石川遼が年内に2017年の四大メジャーの出場権を獲得するには?

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石川遼がPGAツアーを2月に離脱した後、日本プロゴルフ選手権を皮切りに、KBCオーガスタ、フジサンケイクラシック、ANAオープンに出場しました。

この後は、10月13日に日本オープンに出場した後、10月20日からのCIMBクラシックでPGAツアーに復帰する予定です。

ANAオープンの開催期間中に25歳となった石川遼ですが、これからの10年でメジャー制覇を果たしたいとのインタビュー記事が複数メディアに掲載されました。

そういった目標をもって戦うことは選手としての技量を向上させる上で重要になりますが、そのためには現実的な目の前のハードルを越えていく必要があります。

メジャー制覇という目標を果たすためには、まずは出場権を獲得することが必要になり、さらにそのメジャーで優勝争いなどの上位を経験し、さらにそれに競り勝つことができる実力を身につけなければなりません。

そこで、今回は石川遼が2016年年内に2017年四大メジャートーナメント(マスターズ、全米オープン、全英オープン、全米オープン)の出場権を獲得するのに必要な成績と、今後の越えるべき壁について見ていきたいと思います。

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1. 四大メジャートーナメントの出場資格を2016年中に獲得するために必要な成績は?

まず石川遼が年内に四大メジャートーナメントの出場権を獲得できる可能性がある出場資格は以下のとおりとなっています。

トーナメント名 出場権獲得の条件
マスターズ 15. RBCヘリテージ2016からマスターズ2017の間でPGAツアーの500ポイント以上のトーナメント優勝者
17. 2016年12月26日時点での世界ゴルフランクのトップ50
全米オープン 該当条件なし
全英オープン 19. 日本オープンゴルフ選手権の優勝者
20. 2016年日本ゴルフツアー(JGTO)の賞金ランキング上位2名
全米プロゴルフ選手権 10. 全米プロゴルフ選手権2016終了後に行われたPGAツアーが共催、承認するトーナメントの優勝者

これらをもとに必要な成績とその難易度、ハードルの高さについて考えていきます。

1.1. PGAツアーでの優勝によるマスターズと全米プロゴルフ選手権の出場権獲得について

PGAツアーの優勝に関しても可能性はありますが、これまでも日本での成績が海外での成績に繋がらないことが続いていますので、簡単なハードルではありません。

2014年にセガサミーカップを制した直後の全英オープンは予選落ち、2015年にANAオープンを優勝した後のフライズドットコムオープンで予選落ち、ゴルフ日本シリーズJTカップを優勝した後は、ソニーオープン・イン・ハワイでセカンドカット、ファーマーズインシュランスオープン、ウェイストマネジメントフェニックスオープンで連続予選落ちとなっています。

またPGAツアーでの直近2年間(2014年10月~2016年9月)での最高位のフィニッシュがプレイヤーズ2015の8位タイ、クイッケンローンズナショナル2015の10位で、トップ10フィニッシュはこの2回にとどまります。

1.2. 2016年の最終世界ランクのトップ50によるマスターズの出場権獲得について

世界ランクのトップ50に入るための条件ですが、2016年9月22日時点で50位となっているチャーリー・ホフマンを基準に考えていきます。

50位のチャーリー・ホフマンの平均ポイントは2.6693ポイントで、116位の石川遼のポイントは1.3598ポイントとなっていますので、2倍近い差がついています。

この差を埋めるためには最低でも世界ランクポイントを68ポイント獲得する必要があります。

そのためにはポイントのとりやすい日本ツアーに多く出場したほうが良いのですが、PGAツアーで公傷制度を認定された関係で、日本ツアーの出場が制限されます。

PGAツアーでのシード権は失ったものの、公傷制度により20試合の出場権が与えられているのですが、PGAツアーの開催週に日本ツアーに出場すると、その延長された試合数が減らされるためです。

そのため現状ではリハビリとして認められている5試合の最後の試合となる日本オープン、PGAツアーの開催週でないゴルフ日本シリーズJTカップへの出場が見込まれます。

その日本オープンで優勝(32ポイント)、ゴルフ日本シリーズJTカップ(前年実績:17ポイント)で、ともに優勝しても19ポイント足りないことになり、残りのポイントをPGAツアーで獲得する必要があります。

しかし、この19ポイントをPGAツアーで獲得するのは簡単なハードルではありません。

直近2年間(2014年10月~2016年9月)で石川遼がPGAツアーで獲得したポイントで一番高いのがプレイヤーズチャンピオンシップ2015の8位タイでの11.20ポイント、それに続くのがクイッケンローンズナショナル2015の10位で4.76ポイント、フライズドットコムオープン2014の19位タイで2.61ポイントとなっています。

同じく直近2年間で石川遼は世界ランクポイントを109.79ポイント獲得しているのですが、日本ツアーの19試合で80.66ポイント(平均4.24)、PGAツアーの32試合で29.13ポイント(平均0.910)となっていますので、PGAツアーで19ポイントを獲得するのは高いハードルであることがわかります。

PGAツアーにはマレーシアで開催のCIMBクラシックで復帰後、オープンウィークを挟んでアメリカに移動し相性の良いシュライナーズホスピタル・フォー・チルドレンオープン、初出場となるOHLクラシックの3試合、もしくはそこにRSMクラシックを含めた最大4試合になるのではないかと予想されますので、この試合で19ポイントを獲得することも必要となります。

まとめると世界ランク50位に年内に入るためには日本オープンとゴルフ日本シリーズJTカップをともに制した上で、PGAツアー出場3試合ないし4試合で19ポイントを獲得する必要があることになります。

1.3. 日本ツアー(JGTO)の賞金ランキング上位2名による全英オープンの出場権獲得について

以前は日本の賞金王にマスターズから特別招待などがあったのですが、近年はその招待もないため全英オープンのみが対象となると予想されます。

日本の賞金ランク上位2名ですが、2016年9月22日時点で1位の谷原秀人が9816万4370円、2位の金庚泰が8857万5967円となっていますので、石川遼少なくともこの2人に割って入る必要があります。

石川遼は現在3452万円となっているのですが、谷原秀人を上回るには6365万円、金庚泰には5046万円が必要となります。

先に述べたように石川遼が年内に出場する見込みとなるトーナメントは日本オープンとゴルフ日本シリーズJTカップの2試合となるため、2試合でその金額を獲得する必要があります。

最低でも金庚泰を上回る必要がありますが、そのためにはどちらかで優勝し、もう1試合で単独3位以上の成績が目安となります。

ただ、これは金庚泰が賞金を上積みしないことを想定した場合です。

石川遼が日本オープンとゴルフ日本シリーズで優勝と単独2位で6000万円超を加えても1億円には届かないギリギリのラインとなる見込みです。

金庚泰が入れ替え戦でPGAツアーの出場資格を獲得できず日本ツアーに復帰した場合には、6試合程度は出場が見込まれるため、賞金を上積みして1億円を越えてくると予想されます。

また今季は好調な池田勇太は7047万4953円としている上に、これからの日本ツアーにフル出場する可能性が高く、1億円を越えてくることが想定され、それは谷原秀人も同様です。

そのため状況次第とはなるのですが、石川遼がこのカテゴリーで全英オープンの出場権を獲得するには日本オープンとゴルフ日本シリーズJTカップの連勝が必要となるかもしれません。

仮に連勝しても谷原、金、池田の結果次第では上位2名にはなれない可能性もあるため、現実的な目標は日本オープンで優勝して全英オープンの出場権を獲得し、その後にマスターズや全米プロゴルフ選手権の出場権を目指すということになりそうです。

もし日本オープンで優勝できなければ、今年の年内にメジャーの出場権を獲得するのはPGAツアーで優勝できるかどうかにかかってくる可能性が高いと予想される現状です。

2. 石川遼の四大メジャートーナメントの全成績で見る越えるべきハードル

最後に石川遼のこれまでのキャリア全体での四大メジャートーナメントでの成績から見る現状と越えるべきハードルについて見ていきます。

トーナメント 結果 出場資格
マスターズトーナメント2009 CUT 19. 国際招待
全英オープン2009 CUT 25. 出場資格を有しない選手でミズノ読売オープンの上位4名
全米プロゴルフ選手権2009 T56 11. PGAオブアメリカの特別招待
マスターズトーナメント2010 CUT 18. 2009年世界ランクトップ50
全米オープン2010 T33 15. 2009年JGTO賞金上位2名
全英オープン2010 T27 6. 2010年のWeek21の世界ランクトップ50
全米プロゴルフ選手権2010 CUT 11. PGAオブアメリカの特別招待
マスターズトーナメント2011 T20 18. 2010年世界ランクトップ50
全米オープン2011 T30 17. 2011年5月22日の世界ランクトップ50
全英オープン2011 CUT 25. 2010年JGTO賞金ランク上位2名
全米プロゴルフ選手権2011 CUT 12. PGAオブアメリカの招待
マスターズトーナメント2012 CUT 20. 国際招待
全米オープン2012 CUT 13. 2012年5月21日の世界ランクトップ60
全英オープン2012 CUT 20. プレジデンツカップ2011の出場メンバー
全米プロゴルフ選手権2012 T59 12. PGAオブアメリカの招待
マスターズトーナメント2013 T38 20. 国際招待
全米プロゴルフ選手権2013 T29 12. PGAオブアメリカの招待
全英オープン2014 CUT オルタネイト:Week27の世界ランク76位
全米プロゴルフ選手権2014 CUT 12. PGAオブアメリカの招待
全米オープン2015 CUT セクショナルクオリファイング(予選会)

2010年から2012年にかけては四大メジャー全てに出場しましたが、2013年にPGAツアーに本格参戦してからはメジャーの出場試合数も減り、2013年は2試合、2014年は2試合、2015年は1試合となりました。

そして2016年は故障はあったものの出場権を得ていたトーナメントはなく、連続出場も途切れました。

PGAツアーを主戦場にしながらメジャーに出場するには、PGAツアーで優勝するか、ケビン・ナのようにコンスタントにトップ5、トップ10に入ることが必要になります。

またメジャーで優勝するためには、現在の予選通過率40.00%(8/20)を向上させる必要がありますし、3連続予選落ちという流れをまずは止める必要があります。

その上で1回しかないトップ25を増やし、まだ達成していないトップ10フィニッシュをすることなども、優勝に近づくプロセスとして必要があると考えられます。

大きな目標を掲げることはプロアスリートとして重要なことで、それがあることは素晴らしいことです。

次に必要なことは、目標を達成するために、目の前の現実とハードルを越えていくことが不可欠なプロセスとなりますので、やり遂げっていってくれることを期待しています。

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4 Responses to “石川遼が年内に2017年の四大メジャーの出場権を獲得するには?”

  1. toki より:

    golfさん、こんばんは。
    16-17年のメジャー参戦の可能性の低さを教えてくださってありがとうございます(笑)。
    日本での立派な成績もPGAツアーで通用してこなかったのですから、間違ってメジャー参戦しても、ここ数年は散々の成績になることは痛いほど分かっています。
    golfさんのコメントの最後の2行は、石川遼・そのスタッフに読ませたいものです。
    ところで、『全米オープン 該当条件なし 』となっていますが、
     •13. 2017年5月22日時点での世界ゴルフランキングのトップ60
     •14.2017年6月12日時点での世界ゴルフランキングのトップ60
     •16.全米オープン予選会(2017年5月22日)
    は、該当しないのでしょうか?。
    まぁ、これに該当するようでしたら、それまでにPGAツアーで1回は優勝していることでしょうがね(笑)。

  2. golf より:

    tokiさん、コメントありがとうございます。
    現時点では、これまでのPGAツアーでの過去の実績を打ち破るような大きな飛躍が必要なのかなという印象です。
    今回の投稿は年内に出場権確定というのが基準になっていて、該当条件の13、14、16は年明けの以降の条件で、年内には確定できないので、今回のは対象外になっています。
    PGAツアーを主戦場にして、年明けにメジャーの出場権を獲得していくには、年内に世界ランクポイントを稼ぐと同時に、年明けのPGAツアーでも好成績が必要になると思います。
    夢とか目標というのを、現実に引き寄せるためには、現実の問題をいかに多くクリアしていくことが大切なのかなと思います。夢を描く時は想像でもできますが、それを実現するためには現実のシビアな努力が欠かせないわけで、特に世界のトップクラスがしのぎを削る世界では重要になると思います。
    メジャー制覇という、今までの日本人としてはレジェンドと言われるプレイヤーたちが達成できなかった高い目標を設定しているわけですから、それに応じて要求される内容は高くなりますので、頑張ってもらいたいです。

  3. マーク より:

    golfさん、石川のメジャー挑戦に関する記事のアップをありがとうございます。
    復帰後の日本での成績が良いものだから、勢いあまって夢をコメントにしたのでしょうね。
    もちろん夢は良いのですが、その前にPGA優勝があるし、シード権獲得があるし、メジャーにコンスタントに出場できるだけの足場を築く必要があることを忘れていないか、ということですよね。
    日本であれだけ強いキョンテも、今入れ替え戦で苦しんでいます。
    石川はこれからの20試合、厳しい戦いが待っていることを再認識し、手綱を締めてもらいたいですね。

  4. golf より:

    マークさん、コメントありがとうございます。
    金庚泰は第3戦の予選通過も難しそうなので、PGAツアーの出場権獲得は難しそうですね。金庚泰は日本ツアーでは完全に抜けた存在ですが、PGAツアーどころか、入れ替え戦でも苦しんでいますので、残念ですがこれが現状のレベルの差なのかと思います。金庚泰にも頑張ってもらいたいです。
    10代の頃は夢として語っていても微笑ましい感じにファンは受け取ると思うのですが、プロキャリア10年で25歳となると、ファンが期待するのは着実なステップアップなのかなという気がします。
    PGAツアーで余裕を持ってシード権を確保できるようになること、PGAツアーを主戦場にしながらコンスタントにメジャーに出れるようになること、などのステップを踏むことが、メジャー制覇に近づく道だと私も思います。
    今はPGAツアーのレベルも上がってきていて、メジャーの優勝争いも熾烈になっているので、なおのこと底力をつけていく必要があると思います。
    日本ツアーの成績に満足することなく、上を目指して頑張って欲しいですね。

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