岩田寛はウェブドットコムツアーファイナルズ(入れ替え戦)経由で出場資格を得た選手の中では24番目の優先順位でシーズンを迎えました。
しかし、これまで4戦を終えて予選落ち、MDF(73位T)、64位タイ、予選落ちという結果で、フェデックスカップポイントを6.92ポイントしか獲得できていません。
入れ替え戦を経て出場資格を獲得した選手のリシャッフルがRSMクラシック2015終了後に行われるのですが、仮にこのままポイントを伸ばせずに終わった場合は優先順位が下がることになります。
その場合には、年明け以降のPGAツアーでは出場できる試合が限られてくることになる状況です。
その岩田寛の現状と今後の見通し、そしてRSMクラシック2015で残したい成績について分析していきたいと思います。
目次
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岩田寛が出場できる可能性がある2015-16PGAツアーの試合は?
まず、2015年11月16日時点で岩田寛は以下のPGAツアーの出場資格を有していません。
- マスターズ
- 全米オープン
- 全英オープン
- 全米プロゴルフ選手権
- ザ・プレイヤーズチャンピオンシップ
- WGC-キャデラックチャンピオンシップ
- WGC-デルマッチプレー
- WGC-ブリジストンインビテーショナル
- アーノルドパーマーインビテーショナル
- RBCヘリテージ
- メモリアル・トーナメント
- コロニアルインビテーショナル(旧:クラウンプラザ)
- クイッケンローンズナショナル
これらの試合の出場資格は厳しいもので、ここに出場出来るくらいの世界ランクに上昇する、あるいはフェデックスカップランクで上位になることができれば、入れ替え戦カテゴリー選手のリシャッフルを気にする必要がありませんので、これらの試合を除外して検討していきます。
入れ替え戦経由の選手は、PGAツアーの出場資格の中で26番目の優先順位となるのですが、それよりも下にフェデックスカップ126-150位、過去のPGAツアー優勝者などのカテゴリーが存在します。
PGAツアーの2014-15シーズンのトーナメントで、入れ替え戦経由のカテゴリー以下の出場資格で試合に出場できた選手数をまとめた表は以下のとおりとなっています。
トーナメント名 | 出場選手数 |
---|---|
ソニーオープン・イン・ハワイ | 31 |
ヒューマナ・チャレンジ | 36 |
ファーマーズインシュランスオープン | 47 |
ウェイスト・マネージメント・フェニックス | 0 |
AT&Tペブルビーチナショナルプロアマ | 72 |
ノーザントラストオープン | 11 |
ザ・ホンダクラシック | 20 |
バルスパーチャンピオンシップ | 13 |
プエルトリコオープン | 82 |
シェル・ヒューストンオープン | 24 |
バレロテキサスオープン | 22 |
チューリッヒクラシック | 50 |
ウェールズファーゴチャンピオンシップ | 34 |
AT&Tバイロン・ネルソン | 52 |
フェデックスセントジュードクラシック | 61 |
バラクーダチャンピオンシップ | 63 |
グリーンブライヤークラシック | 45 |
バーバソルチャンピオンシップ | 78 |
RBCカナディアンオープン | 36 |
トラベタラーズチャンピオンシップ | 45 |
ジョンディアクラシック | 57 |
ウィンダムチャンピオンシップ | 43 |
このうちヒューマナ・チャレンジ(2016年からはキャリアビルダーチャレンジ)とAT&Tペブルビーチナショナルプロアマは、プロアマ形式の試合で、アメリカのアマチュアのプレイヤーと一緒にプレーをすることになりますので、英語力がある程度ないとエントリーしにくい試合です。
現状で岩田寛がこれらの試合に出場するのは難しいと予想されます。
そして日照時間の関係でフルフィールドの人数が少ないウェイスト・マネージメント・フェニックス・オープンはウェブドットコムツアー出身の選手には、ほぼ出場資格が降りてきませんので、ここも出場は難しいと考えられます。
これらのことを考慮するとウェブドットコムツアー出身の岩田寛が500ポイントの試合でも出場できる可能性が残るのは実際には16試合程度となります。
そして裏開催とも呼ばれる300ポイントの試合に関しては、入れ替え戦経由の出場資格とそれ以下の出場資格で、プエルトリコオープンは82名、バーバソルチャンピオンシップは78名、バラクーダチャンピオンシップは63名が出場しています。
そのため300ポイント設定の試合に関しては、出場の可否を気にする必要はありません。
このように見ていくと岩田寛が出場できる可能性が現時点であるのは500ポイントが16試合、300ポイントが3試合の19試合となります。
しかし、500ポイント設定の試合ではフィールドの薄い、厚いといった違いが日程上により生じていますので、ウェブドットコムツアー出身選手の中での優先順位によって、出場できるか否かが決定されることになります。
- 優先順位10番目:19試合
- 優先順位15番目:17試合
- 優先順位20番目:17試合
- 優先順位25番目:14試合
- 優先順位30番目:14試合
- 優先順位35番目:12試合
- 優先順位40番目:11試合
昨年のエントリーの実績を元に見ていくと10位以内であれば19試合程度に、11位から20位であれば17試合、21位から30位であれば14試合、そして35位前後であれば12試合、40位となると11試合程度しか、出場が見込めないことになります。
シーズン開幕時点での順位が24番目だった岩田寛ですが、これを仮にキープできたとしても年明けの試合で14試合しか出場が見込めないという状況であるということです。
そのため年内の試合でトップ10に迫るくらいに順位を上げておきたい立場の岩田寛です。
岩田寛の現状とRSMクラシックで必要な成績
続いてOHLクラシックが終了した時点での岩田寛の現状を見ていきます。
公式サイト上のデータを元に作成したのですが、岩田寛の開幕時の順位が19番目となっていますが、優勝した選手を除外していることなどによるものです。
実際にシャッフルは行われませんが、仮にこの時点でシャッフルが行われた場合には、岩田寛の優先順位が36番目まで下がることになります。
仮にRSMクラシックも予選落ちした場合には、これよりも上位となることはありません。そして各トーナメントのエントリー状況が昨シーズンどおりとなった場合には来年の年明けは12試合程度しか出場できないことになります。
今季はスケジュールが大きく変わりましたので、予想しにくいところはあるのですが、多くても2試合出場できる試合が増える程度ではないかと予想されますので、かなり厳しい状況になりつつあります。
これだけ出場試合が限られる中でフェデックスカップランク125位以内のフルシード権、125-150位の準シード権を確保することは容易ではありませんので、やはりRSMクラシックで好成績を残して優先順位を上昇させる必要があります。
では、どのくらいの結果が目安になるのかということを、最後にまとめておきます。
- 優先順位10番目:単独7位(90ポイント)
- 優先順位15番目:単独9位(80ポイント)
- 優先順位20番目:トップ25(46ポイント)
- 優先順位25番目:トップ40(31ポイント)
年内最終戦のRSMクラシックは、OHLクラシックよりフィールドが強くなる見込みです。
個人的にはフィールドの強いWGC-HSBCチャンピオンズではなく、裏開催のサンダーソンファームズに出場して、OHLクラシック、RSMクラシックという太平洋を渡るような長距離移動のないスケジュールが良いと考えていましたが、今となってはRSMクラシックで結果を残すしかありません。
PGAツアーに生き残るための1つ目の大きな壁が訪れていますが、これを乗り越えてくれることを願っています。
なお、岩田寛の優先順位の動向については英語となりますが、PGAツアー公式サイトでも更新されていますので、そちらを見ることで最新情報を確認できます。
コメント
分かりやすい記事をどうもありがとうございます。
こうしてみると、優先順位15~20の間くらいには入っておきたい感じですね。そのためには、10位タイ~20位タイぐらいの順位が必要でしょうね。
何とか頑張って欲しいところです。
それと、石川遼選手が昨年、ギリギリのギリギリでも、125位以内に入って、フルシードを取れていたのは大きかったんですね。
nakaさん、ありがとうございます。
石川遼が最終戦前に賞金シードを確実にしておいて、最終戦でフルシードに滑り込んだのは、こういった入れ替え戦カテゴリーのリシャッフルを気にしなくても良いので、本当に価値あるものだったと私も思います。
簡単ではないですが、岩田寛にはトップ10を目標にして、トップ25は死守ラインくらいの感覚で頑張ってもらいたいです。
golfさん、こんばんは。
気になる情報をしっかり数字でお知らせいただきありがとうございます。来週の試合、大事になりますね。上位に入れる力は間違いなくあるので、今年最後の試合、何とか持ち直してもらいたいです。
長距離の移動の連続は想像以上でしょうし、慣れない芝や日本にはない厳しいセッティングなど、ストレスのかかる毎日かと思います。言葉にしても、思うようにコミュニケーションが取れなかったりと本当にいろいろあるのだろうと想像します。
OHLクラシックは最終日が明日に順延しているのでRSMクラシックに続けて出る選手にとっては負担がかかるでしょうから数日休めている分をアドバンテージととらえて頑張ってほしいです。
ACEさん、こんばんは。
環境に対応するだけでも多くのエネルギーが必要な中、結果を残さないといけないという、大きなプレッシャーの中でプレーしていますので、本当にタフな戦いだと思います。
ACEさんの仰るとおり、マンデーフィニッシュとなるOHLクラシックを先に終えてRSMクラシックのコースに早めに入れるというアドバンテージになっていますので、頑張ってもらいたいです。
本来のプレーができればトップ25に入れるだけの力はあると思いますので、RSMクラシックで本領を発揮してくれることを願っています。
golfさん、私の知りたかった情報をまとめて頂き、本当にありがとうございます。
このままだと年間40試合程あるうち10試合程度しか出れないかもしれないとのことで、PGAツアーカードの意味が薄れてしまうような状況となりかねません。
次の試合で目指すのは優先順位20番、トップ25が必須条件というのがわかりました。明確な目標をもって、何とか達成してもらいたいです。
マークさん、コメントありがとうございます。
全米プロゴルフ選手権でもトップ25に入れているわけですから、出せない結果ではないはずです。
結果を残すしかない立場なので、出来る限りの最高の準備をしてRSMクラシックで結果を残してくれることを願っています。
おはようございます。
『リシャッフル』項での説明では、岩田選手の順位が分かりにくかったですが、ここではすっきりと理解できました。
ありがとうございました。
RSMクラシックの結果が出てからお聞きしようと思っていたのですが、日本オープンの件で岩田選手にJGA主催競技の2年間出場停止の処分が下されました。
PGAを主戦場とする岩田選手なので、あまり関係はないと思っていましたが、RSMでの成績次第で厳しい1年になると思われますが、JGA主催競技って、何試合あるのでしょうか。
自分で調べればよいのでしょうが、よろしかったら教えていただきたいと思っております。
tokiさん、コメントありがとうございます。
JGA主催競技は日本オープンとダイヤモンドカップの2つで、この2試合が2年間出場停止になるようです。
賞金王などを考えると外したくない2試合ですが、そうでなければ何とか対応できるのかなと思います。
またPGAツアーでフルシードを持っていたら、この2試合は日程的に出場できるか微妙なので、シードを確保できれば影響は少ないと思います。
岩田寛はとにかくPGAツアーでやっていくことしか考えていないので、受け入れるつもりだったみたいですね。
ただ、出場義務試合数にしてもそうですが、ルールとして選手やファンに、猶予期間をもって事前に明示していないにも関わらず、いきなり厳しい処罰を下すのは、少し変だなと思います。
書面でやりとりはしたようですが、普通は「ルールを破ったらこういう制裁がありますよ」ということを事前に明示しておくべきかなという気がします。
またルールを新しく施行する場合には、緊急を要するものではない限り、移行期間、猶予期間をつくるべきだと思います。
こういったエントリーに関するルールを、シーズン開幕前に明確化することは、賞金で生計を立てている選手だけでなく、選手を応援するファンへの気遣い、マナーではないかなと思いますので、JGAには頑張ってもらいたいです。
丁寧な返信ありがとうございました。
2試合だけでしたか。
もっとあるかと思い、PGAでの試合数が減るようでしたら大変だなと考えておりましたが、まずは一安心ですね。
golfさんの『ただ』以降の意見、もっともだと思います。
いきなりの処罰だったんですか。
JGAのやり方は考えものですよね。
お礼だけですので、返信はご無用です。