松山英樹は2015年を終えた時点では世界ランク15位でした。
ウェイストマネジメント・フェニックスオープンの優勝などで一時は世界ランク11位まで上昇したのですが、夏場に行ったクラブとスイングの大幅な変更による不調で、その流れは止まってしまいました。
それでもシーズン終盤には徐々に調子を戻していきましたが、10月の時点では世界ランクは18位まで後退しました。
しかし、そこからの快進撃で5戦で世界ランクポイントを201ポイント獲得し、世界ランク5位が見える位置での同5位で2016年を終えることになりました。
2016年の松山英樹は夏場に不調があったものの、2016年最後の快進撃によりトータルで世界ランクポイントを382.95獲得したのですが、これは2016年の世界のプレイヤーで3番目にランクされるポイントとなりました。
世界で文字通り3本の指に入る成績を残した松山英樹の2016年
2016年の世界ランクの獲得ポイントの上位10名は以下のとおりとなっています。
Rank(Point Gained) | Players |
---|---|
1位(454.20 pts) | ダスティン・ジョンソン(WR:3位) |
2位(384.29 pts) | ジェイソン・デイ(WR:1位) |
3位(382.95 pts) | 松山 英樹(WR:6位) |
4位(378.43 pts) | ローリー・マキロイ(WR:2位) |
5位(361.82 pts) | ヘンリック・ステンソン(WR:4位) |
6位(316.13 pts) | ジョーダン・スピース(WR:5位) |
7位(303.25 pts) | アダム・スコット(WR:7位) |
8位(259.49 pts) | パトリック・リード(WR:8位) |
9位(255.06 pts) | ダニー・ウィレット(WR:11位) |
10位(214.76 pts) | ジミー・ウォーカー(WR:21位) |
全米オープン、世界ゴルフ選手権シリーズのWGC-ブリジストンインビテーショナル、プレーオフのBMWチャンピオンシップなど3勝を上げて現在世界ランク3位となっているダスティン・ジョンソン。
PGAツアーの旗艦トーナメントであるザ・プレイヤーズチャンピオンシップ、世界ゴルフ選手権シリーズのWGC-デルマッチプレー、アーノルド・パーマーインビテーショナルなど3勝を上げ世界ランク1位のジェイソン・デイ。
その2人に次ぐ松山英樹は、四大メジャー4勝のロリー・マキロイ、同2勝のジョーダン・スピース、2016年のマスターズ王者のダニー・ウィレット、全英オープン王者のヘンリク・ステンソン、全米プロゴルフ選手権を制したジミー・ウォーカーらを上回って世界第3位となる382.95ポイントを獲得しました。
現在の世界ランキングの制度では、基本的には直近2年間の成績が対象となるため、この1年間だけの成績が反映されているものではありません。
ですが、この1年だけを切り取ってみると、世界のゴルフシーンで松山英樹より世界ランクのポイントを獲得した選手はわずかに2名しかいなかったことになります。
この事実からみても現在の松山英樹は世界でもエリートクラスに属することになったことがわかります。
さらにこの松山英樹の獲得ポイントがとてつもない数字であることは、日本ゴルフツアー(JGTO)全体の優勝ポイントの合計を見ることでもわかります。
日本ツアーは2016年に26戦が開催されたのですが、そのうちSMBCシンガポールオープン、レオパレス21ミャンマーオープン、パナソニックオープン、ダイヤモンドカップゴルフに4試合はアジアンツアーとの共同主管で、フィールドの半分はアジアンツアーのプレイヤーで構成されていました。
そのため日本ツアー単独で開催されているトーナメントだけでは22戦となります。
その26戦の世界ランクの優勝ポイントは以下のとおりとなっています。
Event Name | Winner’s Points |
---|---|
SMBCシンガポール・オープン | 28 |
レオパレス21ミャンマーオープン | 15 |
東建ホームメイトカップ | 16 |
パナソニックオープン | 16 |
中日クラウンズ | 16 |
関西オープン | 16 |
ミズノオープン | 16 |
日本ゴルフツアー選手権 | 16 |
ISPSハンダグローバルカップ | 20 |
セガサミーカップ | 16 |
日本プロゴルフ選手権 | 16 |
ダンロップ・スリクソン福島オープン | 16 |
RIZAP KBCオーガスタ | 16 |
フジサンケイクラシック | 16 |
ANAオープン | 16 |
ダイヤモンドカップゴルフ | 15 |
トップ杯東海クラシック | 16 |
HONMA TOURWORLD CUP | 16 |
日本オープンゴルフ選手権 | 32 |
ブリヂストンオープン | 18 |
マイナビABCチャンピオンシップ | 16 |
HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP | 16 |
三井住友VISA太平洋マスターズ | 23 |
ダンロップフェニックス | 26 |
カシオワールドオープン | 16 |
ゴルフ日本シリーズJTカップ | 18 |
日本ツアー(JGTO) 合計 | 393 |
日本ツアー(JGTO)による単独での開催トーナメント22戦での優勝者のポイントの合計は393ポイント、アジアンツアーとの共同での開催となったトーナメント4試合の優勝ポイントは合計で74ポイントとなっています。
日本ツアーは2016年の26戦での優勝者の獲得ポイントの合計は467ポイントとなりますので、1戦あたり17.96ポイントとなります。
この数字で松山英樹の2016年の獲得ポイントである382.95ポイントを換算すると、日本ツアーの21.3勝分となります。
つまり松山英樹が2016年に獲得した世界ランクのポイントは、日本ツアーの26戦で22勝しないと、上回ることができないことになります。
日本ツアーの単独で開催しているトーナメントは22戦です。そのため単独開催の22戦全部に勝たないと松山英樹以上の世界ランクのポイントは獲得できませんので、日本ツアー全体に匹敵するようなポイントを獲得したことにもなります。
松山英樹が戦っている次元が、他の日本人プレイヤーと全く違うことが、これで良くわかるのではないかと思います。
これだけの成績を残したのですが、シーズン中盤にはプロ転向後で一番の低迷期を迎え、その後もショットの状態は完全には良いものにはなりませんでした。
スタッツやデータをとりながら松山英樹のプレーを見続けていますが、優勝した世界ゴルフ選手権、ヒーローワールドチャレンジでもショットの状態は今一歩でした。
その2つのトーナメントで優勝できたのはパターが良かったことが理由ではあるのですが、それでもパッティングもベストの状態ではない中でのものでした。
まだまだ積み残し、伸びしろを多く残した状態で躍進を遂げた松山英樹の2017年が期待されます。