強みであるのか、そういったものをシビアに見極めた上で、競争に勝ち抜くすべを見出すことができる思考力なしには、世界のトップで日本人が戦うのは容易ではないと思います。身体能力という面では劣る部分が多いのは認めざるを得ない事実だと思います。
    イチローはそのような思考力とそれを実行できる意志力と集中力があるがゆえに、偉大な実績を残していると思いますし、松山英樹はそういった道を一歩ずつ歩み出している印象を受けています。
    ゴルフは野球以上に息の長い競技なので、松山英樹にはシニアも含めて世界で活躍してもらいたいです。

  8. anaberu より:

    「イチローと松山英樹」を読ませていただきました。

    確かにイチローはたゆまぬ努力と高い目標のもと数々の結果を出しています。いつまでも野球少年のような心を持っています。大好きな野球に邁進していてすばらしいと思っています。でも、しかし、野球はチームプレーです。チームの優勝が一番の目的です。イチロー選手を見ていると、マラソンランナーのようにおもえてきます。ただ、40才を過ぎて、尚、プレーしている姿に胸打つものがあります。

    松山プロは、21才で世界に挑戦し、その年に結果を出し、松山プロによると、最初の年が一番手応えがあったと・・・ホントに怪物くんですね。「松山英樹応援ページ」のどなたかが、upして下さって見せていただいた松山プロの幼い頃のビデオ、ここに松山
    プロの原点あるのではと私はおもっています。
    5才ぐらいでしょうか・・・とてもきれいなホームです。
    ボールも遠くに飛んでいます。その帰りの車の中で、松山パパが
    「今日のゴルフの感想は?」と幼い松山くんに尋ねて「くだりの
    パターが悪かった」と答え、パパが「又、頑張ろうね」と言って
    「はい」と答えています。
    日本の教育は、いつも大人や先生が正しい答えを持って「ここは
    こうだからこうしましょうね」と、どちらかと言えば引っ張って導いて教えていくことが多いように感じています。松山パパは幼い松山くんに自分で考えて答を出すように導いています。
    すばらしいです。
    このことこそが世界で戦う松山プロを育てたのではと想っています。松山プロの原点であると想っています。

    だから、彼は、自分を信じて堂々と世界で戦っていけるのでしょう。全てが自分の中にあることを知っています。

    私は、松山父子に大拍手です。

    来年、楽しみにしています。

  9. golf より:

    anaberuさん、コメントありがとうございます。
    野球とゴルフではチームプレーと個人プレーということにおいて質が異なる面があると思います。ただ、一連のこのシリーズでは目標達成の方法、上達の方法、思考力などのイチローと松山英樹の一流としての共通点を浮き彫りにするということを重視しているので、野球とゴルフという競技の質の違いはあまり重視していませんし、人間性が似ているというようなことを言いたいのでもありません。

    野球においてチームの優勝という全体的な目的がありますが、プロであれば個人の目標、目的も重要だと思います。この個人の目標が達成できるようでないと、チームが優勝してもそのままプロとしての立場を保てるかは微妙になります。またチームが優勝できないことが確定する時期が早くなった場合やチームがそもそも優勝できるレベルでない場合に、個人の目的、目標を持っていなかったら、その選手は結果を残せず、プロとしてのステータスを失うことになると思います。プロとしてプレーを続けるためにはチームとの契約を勝ち取らなければなりませんので、やはり個人の目的、目標を達成することによる高いレベルの実績を残せるかどうかは重要だと思います。
    またプロになるという点においてもゴルフのようにプロテストで結果を残せば良いというものではなく、プロのチームが興味を持つような個人的な成績が必要になります。そのため個人の目標を設定して達成していくというイチローの思考力とアプローチは非常に重要だったと思います。
    イチローの場合は自分がベストのパフォーマンスをすることがチームの勝利につながるという考え方をしていて、この点に関しては賛否両論あるところかと思います。野球はチームスポーツで、個人と全体のバランスという違う要素が加わるので、その点でのイチローへの評価は分かれる面があり、それがアメリカでも批判の対象になった時期がありました。そのためイチローの全体の目標と個人の目標の比重、バランスにおいては賛否があると思いますが、イチローの個人の目標設定に対するアプローチや達成しようとする姿勢というのはやはり一流と言えるもので、素晴らしいのではないかと思います。野球という競技がイチローにとっての一番の好きなスポーツなのでどうしようもないのですが、気に入ったものが個人スポーツであればもっと偉大な成績を残しているのかなとも思ったりもします。

    これだけ松山英樹が深い思考力を身につけることができたのは、両親が彼に選択、決断させることを重要視していたからだと私も思います。ただ、今回は思考力やメンタリティを形成するに至った環境、要因などが主要なテーマではないため触れていません。そこまでやってしまうと松山英樹の親子関係と教育の方に比重が移ってしまい、テーマがぼやけてしまいますので。
    彼が小さい頃から自分で考える機会が多かったからこそ、これだけの思考力が身についていると思います。その点で松山英樹のご両親はとても忍耐強いし、子供を信頼していたのだと思います。ほったらかしにされていて自分で考えるしかなかったという人もいますが、彼の場合は両親が意志を尊重してくれていたからだと思います。子供に答えを教えてしまったほうが楽なのですが、それをせずに本人が答えを見つけるのを待つというのは、口で言うほど簡単ではないので、ご両親は素晴らしいと思います。
    こういった自分で考え抜く思考力はゴルフのみならず、人生の全般において重要なことで、これが彼が人間的にも成長できる理由なのかなと思います。
    自分で課題を見つけ出して、自分でその課題を解決する方法を見出し、試行錯誤しながら精度の高いものを見つけていけること、これが松山英樹の強みなのかなと感じます。
    まだまだ伸びしろが多く残っているように感じるので、これからの成長が本当に楽しみで、特に来年以降には大きく期待しています。

  10. みち より:

    golfさん、イチローと松山pを比較した興味深い記事をありがとうございましたm(_ _)m

    特に今回の「脳のメカニズムに合った目標設定と目標達成のアプローチ」は、私のような単細胞でも分かり易く書いて頂き、とても面白かったです。
    何故、あんなに練習にうちこめるのか不思議でしたが、一流のアスリートには同じように見える練習の中にも異なる物が見えているんですね。
    レクサスのサイトで明徳義塾時代の監督が、他の生徒と違い大会に出ても帰って練習するための課題を探しているように見える程、松山君が練習の虫だったと書いていました。
    世界最高峰の場で活躍する今もなお、その頃から変わらず続いているところに彼が稀有な存在である事がわかります。

    「松山英樹が世界トップ10の常連となるのは間近!」の記事は残した成績でのものでしたが、今回の脳の働きの記事で、上位にいる事を当たり前に捉えてどんどんレベルが上がっていってるのかあと感心したり納得したり、とても面白かったです。

    イチローに関しては梅原猛さんが仏教を体現している人と書いていたのを読んだ事があります。
    松山pはまだ若いというだけでなく、イチローのように近寄りがたいオーラ(偏見かもですが)はありません。
    とても謙虚でゴルフ以外では普通の生活者の感覚を持ち合わせているところが、本当に魅力的です。

    色々感じる記事でしたので、コメントしたいと思っていましたが上手く表現出来なくてスミマセンm(_ _)m
    松山pの魅力を再発見出来ましたのでgolfさんにまたまた感謝ですm(_ _)m

    不本意な組み合わせですが、日本オープンの応援に行って来ます。このブログに集う皆さまと何処かですれ違うのかもしれません(笑)。想像しただけでワクワクします。

  11. golf より:

    みちさん、コメントありがとうございます。
    anaberuさん、みちさん、他の方々のコメントを改めて見直してみて、少し心配になったのは、私がこのシリーズを書いた意図を誤解して受け取っている方も少なくないのかなということです。

    イチローと松山英樹は性格が違いますし、人間性は異なります。私はそこが似ていると書いているわけではありません。イチローは言葉で表現することも多くなりましたが、松山英樹はそうではありませんので、それだけでも違いは明確です。梅原猛さんが「仏教を体現している人」というのをどういう意図と意味で使ったのかはわかりませんが、それも一つのイチロー像だとは思います。
    天才とか一流の中の一流とか呼ばれる人には「共通するプロフェッショナリズムや思考」があって、イチローとの共通点が多いので、それを例にして説明しているだけです。
    もしイチローと松山英樹の性格が似ていると私が書いていると感じている方がいるとしたら誤解ですし、私の表現力不足もあると思います。
    「天才と呼ばれる人たちの思考やアプローチは共通点が多く、イチローも持っているし、松山英樹もそれを持ち合わせています」と言いたいだけです。性格ではないんです。このテーマは羽生善治さんでも似たようなものを書けますが、性格が似ているというわけではありません。
    性格や育ってきた環境は違えども天才と呼ばれるような実績を残す人には共通点があり、それにフォーカスを当てているだけです。

    あと、イチローの名誉のために言っておきたいのですが、近寄りがたい雰囲気とか孤高の人というのは「マスコミが作り上げたイメージだ」とレッドソックスの上原浩治が話しています。日本のマスコミとイチローの関係が悪くなった時期があるのが大きな影響を与えています。
    上原は気さくで冗談が好きな兄ちゃんみたいな人と表していますし、ファンもすごく大切にしています。

    みちさんへのコメント返信で書いてしまって申し訳ないのですが、このシリーズのテーマは「天才、一流の中の一流と呼ばれる人に共通するプロフェッショナリズムや思考を松山英樹が持っていて、その面においてイチローと共通点がある」ということで、「イチローと松山英樹の性格や人間性が似ている」ということではありません。イチローがあまり好きでない方には後者のように映って不快だったかもしれません。コメントを読む限りではあるのですが、「イチローはあまり好きではない」「イチローと一緒と言われても嬉しくない」という感情が反応しながら記事を読まれたのかなという印象を受けています。間違っていたらすみません。

    私はイチローの人間性の全てが好きというわけではありませんし、ここは嫌だなと思う部分もありますが、そのプロ意識や努力を怠らない姿勢はすごく好きです。

    表現力が足りなかったところがあったようなので、4つ目の記事も準備していましたが、それはお蔵入りさせることにしました。意図が明確に伝わらなかったところがあるようなので、これは今後私も勉強、検討していきたいと思います。まあ、もうこういう記事は書かないで分析だけにするかもしれませんが、書いてみて色々と勉強にはなりました。あらためて文章で自分の意図を明確、正確に伝えるのは難しいなと感じています。

    日本オープンの予選ラウンドは観戦するのも大変かと思いますが、熱い応援をよろしくお願いします。

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