マスターズゴルフトーナメント2015に、日本人で唯一の出場となった松山英樹が、アマチュア時代も含めて自身4度目のマスターズに挑みます。
アマチュア時代に出場した2011年は27位タイでローアマを獲得し、翌年も54位タイで予選通過を果たしたのですが、2014年は故障から休養明けによる調整不足が影響し、初日に80を叩いて予選落ちとなってしまいました。
しかし、今年は2014-15シーズンでは11試合の出場で5度のトップ10フィニッシュをし、優勝候補の一人としてマスターズを迎えることになりました。
その松山英樹のマスターズ2015の全ラウンド速報です。
目次
松山英樹の全ラウンドのプレーの速報と結果
松山英樹のマスターズ2015のラウンド別のプレー詳細やキースタッツなどは以下のボタンのリンク先にまとめています。
第1ラウンド:一時は3アンダーまで伸ばすも初日は4バーディ・3ボギーの1アンダーに
松山英樹の第1ラウンドはウェブ・シンプソン、ポール・ケーシーとの組み合わせで、日本時間の4月9日11時19分からスタートしました。
その初日のホールバイホールとプレーの詳細は以下のとおりとなっています。
第1ラウンドは4バーディ・3ボギーの1アンダーで、ホールアウトした時点では暫定で17位タイでしたが、最終的には首位と7打差の18位タイでのスタートとなりました。
フロントナインでは、ティーショットがやや不安定だったものの、大きく曲げることもなく、十分にグリーンを狙えるところにはボールを置くことができていました。
そしてそこからのアイアンは切れていて、次々と狙える距離でのバーディチャンスを作ります。
しかし、2番では1.5m、3番では3.4mのバーディパットを外し、課題のパッティングの不安を感じさせる出だしとなりました。
その悪くなりそうな流れを断ち切ったのが、4番ホールでのバーディでした。グリーンをこぼれ短く刈られたラフからのパットによる8.8mのアプローチでバーディ奪いました。
続く5番では1.8mのパーパットを外したものの、6番で3.7mのバーディパットを沈めて、悪い流れになるのを断ち切ることができました。
そしてフロントナインの最後のホールとなる9番ではバーディを奪い、2つスコアを伸ばしてハーフターンとなりました。
この時点ではファアウェイキープ7ホール中3ホールとイマイチでしたが、パーオンは9ホール中6ホールと、休養明けのフロントナインにつまづくことが多かった課題を解消する出だしとなりました。
そして10番では3.1mのバーディパットを沈めれませんでしたが、アーメンコーナーの11番ホールでは2.4mを沈めてパー、12番のパー3のバーディパットはカップをかすめて外れるも、楽に沈めてパーセーブし、難関の2ホールをうまく切り抜けました。
13番のパー5ではファアウェイからの2オンを狙った結果、バンカーにつかまりピンの奥がクリークという難しいショットでしたが、それを90cmに寄せてバーディを奪い、この時点で6位タイに浮上しました。
しかし、17番ではティーショットを曲げてしまい、そこからのセカンドショットでグリーンを捉えたものの、20mを超える長いパッティングとなり、このラウンドで初の3パットとなってしまいました。
そして18番ではディーショットがグリーンにつかまり、さらにセカンドがガードバンカーにに入り、そこからのアプローチが寄り切らず、上がり2ホール連続ボギーとなってしまいました。
最後の2ホールになってティーショットが不安定になってしまった結果、不安の残るパッティングで微妙なラインを残してしまい、スコアを落とすことになりました。
パッティングが良ければ、5アンダーくらいは出ていた第1ラウンドで、途中までは非常に良かっただけに、もったいない上がり2ホールとなってしまいました。
ただ、休養明けのファーストラウンドにしてはまずまずの出だしで、首位とも大きく離れていません。ショットの状態は良いので、やはり「パッティング」が優勝争いに向けて課題なりそうです。
ホールアウト後のコメントでは、「良い状態ではなかった。アイアンショットに関してはだいぶ良い感じになってきていると思うんで、後はティーショットとパッティングかなと思います。」とのことでした。
初日はファアウェイキープ率は57.14%(8/14)で66位T、パーオン率は66.67%(12/18)で32位T、総パット数は29パットで24位タイ、パーオン時の平均パット数は1.833となっています。
ファアウェイキープとパーオンの両スタッツは、優勝争いをする時ほどの良さを感じさせるものではありませんが、初日にスコアを落とすことが多くなっていましたので、今日は及第点と言えるのではないでしょうか。
アイアンは切れていてバーディチャンスを多く作れていましたし、ティーショットがもう少し安定すれば楽にバーディを奪え、ボギーの不安も減りますので、本人のコメントどおり、ティーショットとパッティングが重要になりそうです。
どちらかと言えばスロースターターで、初日に上位にいる時よりも、中位くらいの位置につけたほうが最終的には良い位置にいることが多いので、明日以降に期待したいと思います。
まずは明日確実にプレーして予選通過して、決勝ラウンドで勝負してくれることを期待しています。
第2ラウンドで2つスコアを伸ばして3アンダーで決勝ラウンドへ
第2ラウンドは4月11日の午前2時26分からウェブ・シンプソン、ポール・ケーシーとの組み合わせでスタートしました。
その第2ラウンドのホールバイホールとプレー詳細は以下の表のとおりとなっています。
第2ラウンドは1イーグル・3バーディ・3ボギーの70でラウンドを終えて通算3アンダーとし、昨日より順位を上げて12位タイで決勝ラウンドに進出しました。
今日は2番パー5で2オンに成功させ、3.4mのパットを沈めてイーグルを奪う良いスタートをきったのですが、続く3番でセカンドでグリーンを捉えることができずボギー、7番ではバーディパットを打ちすぎてボギーと、フロントナインはイーブンで終えました。
ハーフターンしてアーメンコーナーの12番ではグリーン手前のラフから7.2mのアプローチショットをねじこみバーディ、続く13番ではティーショットを曲げたもののレイアップしたサードショットを2.1mにつけてバーディ、15番のパー5でもバーディを奪い、その時点で7位タイに浮上します。
しかし、17番のティーショットを初日と同じようなところに打ち込み、セカンドはレイアップになり、サードショットを寄せることができずボギーとしてしまいました。
18番ではファーストパットを外して2.7mを残すピンチを迎え、昨日と同様に上がり2ホール連続ボギーかと思われましたが、それを入れてパーであがりました。
今日は2つスコアを伸ばすことができましたが、7番で1.2mのパーパット、8番で2.4m、10番で2.7m、14番で3.4mの3つのバーディパットを外していますので、パットが良ければ、もう少しスコアを伸ばすことができていました。
本人のホールアウト後のコメントは、『ショットも微妙な感じで、そんな中でチャンスもありましたし、それを決めれませんでした。12番のチップインも良かったですし、13番のバーディが大きかった。』と話していました。
全体的にパッティングを決めきれない状態が続いているのですが、ショットも悪くはないのですが、本当に良い時の状態にはやや足りない感じです。
TBSのホールアウト後のインタビューで修正ポイントは聞かれた際に、「全体的に」と答えたとおりの状態ではないかと思います。
ただ、それでもトップ10に近い位置で決勝ラウンドに進んでいますので、地力があることだけは間違いありません。
普通に考えればメジャーで、決勝ラウンドにトップ10に近い位置で予選通過していることは素晴らしいことなのですが、観戦する側にとっても、この順位には驚きがなく、やや物足りなく感じてしまうレベルに達している松山英樹です。
第2ラウンドのキースタッツは以下のとおりとなっています。
R1 | R2 | Total(順位) | |
---|---|---|---|
ファアウェイ% | 57.14% | 64.29% | 60.71%(42位) |
パーオン% | 66.67% | 72.22% | 69.44%(16位) |
平均パット | 1.61 | 1.61 | 1.61(24位T) |
松山英樹がトップ5に入るときは、ファアウェイキープ率とパーオン率ともにもっと良い数字で、ランクも高くなります。パッティングは18番で良いパーパットを沈めましたし、徐々にではありますがショットも精度が上がりつつあります。
パットがかみ合えば66くらいは出せるショットの状態ではありますので、明日のムービングサタデーに期待したいです。
第3ラウンドで2つスコアを伸ばし通算5アンダーの10位Tで最終日へ
第3ラウンドはチャール・シュワルツェルとの組み合わせで、日本時間の4月12日午前2時35分にチャール・シュワルツェルとの組み合わせでスタートしました。
その第3ラウンドのホールバイホールとプレー詳細は以下の表のとおりとなっています。
2日目と同じく1イーグル・3バーディ・3ボギーの70でプレーを終え、通算5アンダーで午前8時の時点では10位タイとなっています。
そしてファアウェイキープ率は64.29%(9/14)、パーオン率は72.22%(13/18)も第2ラウンドと第3ラウンドともに同じ数字になっています。
今日はもったいなかったのはフロントナインでのボギー2つでした。4番は1.8m、8番は2.7mのパーパットを外してのボギーで、8番のイーグルで取り返したものの、大きくスコアを伸ばすことにはつなげることができませんでした。
8番Hから16番Hまでは9連続パーオンに成功し、1イーグル・2バーディと4つスコアを伸ばしたのですが、10番で4.3m、11番で3.7m、16番で4.6mというバーディパットを沈めることはできませんでした。
首位を走るジョーダン・スピースはもちろんのこと、10アンダー近くまで伸ばしているプレーヤーはこれくらいの距離を多く沈めていますので、このあたりで差をつけられている状態です。
それでも12番では4.3m、13番では4.9mのバーディパット、16番で4.6m、17番で2.7mのパーパットを沈めるなど、良いパットも増えてきつつはあります。
本人のホールアウト後のTBSの中継のコメントでは、『昨日までと一緒ですね。タッチとラインが全然あってなくて、それが3日間でもったいないかった。』とのことです。
しかし、満足できないものであることは間違いないですが、少し前のパッティングの悪い状態であれば、アンダーパーでまわれていないと考えられます。
劇的にではありませんが、パッティングも着実に修正されつつあることを感じさせます。パッティングが改善されつつあることは、マスターズの最終日に向けても好材料ですが、今後のトーナメントに向けても意味あるものとなりそうです。
今の状態でもトップ10圏内にいるわけですから素晴らしいことです。ただ、本人がめざしているところも、応援する側が願うところもメジャーでの優勝争いであり、その先にある優勝なので、どうしても要求が高くなってしまいます。
第3ラウンド終了時点のキースタッツと順位は以下のとおりとなっています。
項目 | R1 | R2 | R3 | Total(順位) |
---|---|---|---|---|
ファアウェイ% | 57.14% | 64.29% | 64.29% | 61.90%(45位) |
パーオン | 66.67% | 72.22% | 72.22% | 70.37%(15位) |
平均パット | 1.61 | 1.61 | 1.67 | 1.63(35位T) |
オーガスタで3日間ともにアンダパーでプレーして良い流れをつくれてはいますし、パッティングは初日より徐々に良くなり、9連続パーオンなど全体的な安定感も増しつつあります。
優勝には首位と11ストローク離れていますので難しい状況ですが、来年につながるように”サンデーヒデキ”の言葉通りに、60台半ばを出して、上を追いかけてくれることを期待しています。
第4ラウンドで66のマスターズの自己ベストスコアで11アンダーでフィニッシュ
ダスティン・ジョンソンとの組み合わせでのプレーとなった松山英樹の最終日のホールバイホールとプレーの詳細は以下の表のとおりとなっています。
最終日は1イーグル・4バーディの66でプレーして6つスコアを伸ばし、通算11アンダーとしてホールアウトした時点では4位タイとなりましたが、最終的には単独5位となりました。
これで松山英樹の2014-15シーズンは12戦してトップ10フィニッシュが6回という素晴らしい成績になっています。
フロントナインでは7ホールを終えた時点で、ファアウェイキープが2回、パーオンがわずかに1回というショートゲームとパッティングで我慢する展開でした。
ショットは風向きが変わったことに対応しきれず、なかなか良い状態ではなかったのですが、フロントナインではパッティングがこの4日間では一番安定していたこともあり、凌ぐことができました。
そして8番パー5でサードショットがあわやチップインイーグルというアプローチで、楽にバーディを奪い、1つスコアを伸ばしました。
結局、フロントナインではファアウェイキープが7ホール中4ホール、パーオンが9ホール中3ホールという状態ながら、8番と9番でショットが安定し始めてハーフターンとなりました。
バックナインの1ホール目となる10番ではピンに真っ直ぐ向かうセカンドショットでピンそばにつけてバーディ。
続く11番では8.8mをねじこんで連続バーディ、12番ではわずかにカップをかすめるパットでパー、13番はファアウェイキープできなかったものの、2オンに成功させ、4.3mを沈めてイーグルと、一気にスコアを4つ伸ばし10アンダーの4位タイに浮上しました。
15番では1.8mのバーディパットを外すという惜しいプレーもありましたが、3日間で4つスコアを落としていた17番と18番を乗り切るだけでなく、最後にバーディを奪いました。しかも、8番から18番までは圧巻の11連続パーオンと、サンデーバックナインで本領を発揮しました。
その結果、ノーボギーの66でラウンドしてトップ5圏内でフィニッシュしました。この66はロリー・マキロイと並んで最終日のベストスコアとなっています。
最終日のプレーで、前半は苦しい展開でしたが、時折笑顔を見せるなどプレッシャーを感じさせないメンタルの強さが、バックナインで活きたという印象でした。
第3ラウンドまで決まらなかったパッティングも、最終日にはアジャストすることができ、”サンデーヒデキ”の異名どおりのプレーを見せてくれました。
「パッティングが入って良かったです。今日みたいなプレーを4日間通じてやるのが今後の課題です。」とホールアウト後のインタビューで話していました。
またホールアウト後には、現地の実況では「松山はスペシャルだ」との声もあり、解説の中嶋常幸が「今までの日本人で一番勝てそうな選手だ」と漏らすほどの、最終日のプレーでした。
最終ラウンドの松山英樹は真剣でありながら、深刻にならずにマスターズを楽しめている雰囲気でもあったので、非常に良かったのではないでしょうか。
第4ラウンド終了時点のキースタッツと最終的な順位は以下のとおりとなっています。
項目 | R1 | R2 | R3 | R4 | Total(順位) |
---|---|---|---|---|---|
ファアウェイ% | 57.14% | 64.29% | 64.29% | 64.29% | 62.50%(30位T) |
パーオン% | 66.67% | 72.22% | 72.22% | 66.67% | 69.44%(11位T) |
平均パット | 1.61 | 1.61 | 1.67 | 1.39 | 1.57(16位T) |
このトップ10フィニッシュの結果、マスターズの出場資格である「前年の大会でトップ12タイフィニッシュ」を満たしましたので、来季のマスターズの出場権を手にすることができました。
そしてこの松山英樹の単独5位は片山晋呉の2009年、伊沢利光の2001年の4位には及ばなかったものの、自身の2013年の全英オープン6位タイ、2013年全米オープンの10位を上回る、メジャーでの自己最高順位でのフィニッシュとなりました。
またこれで四大メジャーでのトップ10フィニッシュの回数は丸山茂樹、尾崎将司と並んで3回となり、次のターゲットが青木功の4回となりました。全米オープン、全英オープン、全米プロゴルフ選手権と3つ残っていますので、今シーズンで中嶋常幸の6回に近づく可能性もありそうです。
参考:歴代日本人ゴルファーによる4大メジャー大会でのトップテン
また松山英樹のこの単独5位フィニッシュで、フェデックスカップポイントを120ポイント獲得して通算939ポイントまで伸ばし、フェデックスカップランキングは10位に浮上する予定です。
プレーオフの進出はすでに確定しているのですが、第3戦のBMWチャンピオンシップの出場の目安と考えられる1000ポイントも目前と迫ってきました。
そして世界ゴルフランキングのポイントは24.00ポイントを獲得するため、13位から15位程度に浮上するのではないかと予想されます。
マスターズ2015の最終順位は以下のとおりとなっています。
1位(-18) ジョーダン・スピース
2位T(-14) P.ミケルソン、J.ローズ
4位(-12) R.マキロイ
5位(-11) 松山英樹
6位T(-9) I.ポールター、P.ケーシー、D.ジョンソン
9位T(-8) H.メイハン、Z.ジョンソン、C.ホフマン
12位T(-6) R.ファウラー、R.ムーア、B.ハース、K.ストリールマン、K.ナ
コメント
お疲れ様でした。
17・Ⅰ8番の連続ボギ-が痛かった。
良い形で終われたら・明日に良い感じで繋がったかも
それにしても・幾つかのチャンスをいかす事が出来な
かったのは悔やまれます。
2日目・悔いのない戦いをして欲しいです。
終了後・練習で修正してましたので予選は
やってくれる事・期待してます。
やはり・スピ-ス選手が先週の勢いそのままで上がって来ましたねぇ。凄い・・
2日目も深夜から応援してます。
3アンダーで終わっていれば、スピースを追っかけやすかったのですが、優勝するには彼が崩れるのを待たないといけなくなりました。ただ、今日のようなスコアを、スピースと言えど続けて出すのは簡単ではありませんので、2日目にしっかりと伸ばして差を縮めて、決勝ラウンドに進出してほしいです。睡眠不足になりながら応援します。
お疲れ様でした。
まだ頭が・ぼ-としてます「笑」。
予選通過・ほっとしました「ドキドキ・ハラハラ」
でした。
「イーグル・チップイン」も有り・正直もっと上位に
加われるのでは・と思ってました。
ここの所「ボギ-」が・・せっかくの貯金を自ら
くずしてしまってます「残念」。
松山君なら・もっと出来る「もっと・もっと」・と
要求をしてしまいます。
明日からの決勝戦・また眠れぬ夜が続きますねぇ。
スピ-ス選手凄い「何が起こるかわからない」けど
追いつき・追い越せの気持ちで頑張ってくれたら良い
上がりホールに強いのが、強みの1つなのですが、それが発揮しきれていないのも、優勝争いにからめていない理由だと思います。良い状態の一歩手前ですが、それでもトップ10圏内はすごいとは思います。スピースがすごすぎますが、少しでも差をつめてもらいたいです。
お疲れ様でした。おはようございます!!
松山君・最終日ファンに応えてくれました。
「-11・5位」ノーボギー・イーグル・・
18番のバーディに震えがとまりません「笑」。
これで来季シ-ド「マスタ-ズ」は安心です。
この気持ちの良い感じを維持し・次なる挑戦
「メモリアル」・2戦目メジャ-「全英オープン」に
向けての良い調整が出来れば最高ですねぇ。
スピ-ス選手に凄い・おめでとう~!!です。。
返信・お気遣いなき様に。