四大メジャーの成績から見る「松山英樹の進化と現在地」

松山英樹が優勝争いの末に全米プロゴルフ選手権で5位タイに終わりました。

その結果、今年の松山英樹のメジャーでの成績はマスターズが11位タイ、全米オープンが2位タイ、全英オープンが14位タイ、全米プロゴルフ選手権が5位タイという素晴らしい成績を残すことになりました。

スポンサーリンク

トップ5フィニッシュが落胆に映る高いレベルで戦う松山英樹

今までの日本人プロゴルファーのスタンダードであれば、メジャーでのトップ10は拍手喝采というようなものでした。

しかし、松山英樹はトップ5を2回も記録しながら「落胆」と感じさせるレベルに達しています。

トップ10で称賛されていたということの裏側には、どこかで「勝てるはずもないところを頑張ってくれた」というものがファンの心理に潜んでいます。

ただ、松山英樹の場合はメジャー制覇に手をかけている状態のため、落胆に映るだけであって、今年のメジャーでの成績は世界でも屈指の素晴らしさでした。

以下は今年の四大メジャーで獲得した世界ポイントによるランキングです。

全米オープンを制したブルックス・ケプカが1位で136.26ポイント、その後は、全米プロゴルフ選手権を制したジャスティン・トーマス119.60ポイント、全英オープンを制したジョーダン・スピースが119.32ポイント、マスターズを制したセルヒオ・ガルシアが109.75ポイントと続いています。

四大メジャーの優勝者には世界ランクポイントが100ポイント与えられます。このことを考慮するとブルックス・ケプカ以外の3人は、優勝したメジャー以外ではあまり結果を残せていないことがわかります。

一方、5番手につけているマット・クーチャーは108.50ポイント、そして6番手は松山英樹で91.85ポイントとなっています。

この2人は優勝にこそ手が届かなかったものの、4つのメジャートーナメント全てで上位の結果を残しているため、メジャー制覇を果たした選手たちと遜色ないポイントを獲得することができています。

この6人の今年のメジャーでの成績は以下の表のとおりとなっています。

OWGR points Rankings in Major Championship 2017

松山英樹の成績がハイレベルなところで安定していることがわかります。

しかし、このことを逆手にとって、あたかも「勝ちきれない選手」というような評価をする向きもあるかもしれません。

ただ、2015年と2016年の松山英樹を比較すると、その評価が妥当なものかは疑わしくなります。

2015年の松山英樹は日米合わせて27試合に出場し、2位が2回、3位が1回、4位から10位のフィニッシュが7回、予選落ちが2回という成績でした。

この時も「安定していて、いいところまで行くけど勝ちきれない」、メンタルとパットに課題があって「PGAツアーではもう勝てない」というような論も一部メディアの中にはありました。

ところが2016年は25試合で5勝、2位が1回、3位が1回、4位から10位のフィニッシュが5回と、堰を切ったように勝利数を上積みしていきました。

いきなりメジャー優勝というような選手もいるのですが、松山英樹はどちらかと言えば、そういうタイプではありません。

打ち上げ花火のように勝つのではなく、着実に実力を底上げしていくことで全体的な成績が向上し、あるポイントを過ぎた時点で大きな飛躍が訪れ、一気に勝ちだすという傾向があります。

アマチュア時代は2011年にマスターズローアマ、日本ツアー(JGTO)での優勝があったものの、2012年は2位が2回、4位、7位と好成績は残したものの優勝はありませんでした。しかし、2013年のプロ転向後は、日本ツアーで4勝を上げて賞金王になり、メジャーでも全米オープンと全英オープンでトップ10フィニッシュをしています。

成長というものは右肩上がりだけにはならないのが現実で、実際には階段の踊り場のように、進んではいるけれども登ってはいないという現象に直面する期間が必ず訪れます。

メジャーで優勝していないという点においては、階段を登れていないのかもしれません。しかし、だからと言って前進していることを否定するのは賢明ではありません。

松山英樹のメジャーでの成績を見ていけば、着実にステップを踏んで優勝に近づいていると考えられるからです。

松山英樹のメジャーでの全成績は以下の表のとおりとなっています。

Hideki Matsuyama_Results in Major Championship 2011-2017

2013年にトップ10を2回、そして一番悪いのが全米プロゴルフの19位という素晴らしい成績を残しました。が、その翌年はトップ10が1度もなく35位タイが最高のフィニッシュでした。

しかし、2015年にはマスターズでメジャー自己ベストを更新する5位を記録し、2016年にはトップ10を2回に加えて、全米プロゴルフ選手権で4位タイとベストをさらに更新しました。

さらに、今年は一番悪い成績が14位タイであることに加えて、2位タイ、5位タイとトップ5フィニッシュを2つ並べています。

着実にステップを踏むことで、様々な課題や障害をクリアし続けてきた松山英樹です。これまでの成績を振り返ると、メジャー制覇はもう目前まで来ていると考えられます。

全米プロゴルフ選手権の結果に関する海外メディアの論調に多いのは、「松山英樹は日本の国全体の期待という過剰なほどの重荷を背負っている」という同情的なもので、実力を疑うようなものではありません。

テレビ中継では、アメリカの現地中継のカメラに加えて、フジテレビとゴルフネットワークの専用カメラがついていました。松山の取材のために集まる日本メディア関係者の数を目にするだけでも、大きなプレッシャーがかかっていたことが容易にわかるからこそ、そのような見解が出ています。

その重荷を背負うことに不平を言ったり、逃げたしたりすることなく、誰よりも多くのトレーニングと練習を積むことで着実に実力をつけ、メジャー制覇に近づきつつある松山英樹です。

メジャーでの優勝争いの経験が必要ではありますが、実力そのものを疑う必要はありません。着実なステップを踏んだ後、大ブレイクをすることを繰り返してきた松山英樹です。今年はその着実なステップを踏むことができています。

「できるかどうか」ではなく、「いつできるか」の問題と戦っているだけです。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする