石川遼の公傷制度の今後の展望と2016-17シーズン前半戦のスタッツ分析

1. 石川遼の公傷制度での現在の状況

スポンサードリンク

石川遼は昨シーズンでシードを落としたのですが、公傷制度により救済を受けて20試合の出場資格の延長を受けました。その間に昨シーズンのシード権相当のポイントもしくは賞金を獲得する必要があるステータスで、20試合で399.720ポイント、もしくは65万5788ドルがそのための基準となります。

石川遼の今シーズンの成績は以下のとおりとなっています。

  • CIMBクラシック:10位タイ
  • シュライナーズオープン:予選落ち
  • OHLクラシック:50位タイ
  • キャリアビルダチャレンジ:50位タイ
  • ファーマーズインシュランスオープン:20位タイ
  • WMフェニックスオープン:予選落ち
  • ジェネシスオープン:予選落ち
  • ホンダクラシック:37位タイ
  • バルスパーチャンピオンシップ:69位
  • プエルトリコオープン:予選落ち
  • シェル・ヒューストンオープン:予選落ち

この11戦で予選通過が6回(54.5%)、トップ10が1回(9.1%)、トップ25が2回(18.2%)で、獲得したポイントは134.580、賞金は28万9059ドルとなっています。

公傷制度の適用を受けている石川遼の現状は以下の表のとおりとなっています。(追記:初回更新時の数字に誤りがあったため修正しています。)

Ryo-Ishikawa-Medical-Extension-20170415_1

残り9試合で現在の「優先順位22番目の公傷制度による出場資格」のステータスを維持するには265.140ポイント、もしくは36万6729ドルを獲得する必要がある状況となっています。

このスタータスを逃した場合の保険となるのが、出場の優先順位は低いものの岩田寛と同じ「優先順位30番目の前シーズンのフェデックスカップランク126位から150位の出場資格」です。それを獲得するには319ポイントが目安となり、あと129.42ポイントが必要になっています。

9試合全てに予選通過したことを前提に、「公傷制度による22番目の出場資格」を確保するためには、1試合平均で29.46ポイント、賞金は4万747ドルが必要で、「前シーズンのフェデックスカップランク126位から150位」という30番目の出場資格には1試合平均で14.38ポイントが必要です。

今季の石川遼は1試合あたり12.23ポイント、賞金2万6278ドルの獲得にとどまっています。

特に年明けからの成績が芳しくなく、9試合で64.937ポイントと、1試合平均で7.22ポイントしか獲得できていません。

またこれまでの予選通過率を元に6試合程度しか決勝ラウンドに進出できないと仮定した場合には、22番目の出場資格は44.19ポイント、もしくは6万1122ドル、30番目の資格は21.57ポイントに一気に跳ね上がります。

このままのペースが続けば「22番目の出場資格」はもちろんのこと、30番目の出場資格の確保も難しい状況となっていて、残り9試合での急激な立て直し、V字浮上が必要となっています。

2. スタッツで見る石川遼の現在の状態

現在、最も信頼できるスタッツとされているのがストロークスゲインド(Strokes Gained)です。PGAツアーがショットリンクで集計し続けているショットやパットの距離別のデータを元に、その選手のショットやパットが平均よりも優れているか、劣っているかを示しています。

その優劣をストロークス数で示していてフィールドの平均より優れていればプラス、劣っていればマイナスの数字となります。

そのストロークスゲインドには、以下のようなものがあります。

  • オフ・ザ・ティー:パー4とパー5のティショットの貢献度
  • アプローチ・ザ・グリーン:パー3のティショットと30ヤードを越えるグリーンへのアプローチショットの貢献度
  • アラウンド・ザ・グリーン:30ヤード以内のショートゲームの貢献度
  • ティー・トゥ・グリーン:ショット全体の貢献度
  • パッティング:パッティングの貢献度
  • トータル:フィールドの平均ストロークに対する優劣

これを踏まえて石川遼のストロークスゲインドのスタッツを見ていきます。順位は210選手中のもので、スタッツは以下の表のとおりとなっています。

Ryo Ishikawa_Stats_20170412

PGAツアーの平均を上回っているのはショートゲームの貢献度を示すアラウンド・ザ・グリーンです。24位と上位にランクされ1ラウンドあたり0.369ストローク、平均的な選手よりも優れていることになります。

それに次いで良いのがパッティングですが、-0.058とややマイナスで、順位も119位にとどまっています。

大きく足を引っ張っているのが「オフ・ザ・ティー」と「アプローチ・ザ・グリーン」で、ぞれぞれ-0.479で178位、-0.481で177位となっています。

このティショットと30ヤードを越えるグリーンへのアプローチショットで、毎ラウンド1ストローク近い(0.96)差をつけられていることになります。

また、この2つのカテゴリーでのマイナスが響いているため、ショット全体では平均的な選手よりも1ラウンドあたり-0.590下回り、ランクも172位と下位んでいます。

このようにショットとパットともにマイナスとなるため、ストロークスインド・トータルは-0.648で173位となっています。

つまり2ラウンドをプレーすれば、フィールドの平均を1.296ストローク下回り、4ラウンドでは2.592ストローク下回ることになりますので、予選落ちが多くなり、決勝ラウンドに進出しても上位フィニッシュが難しくなっています。

3. ティショットとアプローチショットの詳細なスタッツ分析

予選通過率が6割以下にとどまり、上位フィニッシュが少ない原因となっているティショットとアプローチショットの内容をもう少し見ていきます。

ティショットのスタッツは以下のとおりとなっています。順位は同じく210選手中のものとなっています。

  • 平均飛距離:288.6 yds(126位)
  • フェアウェイキープ率:55.08%(180位)
  • ディスタンス・フロム・フェアウェイ:33フィート4インチ(186位)
  • 左ラフテンデンシー:13.07%(86位)
  • 右ラフテンデンシー:21.20%(196位)

飛距離はPGAツアーの平均をやや下回る数字で、フェアウェイキープ率はPGAツアーの下位に沈んでいます。またフェアウェイを外した時の幅は33フィート4インチで186位となっています。

これらの数字が示しているのは、飛距離でのアドバンテージはなく、フェアウェイにいかない回数が多く、外した時の曲げ幅も大きく、曲げる時は右に行くことが多いことも示しています。

このようにティショットの様々な要素がマイナスに働いていることを反映して、ストロークスゲインド・オフ・ザ・ティー(SG:OFF-THE-TEE)が-0.479で178位となっています。

続いてアプローチショットに関連するスタッツは以下のとおりとなっています。

  • パーオン率:65.85%(146位)
  • プロキシミティ・トゥ・ホール:37フィート7インチ(155位)
  • ゴーイング・フォ・ザ・グリーン:44.74%(154位)
  • ゴーイング・フォ・ザ・グリーン(ヒット・グリーン):23.53%(96位)

パーオン率は65.85%で146位とこちらも良い数字ではなく、さらにカップまでの平均距離(プロキシミティ・トゥ・ホール)も155位となっています。つまりパーオンの回数も多くなく、さらに近い距離につける精度の高いショットも少ないことを数字は示していることになります。

ゴーイング・フォ・ザ・グリーンとは、パー4で1オン、パー5で2オンが可能なホールで、それを試みた割合を示す数字で、ヒット・グリーンは試みた結果、成功した割合を示しています。

これらのスタッツを見ると、パー4での1オン、パー5での2オンを試みる回数がツアー平均を大きく下回り、76回チャンスがあった中で試みたのは34回にとどまっています。そしてその34回の中で成功したのは8回だけとなっています。

このことからわかるのは、スコアを伸ばしやすいチャンスホールと言えるパー5やパー4で遅れをとりやすい状態になっているということで、実際にパー5の平均スコアは4.75で175位と下位になっています。

またこのアプローチショットのカテゴリーには、パー3のティショットが含まれているのですが、パー3の平均スコアは3.14で196位となるなど、あまリ良い結果を残せていません。

このようなスタッツなどが積み重なってストロークスゲインド・アプローチ・ザ・グリーン(SG: APPROACH-THE-GREEN)は-0.481で177位となっています。

フェースローテーションを抑えて、飛距離よりは精度を優先したスイングへの改造を試みていると報じられていますが、今の時点ではその精度の部分で成果が現れていない状況となっています。

残り9試合の早い段階で、現在試みているスイング改造によるティショット、アイアンショットの精度を向上ができるか否かが、シード権確保を左右する大きな要素となりそうです。

スポンサードリンク

よく読まれています

コメントは受け付けていません。

このページの先頭へ