松山英樹のウェイストマネジメント・フェニックスオープン2016の優勝に対する海外の反応 Part 3

これまで2回に分けて海外メディアによる松山英樹のPGAツアー2勝目に対する評価を紹介してきました。

今回はその第3弾です。

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目次

GOLF CHANNEL(GOLF CENTRAL):勝因は圧倒的なショット力、パッティングが良くなればメジャー初Vは時間の問題

アメリカGolf Channelの解説陣がゴルフセントラルという番組で、フェニックスオープンで優勝した松山を分析しています。以下はゴルフネットワークによる翻訳(「勝因は圧倒的なショット力、パッティングが良くなればメジャー初Vは時間の問題」)
からの引用です。

ゴルフセントラルの司会者が、スイングやそのテンポが素晴らしくボールストライキングに優れることに触れ、その後ゴルフチャンネルの解説者の1人であるトリップ・アイゼンハワーに、優勝の要因はパッティングですかと聞きます。

それに対してトリップ・アイゼンハワーは以下のように答えます。

「確かにそうですが、先週はストロークス・ゲインド・パッティングで29位でしたから、どちらかといえばボールストライキングが優勝につながったと言えます。松山にとってパッティングで唯一の課題は、打つまでの時間です。」
(中略)
「松山はバーディパットを決めたわけですから、結果良ければ全て良しといえますが、アドレスの時間を短縮すれば、パッティングで次のレベルに到達できると思います。ティーからグリーンまでボールストライキングは申し分ありませんから、パッティングがもう少し良くなれば、メジャー初優勝は時間の問題でしょう。」

正規の最終18番でのバーディパットで比較しているのですが、リッキー・ファウラーが打つまでの時間が14秒だったのに対して、松山英樹が23秒と9秒長かったことに言及し、これを短くしたほうが良いと述べています。

スイングと同様にパッティングのストローク自体は良いので、あくまもでアドレスの時間をもう少し短くしたほうが、より良くなるだろうとアイゼンハワーは分析しています。

そしてこのパッティングが“もう少し”良くなれば、メジャー制覇に手がとどくだろうと分析しています。

そしてこの番組内ではさらに司会者が解説者のティム・ロサフォートにも質問します。

「松山の落ち着いた性格が、あのテンポの良いスイングに表れています。そして、大きなプレッシャーをものともしない勝ち方は驚異的でした。松山は世界ランキングで19位から12位へ浮上し、世界的なプレーヤーへと成長しています。しかし、トリップや中継で解説を担当したジョニー・ミラーが指摘したように、アドレスの際に体が固まってしまう癖には注意したほうがいいと思います」

パッティングのアドレスの時間に関しては注文をつけているものの、勝負のかかったプレッシャーのかかる場面でも決して崩れないスイングのテンポ、そしてクラッチパットの連続の末に勝利した、そのメンタルの強さを高く評価しています。

リッキー・ファウラーとのプレーオフは、”スリリングだった”、”ドラマチックだった”と表現するアメリカメディアが多くありました。

かなりのプレッシャーがかかる場面で、しかもほぼ100%に近い大ギャラリーが相手選手を応援するという完全アウェーで、勝負強いパッティングを決め続けました。

どのスポーツでもホームで勝つのと、アウェーで勝つことの難しさの違いは認識されています。そして日本人選手が海外で勝つことが難しいことは、ボクシングなどの歴代世界王者の多くが海外で防衛することができないことからも、それはうかがい知れます。

それをはねのけての優勝は正に日本人プレイヤーとしては規格外のメンタルの強さであり、メジャー制覇に必要な要素を持ち合わせていると言えるのではないでしょうか。

FANSIDED-ProGolf Now:私たちはビッグ5の議論を始めるべきかもしれない

FANSIDEDというアメリカの各種スポーツ電子メディアをバックアップしているサイトがあるのですが、その中でPGAツアーなどの記事で人気を集めているのがPro Golf Nowです。

そのPro Golf NowのライターであるSam Beldenが”Hideki Matsuyama: A Look Inside His Rapid Rise on the PGA TOUR“というタイトルの記事で、松山英樹がなぜ高く評価されているのか?ということをこれまでの成績をまとめて紹介しています。

その記事の冒頭で以下のように述べています。

Hideki Matsuyama may not be standing on the outside looking in any more. With Jordan Spieth, Rory McIlroy and Jason Day occupying the top three spots in the world rankings, the rise of golf’s new Big Three has been well-documented. Throw in Rickie Fowler, who’s seen plenty of success in the majors, and you can make the case that it’s a Big Four. Now, after last Sunday’s Waste Management Phoenix Open, we might have to start talking about a Big Five.

管理人訳「松山英樹はもう外側から中を覗き込むという立場ではないかもしれない。ジョーダン・スピース、ロリー・マキロイ、ジェイソン・デイが世界ランクのトップ3を独占し、新ビッグ3の台頭が大きく報じられている。メジャーでも多くの成功を収めているリッキー・ファウラーを入れれば、ビッグ4とも言えるだろう。ウェイストマネジメント・フェニックスオープンが終わった今、私たちはビッグ5の議論を始める必要があるかもしれない」

松山英樹はビッグ4をその外側から覗き込む立場にあると評価するのではなく、それらの選手のグループに入れて、世界のトップ中のトップであると評価すべきかどうかいう議論を始める時なのかもしれないと述べています。

たた、こういった議論を提起すると、多くの人が持つであろう疑問に対してもSam Beldenは触れています。

The Phoenix win was Matsuyama’s second PGA Tour title, coming 20 months after his first at the 2014 Memorial Tournament. That’s impressive, but there are plenty of talented young players who have just as many if not more PGA Tour victories–Billy Horschel, Harris English and Russell Henley all spring readily to mind. What sets Matsuyama apart from the crowd?

管理人訳「フェニックスオープンの優勝は松山にとってPGAツアー2勝目で、2014年のメモリアル・トーナメント優勝から20ヶ月後のものだ。これはとても素晴らしいことだが、ビリー・ホーシェル、ハリス・イングリッシュ、ラッセル・ヘンリーなどもっとPGAツアーで勝っている才能がある選手がいる、と容易に頭に浮かんでくる。では、何が松山英樹をそれらの選手と分けているのか?」

と述べた後、ひたすらアマチュア時代からの実績を列挙していきます。

  • 18歳でアジア・パシフィックアマチュア選手権を制覇(2010)し、翌年(2011)も優勝し2連覇
  • 日本学生ゴルフ選手権競技を2連覇(2011/2012)
  • 2011年にアマチュアで三井住友VISA太平洋マスターズで優勝
  • 2012年にアマチュアでありながらJGTOで2位2回を含むトップ10が4回(ライターはプロでの成績と勘違い)
  • 2013年日本ツアーで4勝、メジャーでは全米オープンで10位T、全英オープンで6位T、全米プロゴルフ選手権で19位Tで世界ランク23位に浮上。これらの実績により次の世代の有望選手としての地位を確立
  • 2013年にPGAツアーのわずか7試合でシード権を獲得
  • 2014年にメモリアルで優勝し、ジャック・ニクラスから”just seen the start of what’s going to be truly one of the world’s great players(ファンは世界の偉大なプレイヤーの1人の始まりを目撃したことになる)”と評される。
  • 2015年は優勝はなかったが、7回のトップ10、トップ25が6回という素晴らしい成績を残す
  • 2015年のマスターズではメジャーでの自己ベストとなる単独5位に

日本のメディアにもこれくらい列挙して松山英樹を紹介してもらいたいところです(笑)。

ただ、注文をつけるとするならばロリー・マキロイやリッキー・ファウラーと同様にアマチュア世界ランクNO.1になっていること、マスターズにアマチュアとして2回出場し、いずれも予選通過した上で、2011年にはローアマとなっていることも紹介してもらいたかったところです。

これらの素晴らしい実績を紹介することで、Sam Beldenが2勝でありながら、PGAツアーで松山英樹よりも勝利数が多い選手を押しのけて、ビッグ5の議論に登場することになると説明しています。

そして記事の最後は、松山英樹が世界ランク4位のリッキー・ファウラーと1対1の戦いを制して優勝したのを目にして、松山英樹は良いプレイヤーだとアメリカのファンが認識し始めている、と結んでいます。

すでにアメリカでも松山英樹は、ゴルフチャンネルなどで度々紹介されることもあるため、ゴルフの専門家や熱心なファンには認知度もあり、評価もされているのですが、Sam Beldenは実力と一般的なファンの認知度のバランスがとれているとは考えていないようです。

Financial Express(インドメディア):ビッグ4にチャレンジできるゲームを持っている

The Indian Expressとインドの日刊英字新聞の電子版であるFinancial ExpressでMeraj Shahというライターが“Over the top: The hare and the tortoise”という記事で松山英樹について紹介していました。

この記事では松山英樹がすでに”the Japanese golfer is already acknowledged as one of the finest iron ball strikers in the game.(この日本人プレイヤーは世界のゴルフシーンで最も素晴らしいアイアンのボールストライカーの1人として認知されている”ことを紹介し、これまで弱点とされてきたパッティングで優勝したことを伝えています。

その後は、松山英樹が全米オープンで10位タイ、全英オープンで6位タイ、マスターズで単独5位、2013-14と2014-15のシーズンでトップ10が15回、トップ25が34回と素晴らしい成績を残していることなどを伝えて、同じ日本人ゴルファーである石川遼と比較しています。

そして記事の最後では以下のように書いています。

Matsuyama is in a different league—firmly established in the second tier of top players in the world, taking the gauntlet to the likes of Rory McIlroy, Jordan Spieth, Jason Day and Rickie Fowler. He’s got the game to challenge them—ask Fowler.

管理人訳『松山は別のグループにいて、ロリー・マキロイ、ジョーダン・スピース、ジェイソン・デイ、リッキー・ファウラーを追撃する世界のトッププレイヤーのセカンドグループとしての地位を確かなものとしている。松山英樹は彼ら(ビッグ4)に挑戦できるゲームを持っている―ファウラーに聞いてみると良い。』

彼がビッグ4に挑戦できるゲームを持っているかどうかを、「リッキー・ファウラーに聞いてみると良い」とまで述べています。

つまりリッキー・ファウラーは”YES”と答えるだろうということです。

ビッグ4の一角であるジェイソン・デイは全米プロゴルフ選手権の優勝の後、そして2014-15シーズン最終戦終了後のそれぞれの記者会見で将来にわたるライバルの一人として松山英樹の名前を上げています。

2015-16シーズン開幕前にはそしてPGAツアー公式サイトのロブ・ボルトン氏によって世界のトップ5クオリティだとの評価を得ていて、2016年の年頭にはアメリカのゴルフダイジェスト誌によって松山英樹がビッグ4をビッグ5に変えるとの予想もなされました。

着実に世界トップクラスへの階段を登りつつある松山英樹ですが、まだ23歳で2月25日でようやく24歳なるところです。

そしてプロ転向からはまだ3年が経過していませんし、PGAツアー本格参戦3年目です。

急速なスピードでステップアップしていますが、伸びしろも多くの残されていますので、さらなる飛躍に期待したい松山英樹です。

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4 Responses to “松山英樹のウェイストマネジメント・フェニックスオープン2016の優勝に対する海外の反応 Part 3”

  1. 八太郎 より:

    パワーランキングのページでコメントを記しあと、新たにこの海外コメント Part 3 を拝見しました。
    一部厳しい評価もあって然るべきですが、絶対量たいへん高次元の評価となっていて嬉しいかぎりです。
    残念なことは、海外の松山評価より日本の中での松山評価がなされていないような気がする事です。
    英国のプロゴルフ協会がプロでもプロアマ戦 & 練習ラウンドに限り短パンでのラウンドが可とした新たなニュース。その理由は、若い人達にゴルフをもっと身近なものとしてもらいたい為・・・・。
    プラス思考の改革は素晴らしい事です。日本での参加試合数が足りないからシード権剥奪・・・・!! と或る国の協会役員が決定した閉鎖的マイナス思考。
    どちらがゴルフファンを増やしていくのか・・??
    不愉快と思われたなら、66 歳のシニアの戯言と聞き流してくださいませ。

  2. golf より:

    八太郎さん、コメントありがとうございます。
    ゴルフ界の問題の1つは、若い世代への魅力のアピールだと思います。
    今の若い世代が魅力を感じるようになるためには、やはり日本人が世界のトップクラスで活躍することだと思います。
    昔のように日本のテレビ、新聞、雑誌の情報だけではなく、世界の情報に直接触れることができる時代なので、そのスポーツが若い年代から注目をあつめるためには世界で活躍することは不可欠だと思います。
    日本ゴルフ界全体を考えても、松山英樹の実力や実績を正しく伝えてもらいたいです。

  3. Ken より:

    golfさん、こんにちは。
    世界では松山株が急上昇していますが、根拠に基づいた評価なので松山選手のファンの一人としては嬉しい限りです。
    ウェイストマネジメント・フェニックスオープン2016の優勝以降、一部のスポーツ紙において松山選手に対するトーンが変わってきたような気がします。
    golfさんがいつも指摘されるように、本来は日本において“判官びいき”的な記事が数多くあっても不思議ではないはずなのに、ややもすると過小評価の記事ばかりが目立つ中にあって、この記事はgolfさんのデータを拝借しているかのような嬉しい内容となっているので紹介させていただきました。
    http://www.nikkansports.com/sports/golf/column/pitchmark/news/1604563.html

    18日開幕のノーザントラストオープンが待ち遠しくて仕方あません。

  4. golf より:

    Kenさん、コメントありがとうございます。
    松山英樹自身がプレーはさることながら、それ以外の面でも努力し、改善すべきところは改善していること。そしてプロとして世界を舞台に結果を残していますので、日本でも評価されてしかるべきだと思います。
    松山英樹自身が非常に努力していますので、それが徐々に広がっているのではないかと思います。
    本人はあくまでもメジャー制覇をいかに成し遂げるかに焦点があると思いますので、そこに向けてステップアップできるノーザントラストオープンとなることを願っています。

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