錦織圭の言葉から見る日本人ゴルファーが海外に積極的に挑戦することの重要性と世界のトップクラスになるためのポイント

世界のスポーツ競技人口には、様々な統計があるようですが、多く目にするのはバスケットが1位で4億5000万人、サッカーが2位で2億5000万人、3位がクリケットで1億数千万人、4位がテニスで1億人、5位がゴルフで6500万人というものです。

トップ3のスポーツはいずれも団体競技となりますが、4位のテニスと5位のゴルフは個人競技となります。

そのテニスという競技において世界で活躍している日本人と言えば、人気、実力を兼ね備えた錦織圭です。

これまでは想像だにできなかった日本人男子最高位となる世界ランキング4位に到達し、簡単ではないもののグランドスラム制覇も手に届くところまで上り詰めています。

その錦織圭が世界の壁を破ることができた要因として、2013年の日経新聞の記事で興味深い内容を語っています。

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錦織圭本人が分析する世界の壁を破ることができた理由とは?

2013年1月12日付の日本経済新聞の電子版である「世界で飛躍…錦織に「壁」を破らせたもの』という記事で、世界の壁を越えていく要素となった内容について語っています。

以下はその記事からの引用です。

「日本に住んでいないからじゃないですか。今、改めて思いますね。もし日本に住んでいたら、テングになってしまっていた自信がある。日本に住んでいたら、絶対に無理だったと思う。自分が一番というのが見えちゃうから、そのことに多分満足しちゃう」

帰国すればたくさんのライトを浴び、CM撮影には一流の面々が顔をそろえ、有名人に紹介される機会も多い。「刺激を受けますし、それはそれで楽しいですよ」という。

しかし、試合に追われる身だから、日本に長逗留(とうりゅう)もできず、少しいい気分になったところで、練習拠点のフロリダかツアーに戻ることになる。これがちょうどいいタイミングなのだという。

米国では「誰も相手にしてくれない」。自分の練習を見る人は増えたが、決してちやほやはされない。

(中略)

「ここは世界が近いから危機感がある。日本ではここまでの危機感は得られない」

トップ選手や有望ジュニアが頻繁に練習に訪れるので、遊び気分も吹き飛ぶし、10代のころはそうした選手が身近な目標となった。

「ミロシュ・ラオニッチ(カナダ)、ライアン・ハリソン(米国)、グリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)……。若い選手が出てきているのも肌で感じられる」と話す。

競争が日常。進み続けなければ生き残れない。それが13歳からの錦織の環境だった。本人はニコニコと、拍子抜けするほどほんわりした口調で話しているけれど……。

錦織圭は「自分が一番というのが見えちゃうから、そのことに多分満足してしまい、日本にいればテングになっていた自信がある」と話しています。

裏を返せば、狭い日本での満足感が世界で戦う上での妨げになる可能性があるとも話していることになります。

もちろん日本の競技レベルが世界トップクラスにあれば別の話となりますが、テニスにおいてはそうではありません。

しかし、日本にいれば1番であること、そして錦織圭であればダントツでのNO.1であること実感できてしまいテングになる。

つまり練磨・研鑽に集中しきれず、徹底的に自分を追い込むことができなくなり、世界のトップで戦うことろには至ることができなかったのではないかと自己分析しています。

しかし、アメリカであれば「誰も相手にしてくれない」「チヤホヤされない」という環境となり、さらには世界中の新鋭が次々と現れてくるのを肌で感じざるをえず、危機感を持ち続けることができ、自分自身を追い込まざるを得なくなるとも話していることにもなります。

世界のトップクラスで戦うためには、変な満足感にひたることなく、常に危機感を持ち続けて、妥協することなく自分自身を磨き続けることが、重要であるということが錦織圭の言葉から伺えます。

個人スポーツとしては世界でNO.1の競技人口であるテニスにおいて、身長178cmという恵まれていない体格の日本人が世界ランクのトップ4に入ることは、素晴らしい快挙なのですが、そのメンタル面での要因の1つがこのような良い意味で「満足しない」「危機感を持ち続ける」ことだということです。

そしてそのような精神状態にするためには世界のシビアな環境と戦いに身を置き続けることが重要だと錦織圭は感じているということです。

もちろんトレーニング、練習など様々な要素が噛み合ったからこそ、世界のトップクラスになれたわけですが、それを妥協することなく突き詰めてやっていくには海外に身を置き続けることは重要だと言えるのではないでしょうか。

世界のレベルを肌で感じ、危機感を持って戦うことが重要

残念ながら日本におけるゴルフのレベルも世界の標準、基準に近いとは言えません。

日本人選手のメジャーなどでの成績、日本人アマチュア選手の世界レベルの大会での成績を見れば、それは否定しがたい現実です。

日本で活躍することが世界で活躍することに直結するくらいのレベルになっているのが理想ではあるのですが、そういった環境を日本に整えるのに要するであろう時間や巨額の費用などの様々な事情を考えると、簡単ではありません。

その日本で満足していては、なかなか世界で通用する、そして世界でトップクラスになることはできないという現実があります。

特に海外メジャーやビックトーナメントはいずれも日本国外で行われ、その多くはアメリカで開催されますので、どの試合も日本人にとってはアウェーです。

仮にどんなに日本人プレイヤーが活躍したしても、タイガー・ウッズ、フィル・ミケルソン、ジョーダン・スピース、リッキー・ファウラーなどがアメリカのトーナメントで受けるような声援を受けることはないでしょう。

その中で勝つためには、完全アウェーの中でも動じずに力を発揮できるメンタル、そしてそのハンデを乗り越えるだけの技術・力量が必要となります。

また海外で勝つためには環境に対する経験のハンデを乗り越える必要もあります。

日本のコースでは、PGAツアーで使用されるようなコースのような激しいアンジュレーションがあるグリーン、クラブを振りぬくことも簡単ではないキクユ芝、バミューダ芝、ケンタッキーブルーグラス、フェスキューのラフを体験しながら技術を磨くことは、残念ながらできません。

さらにはアメリカ本土は広大なため試合ごとに大きく天候、湿度などが異なります。

このような日本では経験できない環境やコースの経験値でもアメリカのネイティブのプレイヤーよりも不利な立場にあります。

しかし、これらのハンデを乗り越えずして、単発の好成績ではない、継続的な世界トップクラスの成績を、日本人プレイヤーが残すことはできないのではないでしょうか。

そのハンデを乗り越えるだけの経験を積み重ねるには、PGAツアーをはじめとする海外でのプロツアーへの参戦は重要であることは間違いありません。

PGAツアーにおいては、通常のトーナメントの優勝経験者だけでなく、メジャー優勝経験のあるプレーヤーもシードを確保できずに、そのステータスを失うことが少なくないほど、選手層の入れ替わりがあります。

今回の入れ替え戦で新たにPGAツアーの出場資格を獲得し、プレジデンツカップにも出場するインドのアニルバン・ラヒリ、優先順位4番目の出場資格を獲得したアルゼンチンのエミリアーノ・グリージョなど世界から優秀なプレイヤーが次々と本格参戦してきます。

WGC-ブリヂストン・インビテーショナルを制して、シーズン終盤にPGAツアーメンバーとなったシェーン・ローリーもフルシーズンのPGAツアーメンバーとなります。

新人としてはダニエル・バーガー、ジャスティン・トーマス、パトリック・ロジャースのように下部ツアーであるウェブドットコムツアーからの選手も頭角を現してきています。

さらにはジョーダン・スピースのように主催者推薦で出場しながら結果を残し、シーズン途中に正式メンバーになるような選手が現れる可能性もあります。

元世界アマチュアランク1位で、ツアーチャンピオンシップで松山英樹のマーカーを務めたオリー・シュナイダージャンズなどは、その有力候補の1人です。

そしてアマチュア世界ランク1位となり、2015年にNCAAディビジョン1-チャンピオンシップと全米アマチュアの両方を制したブライソン・デシャンボーがいます。

過去にNCAAディビジョン1-チャンピオンシップと全米アマチュアの両方を同一年に優勝したプレイヤーはジャック・ニクラス、フィル・ミケルソン、タイガー・ウッズ、ライアン・ムーアの4人だけで、そこにブライソン・デシャンボーが5人目として加わったことになります。

このブライソン・デシャンボーも2015-16シーズン中にはプロ転向する可能性があります。

こういった世界中の優秀なプレイヤー、下部ツアー、世界トップクラスのアマチュアが揃うフィールドで生き残っていくことは、世界トップクラスで活躍するための最低ラインであって、さらに上を目指すならば、このフィールドで上位の結果を残し続けていくことが重要です。

世界のゴルフのレベル向上は日進月歩とも言えるもので、それを一番身近に感じることができる場所がPGAツアーです。

また新たな選手の台頭を肌で感じることができ、危機感を得ることができるる場所でもあります。

2015-16シーズンのPGAツアーに参戦する3人の日本人プレイヤー3人も良い意味での危機感を常に持ち続け、成長し続けることが世界で活躍するためには必要なのではないでしょうか。

シビアな環境に身を置き続けて、自分自身を徹底的に磨いていくことが、世界のトップクラスになるためには必要で、そのためにはPGAツアーは最適な場所であるとも言えます。

PGAツアーで戦う日本人プレイヤーの3人は、その世界の進化のスピードを上回る成長をしていってくれることを期待しています。

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8 Responses to “錦織圭の言葉から見る日本人ゴルファーが海外に積極的に挑戦することの重要性と世界のトップクラスになるためのポイント”

  1. ゆり より:

    おはようございます。

    錦織君と同じに、世界で活躍しているプロ選手達は、
    皆さんしっかりした考えを持って挑戦してますねぇ。

    海外で活躍を願ってますが、資金面で大変なのでしょうねぇ。
    日本ゴルフ界の場合は安心な国内戦にどっぷりと
    浸かってた方が楽なのでしょうね。
    国内戦、最近どきどき、わくわく感が有りません。

    来シーズンより挑戦が始まる、岩田選手も
    お金がないなんって冗談ぽく言ってました。
    「本音もちらっと」・・
    日本の企業様・是非協力して欲しいと願ってます。

    日本3選手には是非頑張って欲しいです。
    益々PGAツア-から目が離せません。
    海外選手達のあの本気な戦いは日本選手達に無い
    どきどき、わくわくをさせてくれます。
    そして、松山君のおかげで、マ-カ-をやって
    くれた、オリ-選手を知る事が出来ました。
    何故か応援したくなる選手です(笑)。
    松山君との組み合わせ選手になり、競り合って
    ツア-を盛り上げて行って欲しい選手の1人です。

    来シ-ズンも来週になってきました。
    楽しみに待ってます。
    golfさん・益々忙しくなってきますねぇ・・
    体調にお気をつけて頑張って下さい。

  2. golf より:

    ゆりさん、コメントありがとうございます。
    世界のトップクラスになれるような一流選手は身体能力もそうですが、メンタルや思考も重要なのだなと感じます。日本人選手は身体能力という点で海外の選手に勝つことは容易では無いので、なおさらその面が重要ではないかという気がしています。
    よりレベルの高い世界があれば、そこで活躍してもらいたいと思うのが、応援する側の心理ではないかと思います。海外にせっかく挑戦するわけですから、より高みを目指して頑張ってもらいたいです、岩田選手をサポートしてくれる企業が見つかることを心から願っています。

  3. ACE より:

    golfさん、興味深い記事ありがとうございます。錦織選手の言葉、、重いですね。世界の甘くない舞台、厳しい環境の中で磨かれるメンタル・・日本から挑戦する選手達にはハンデも多いです。
    松山選手や石川選手・そして岩田選手が必死に頑張っていますが、その姿に刺激を受け、より多くの選手が挑戦してくれることを願うばかりです。golfさんおっしゃるように金銭面でも今はハードルが高くなっていると思うので、多くの企業の応援が欲しいですね・・・
    最近はアメリカの大学生が特に成長著しく、PGAに入ってもすぐ勝ってしまいそうな選手が多くて本当にビックリします。
    ブライソン・デシャンボー選手は大学(コーチ)の不祥事で連覇の夢も絶たれましたし、やはりプロ転向するのでしょうか?
    すごい若者が続々出てくるのでうかうかしていられませんね。
    ともあれ3選手の来季の活躍を願います。

  4. golf より:

    ACEさん、コメントありがとうございます。
    日本人が海外で活躍するために、乗り越えるべきハンデは多いと思うのですが、それを着実に錦織圭はクリアしてきて、今の位置まできていると思います。
    こういった錦織圭の姿勢や思考は、他のスポーツのアスリートにとっても非常に参考になるのではないかという気がしています。
    なかなか海外に挑戦するのは簡単ではないですが、若い選手のほうが身軽で挑戦しやすいとは思いますので、できるだけ早い時期に海外にチャレンジしてもらいたいです。
    その点では川村昌弘が積極的だったり、片岡大育がユーロピアンツアーに挑戦しようとしているのは、とても楽しみです。
    日本のゴルフのレベルが向上するためにも頑張ってもらいたいです。
    アメリカのアマチュアのレベルは本当に高いですよね。スピースの活躍で、より一層若い選手たちが奮起しているようにも感じます。
    それらの選手に追い落とされずに、さらに上に登っていけるように、新シーズンも頑張ってもらいたいです。

  5. まこ より:

    日本オープンを見て相変わらぬ池田雄太のマナーの悪さを感じました。ジャンボ尾崎もかつてはそうでした。私は日本人ということだけで応援することに抵抗を感じます。実力のある選手から学ぶことは多いと思いますので世界の一流選手のスタッツやエピソード、哲学などを紹介していただければ嬉しいです。ゴルフの世界ではやはりPGAで勝つ可能性のある選手を紹介してもらいたいと思います。日本でいくら勝っていても世界では通用しないことが現実です。世界の一流選手の情報をもっと知りたいと思います。予選通過を目標にしている選手の情報に時間を割いてしまうことはもったいないと思います。文章力がなく失礼があればお許しください。このブログの大ファンであるからこそ書いてしまいました。

  6. golf より:

    まこさん、コメントありがとうございます。
    松山は実力的に他の日本人と比較しても仕方ないくらい突出していると思いますので、その凄さは他の日本人プレイヤーと比較するよりも、世界のトップ30の選手たちと比較するほうが、よりわかるのではないかなと感じています。
    そういったトッププレイヤーたちの比較や分析、新ビッグ3のプレースタイルやメンタルコントロールについても色々と記事にしてみたいのですが、時間の制約があり、私もやりたいことの半分くらいしかできていません(笑)。シーズンオフ等にはそういったことにも手を広げれれば良いかなと思っています。
    日本人を応援しているのは長期的な視野でもってやっているので、今はあまり成果が出ないもので、時間の使い方としてどうかという面はあるのかもしれません。
    ただ、人を育成することは基本的に時間がかかるもので、それを嫌がって目先の利益に走り過ぎたスポーツは世界で通用する選手がいなくなり、結果として、そのスポーツ自体が人気、実力ともに地盤沈下してしまっています。日本ゴルフ界が抱えている問題もややそういう面があるので気になっています。利益は大切だと思いますが、だからこそ短期的な売上ではなく、長期的に人材を育成することに時間と費用を多く費やすことが重要ではないかとも思っています。
    ブログで日本人を応援していても、メジャーでは多くの選手が予選落ちしている現実があり、あまり実っていないとも考えられますが、長期的な視野にたてば、そういったことがあっても致し方ないのかなとも割り切っている面はあります。いずれ何かしらの形で実れば良いなあと。
    後は、私自身が周囲で接する若い人に「身軽な独身のうちに世界に行って視野を広げると良い」と勧めても、実際にそういう行動を取る人は極めて少ないというか、ほぼいないので、実際に海外に挑戦している人を見るだけで応援したくなるのも、多分に影響しています(笑)。
    ブログを読んでくださり、ありがとうございます。私のブログを評価して下さっていることは、前のコメントからも伝わってきていて、とても感謝しています。
    私のアプローチや考え方が正しいのかどうかはわかりませんが、今後もコツコツと継続しながら、質を高められるようにしていければと思っていますので、よろしくお願い致します。

  7. まこ より:

    ものすごくうれしいコメントありがとうございます。真摯に返事をいただき、ますます信頼が持てました。golfさんのポリシー通りに進めていただくことに異存はありません。私見ですが、日本の男子プロ協会と選手会には期待できません。年間5試合の出場を科すという決まりに選手会の反論なくスター選手も現れず魅力を感じません。ギャラリーに対する敬意も感じられません。一方女子プロ協会はファンを大切にして選手を教育していることが応援に行っても感じられます。固有名詞を書くと差しさわりがありますが、タバコをふかして態度が悪い人、ナイスバーデイーと言っても反応のない人、男子も女子にもいました。松山君には今の日本の体質にメスを入れるような活躍を期待しています。

  8. golf より:

    まこさん、コメントありがとうございます。
    スポンサーを増やそうという努力はしているようですが、もしかしたら順序が逆なのかもしれません。
    ファンが満足し、ファンが楽しむことで、ファンが増えていけば、企業の方がトーナメントを主催したくて手を挙げてくれるわけですから、ファンが何を求めているのかを、日本のゴルフ界には追求してもらいたいです。
    まこさんのように実際に観戦に行かれている方の声に真摯に耳を傾けてもらいたいです。
    PGAツアーの運営は顧客満足度を高めるというビジネスの基本がベースになっていて、トーナメント運営、ウェブサイト運営、テレビ中継などに一貫性が保たれています。日本のツアー運営もスポーツとしても、ビジネスとしてもより洗練されていくと良いなあと願っています。

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