松山英樹の最終日は「68」で16位タイ|ウェイストマネジメント・フェニックス・オープン2020の全ラウンド結果速報

Waste Management Phoenix Open 2017

松山英樹のウェイストマネジメント・フェニックス・オープン2020でのホールバイホール、キースタッツ、プレーの速報です。

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1. 使用される用語の簡単な解説

このページで使用される用語の簡単な解説です。速報の分析で頻繁に出てきますので、不明なときはご参照ください。

■ 簡単な用語解説

ストロークスゲインド(Strokes Gained):同大会の同一コースの過去のデータをベースに、その選手が平均値よりも優れているか、劣っているかを数値化したもの

ストロークスゲインド・オフ・ザ・ティー(SG:OFF-THE-TEE):パー4、パー5のティーショットによって、どれだけ平均的な選手よりスコアを稼ぐことができたかを示す。ティーショットのスコアへの貢献度。

ストロークスゲインド・アプローチ・ザ・グリーン(SG: APPROACH TO THE GREEN):30ヤードを越えるグリーンへのアプローチショットによって、どれだけ平均的な選手よりスコアを稼ぐことができたかを示す。アプローチショットのスコアへの貢献度。

ストロークスゲインド・アラウンド・ザ・グリーン(SG: AROUND THE GREEN):30ヤード以内のグリーンへのアプローチショットによって、どれだけ平均的な選手よりスコアを稼ぐことができたかを示す。ショートゲームのスコアへの貢献度。

ストロークスゲインド・ティー・トゥ・グリーン(SG: TEE TO GREEN):ティーからグリーンまでのショット全体によって、どれだけ平均的な選手よりスコアを稼ぐことができたかを示す。ショット全体のスコアへの貢献度。

ストロークスゲインド・パッティング(SG:PUTTING):グリーン上のパッティングによって、どれだけ平均的な選手よりスコアを稼ぐことができたかを示す。パッティングのスコアへの貢献度。

ストロークスゲインド・トータル(SG:TOTAL):フィールドの平均よりも良いスコアでそのラウンドをプレーできたかを示す。

2. 松山英樹の開幕前の直前情報

松山英樹の開幕前の直前情報です。

以下はゴルフネットワークの“「チャンスがあるコース」松山英樹が過去2勝の得意大会で復調を誓う”からの引用です。

―前週(45位タイ)を振り返って

スイング自体が思うように行かなくて、ショットもパットも安定感が全くない、やり続けていることがちょっとズレていることで歯車が狂いましたが、それをどれだけ早く戻せるか。まだ時間はあるので、戻せるようにしたいと思います。

―少し考えすぎている?

 それもあると思うのですが、それ以上に崩れてしまっている。何か良いキッカケがあると思うので、それを早く見つけられたら優勝のチャンスもあると思いますが、見つけられないと苦しい戦いになる。残り今日と明日で、どうにかしたいと思います。

―感触は?

 良いときは凄く良いものが出せていると思うので、それを安定して出せるようにしたい。プレジデンツカップのときはショットに関してはそういった(良い)部分があったと思うので、早く良い状態から練習をできるようにしたいと思います。

―ショートゲームについて

 悪くはないと思いますが、ミスもたくさんあるので、もっともっと上げて行きたいなと思います。

―パッティングについて

 去年の12月くらいに少し良くなったものを続けようとしていますが、なかなかそれも上手く行かないので、どうしたら良いのかなという感じです。

ファーマーズインシュランスオープンではショットもパットも良いものと悪いものとの波が大きかった印象が残りました。良い状態を継続できないことが、中盤から終盤にかけて停滞する原因となり、ビッグスコアを出せませんでした。その部分を克服することが、今週、優勝するためには必要となります。

今週のTPCスコッツデールの天候は安定しているようで快晴が続く見込みのようです。一日の間にコンディションの大きな変化はないようなので、早い段階で良い感覚を掴みたいところです。

ボルトン氏はパワーランキングの記事の中で、グリーンが大きいこともあり、アグレッシブなティショット、アプローチショットが重要になると述べています。

ストロークスゲインドのスタッツはなどでは、ティショットに関しては正確性よりも飛距離のほうが、スコアメイクにおいて重要になる傾向があります。しかし、昨年のリッキー・ファウラーはフェアウェイキープが3位で、ティショットの飛距離は27位で優勝しています。

ボルトン氏はこの事実をしてきた上で、「十分な飛距離」と「フィールドの大部分の選手よりも曲げなかった」ことが揃ったことが優勝のポイントの一つとなったと述べています。

ただ、これだけが優勝において重要な要素となったのではなく、ファウラーのパーオン率がフィールド全体で13位と上位で、さらにストロークスゲインド・パッティング(パットの貢献度)の数字も9.540と素晴らしいものであったこともボルトン氏は付け加えています。

松山英樹が優勝した2回はショットで稼いで、パッティングが「平均」から「平均よりやや上」というバランスでした。2016年はストロークスゲインド・ティー・トゥ・グリーン(ショット全体の貢献度)が12.259で1位、ストロークスゲインド・パッティング(パットの貢献度)が1.647で29位。2017年はストロークスゲインド・ティー・トゥ・グリーン(ショット全体の貢献度)が13.235で1位、ストロークスゲインド・パッティング(パットの貢献度)が0.033で47位となっています。

優勝争いをするためには、まずはショットの状態が良いことが重要なポイントとなります。TPCスコッツデールのバミューダ芝のグリーンとの相性は悪くはありませんので、ショットの復調がまずは望まれます。

松山英樹の予選ラウンドはジャスティン・トーマス、ジョン・ラームとの組み合わせで、第1ラウンドは午前8時(日本時間1月31日0時)に10番ホールから、第2ラウンドは午後12時15分(日本時間2月1日4時15分)にスタート予定です。

3. ラウンド別の結果速報

松山英樹のウェイストマネジメント・フェニックスオープン2020のラウンド別の結果速報です。

3.1. ROUND 1 (13位T) 「67」で6打差も好発進

松山英樹の第1ラウンドは予定通りにスタートしました。ホールバイホールとプレーの詳細は以下の表のとおりとなっています。

WM Phoenix_Matusyama_Round 1

今日はダブルボギーが先行したものの、その直後にバウンスバックするなどして6バーディを奪い、午前組では首位となったJ.B.ホームズとは3打差の4アンダーでプレーを終えています。その後、午後組でロースコアを出す選手がでたため、最終的には首位とは6打差の13位タイでの発進となりました。

出だしの10番では3.1mとバーディチャンスにつけたのですが、それを決めれませんでした。続く11番でティショットを右のラフに外すと、セカンドを左のウォーターハザードに入れてしまい、4オン2パットのダブルボギーを叩いてしまいます。

しかし、続く12番パー3で2.7mにつけて、これを沈めてバーディを奪います。13番パー5ではティショットを再び右に曲げてしまいウォーターハザードに入れてしまいますが、3.4mのパーパットをねじ込んでしのぎます。

チャンスホールの15番パー5ではフェアウェイから2オンに成功してバーディ、スタンドで囲まれた16番パー3では1.3mにつける素晴らしいショットで連続バーディを奪います。

17番パー4では1.6mのバーディパットを外してしまいますが、18番パー4で3.1mを沈めて2アンダーにしてハーフターンとなりました。

折り返した後の1番では3.8mのバーディパットが決まりませんでしたが、続く2番では3.6mを沈めてバーディを奪うと、3番パー5では2オンからバーディを奪い4アンダーまで伸ばしました。

この時点で6ホール残っていましたので、さらにスコアを伸ばしたいところでしたが、中盤に安定していたティショットが再び右に出るようになってしまいピンチが続きました。しかし、ショートゲームとパットが安定していたこともあり、5番、7番、8番、9番は寄せワンでパーセーブししのぎ切りました。

スタッツを見ると最初と最後の5ホールで不安定だったティショットはフェアウェイキープ率が57.14% (8/14)と今一歩の数字となっています。加えてハザードに入れてペナルティをもらうなどしたため、ストロークスゲインド・オフ・ザ・ティー(ティショットの貢献度)は-0.817(暫定値)とマイナスになっています。

100ヤードを超えるグリーンを狙うショットは13番でウォーターハザードに入れたり、パーオン率は66.67% (12/18)とイマイチでうマイナス面がありました。しかし、4m以内のバーディチャンスを5回、パー5で2オンに成功させるなどしたため、全体として見ればプラスとなりました。ストロークスゲインド・アプローチ・ザ・グリーン(アプローチショットの貢献度)は1.753(暫定値)となっています。

幾度もピンチを救ったショートゲームは大きなミスらしいミスはなかったこともあり、ストロークスゲインド・アラウンド・ザ・グリーン(ショートゲームの貢献度)は1.132(暫定値)となっています。

今日スコアを伸ばす上で貢献度が高かったのがパッティングでした。17番で1.6mを外してしまいましたが、10番で3.1m、11番で2.2m、12番で2.7m、13番で3.4m、18番で3.1m、2番で3.6m、7番で2.1mを沈めるなどし、全体的に安定していました。これを反映してストロークスゲインド・パッティング(パットの貢献度)は1.524(暫定値)となっています。

明るい材料はグリーンを狙うショット、グリーン周りは安定していたことです。懸念材料はティショットの好不調の波が大きいことです。ティショットが安定していた中盤はバーディを積み重ねましたが、乱れている時はパーセーブに苦労することとなりました。

明日の第2ラウンドは午後スタートでグリーンのコンディションが今日ほどは良くないことが予想されるため、さらにショットでスコアを稼げるにしたいところです。松山英樹が過去の同大会で優勝している時は4日間トータルでストロークスゲインド・ティー・トゥ・グリーン(ショット全体の貢献度)が12.000を超えています。

第1ラウンドのストロークスゲインド・ティー・トゥ・グリーン(ショット全体の貢献度)は2.068(暫定値)となっていますので、本来の良い状態とは乖離があると言えます。そのためショットの修正、復調が明日以降の課題として残ってはいます。

ただ、13位タイいう上々の位置につけながら、上積みできる要素を残して第2ラウンドを迎えることができたことは好材料です。復活優勝の可能性を高めるためにも、首位と3打差以内をキープした位置で決勝ラウンドに進んでくれることを期待しています。

第2ラウンドもジャスティン・トーマス、ジョン・ラームとの組み合わせで、午後12時15分(日本時間2月1日4時15分)にスタート予定です。

3.2 ROUND 2 (55位T) ショットとパットともに精彩を欠き「74」で後退

松山英樹の第2ラウンドのホールバイホールとプレーの詳細は以下の表のとおりとなっています。

WM Phoenix_Matusyama_Round 2

今日は1バーディ、4ボギーの「74」でプレーし、トータル1アンダーに後退し、順位も50位台まで落としてしました。

ロングゲーム、パッティングが精彩を欠いたラウンドで、予選は通過したものの優勝争いから遠のいてしまいました。

ティショットのフェアウェイキープ率は57.14% (8/14)%と良いとは言えない数字に加えて、バンカーに2回、ネイティブエリアに2回、ウォーターハザードに2回と難しくなるところに曲げてしまいました。そのためストロークスゲインド・オフ・ザ・ティー(ティショットの貢献度)は-1.218と足を引っ張りました。

100ヤードを超えるグリーンを狙うショットは悪くはありませんでしたが、良くもありませんでした。パーオン率は77.78% (14/18)と良い数字です。ただ、ピンを刺すような精度の高いショットは鳴りを潜めました。

松山英樹の第2ラウンドのパー3のティショット、フェアウェイからのセカンドショットを一覧にしたものは以下のとおりとなっています。

  • #01: 164 yds→8.7 m
  • #02: 181 yds→13.8 m
  • #03: 237 yds→22.0 m
  • #04: 191 yds→17.7 m
  • #07: 194 yds→11.4 m
  • #08: 150 yds→4.1 m
  • #10: 112 yds→6.9 m
  • #12: 157 yds→7.0 m
  • #14: 188 yds→9.6 m
  • #15: 224 yds→FC 16.4 m
  • #16: 173 yds→fringe 4.8 m
  • #18: 104 yds→3.3 m

グリーンを捉えてはいたものの、ピンに絡むようなショットが少なく、最終ホールでのセカンドが一番ピンに近いショットとなりました。そのため入る確率の高い距離でのバーディパットを打つ機会が少なくなってしまいました。

そのためストロークスゲインド・アプローチ・ザ・グリーン(アプローチショットの貢献度)は0.543と、スコアを伸ばす原動力とはなりませんでした。

これに加えてパッティングが不安定だったことで、スコアを落としてしまいました。

6番では2.0m、4番では1.6m、12番では1.1mのパーパットを外す3パットで、いずれもボギーを叩いてしまいました。
4つのボギーのうち2つが3パットによるもので、グリーン上で苦しんだラウンドとなってしまいました。パーオン時の平均パットは2.143とスコアを落とさざるをえない数字となり、ストロークスゲインド・パッティング(パットの貢献度)は-3.134と大きくマイナスになりました。

特に痛かったのが3番パー5の3パットで、パーではありましたが、流れを悪くするきっかけとなったことが否定できません。

予選は通過したものの、コースレコード級のビッグスコアを土曜日に出さないと優勝争いに絡むことは難しくなってしまいました。

明るい材料を探すのが難しいラウンドで、最終ホールのティショット、セカンドは良かったことくらいが、明日につながるかなと感じられるものでした。

首位とは大きく差が開いてしまいましたので、まずはトップ10が狙えるような位置まで土曜日に浮上したいところです。それでも「65」は必要になりそうなので、ショットとパットともに修正が願われます。

3.3 ROUND 3 (28位T) グリーン周りが好調で「65」

松山英樹の第3ラウンドのホールバイホールとプレーの詳細は以下の表のとおりとなっています。

WM Phoenix_Matusyama_Round 3

今日は8バーディ、2ボギーの65でプレーし、トータル7アンダーの28位タイまで順位を戻しました。

インのほうがスコアを伸ばしやすいホールが多いTPCスコッツデールですが、出だしの5ホールで3バーディを奪う良い滑り出しでした。

ただ、ここ最近の課題となっている突如としてショットの大きな乱れが流れを止めてしまいます。

イーグルも狙える15番パー5ではフェアウェイからのセカンドショットを大きく左に曲げて池にいれてしまいパーセーブにとどまります。

そして1オンが狙える17番パー4ではティショットが大きく左に曲げてしまいます。それでもパーセーブはできるような状況ではありましたが、2打目がラフに入ってしまい、3打目も2.6mを残してしまいボギーを叩いてしまいます。しかし、今日はその後にすぐに取り返しました。

続く18番パー4で素晴らしいティショットからの残り89ヤードを3.0mにつけてバーディ、折り返して1番パー4では8.2mのバーディパットをねじ込み、5アンダーまでスコアを伸ばします。

連続バーディで良い流れを掴みかけたのですが、2番では再びティショットを左に大きく曲げてしまいボギーを叩き、3番パー5では2.2mのバーディパットを外し、一旦は流れが途切れてしまいます。

それでも5番パー4で3.6mのバーディパットを沈めると、上がり2ホールでは4.7m、1.4mを沈めて連続バーディとし、トータル7アンダーまで残し3日目のプレーを終えました。

フェアウェイキープ率は64.29% (9/14)と向上しました、しかし、ハザードには入れなかったもののティショットを大きく曲げることがあったため、ストロークスゲインド・オフ・ザ・ティー(ティショットの貢献度)は0.281にとどまっています。

逆にパーオン率は61.11% (11/18)と3日間で一番低い数字となり、15番では池に入れるなど大きなミスもあったため、ストロークスゲインド・アプローチ・ザ・グリーン(アプローチショットの貢献度)は-0.461とマイナスになりました。

今日のスコアメイクの軸となったのがグリーン周りでした。11番ではチップインバーディがあり、その他のホールでも3m以内に寄せることがほとんどで、7番で3.4mを残したのが一番長いものとなりました。パーオン率が低いにも関わらずスコアを伸ばせたのはショートゲームが安定していたからで、ストロークスゲインド・アラウンド・ザ・グリーン(ショートゲームの貢献度)も1.617とパフォーマンスが良かったことを示しています。

そのショートゲーム以上に「65」の原動力となったのがパッティングでした。17番と2番でいずれも2.6m、2番で2.2mを外しました。しかし、3.9m、3.0m、8.2m、3.6m、3.4m、4.7mといったパットを決めたため、プラスの方が大きく上回りました。ストロークスゲインド・パッティング(パットの貢献度)は2.727と非常に高い数字で、昨日の-3.132とは真逆と言えるようなものとなっています。

3日間を終えた時点でのスタッツは以下の表のとおりとなっています。

スタッツ Round 1 Round 2 Round 3 Total Rank
ティショットの貢献度 -0.817 -1.237 0.281 -1.772 60
アプローチショットの貢献度 1.756 0.539 -0.461 1.834 23
ショートゲームの貢献度 1.130 0.299 1.617 3.047 9
パッティングの貢献度 1.521 -3.132 2.727 1.116 40
ショット全体の貢献度 2.070 -0.398 1.437 3.109 32
フィールド平均との差 3.591 -3.530 4.164 4.225 T28
フェアウェイキープ率 57.14% (8/14) 57.14% (8/14) 64.29% (9/14) 59.52% (25/42) T37
ドライビングディスタンス 304.8 305.5 312.3 307.5 31
ロンゲストドライブ 338 337 340 340 T92
サンドセーブ率 75.00% (3/4) 75.00% (3/4) T14
スクランブリング 83.33% 50.00% 71.43% 70.59% T19
パーオン率 66.67% (12/18) 77.78% (14/18) 61.11% (11/18) 68.52% (37/54) T39
パーオン時の平均パット 1.667 2.143 1.364 1.757 T31

第2ラウンドに苦しんだものの、ストロークスゲインド・パッティング(パットの貢献度)は1.116で40位となっています。ショットが本来のようなフィールドをリードするレベルであればリーダーボードの1枚目にいるパッティングの数字です。

オフ・ザ・ティー(ティショットの貢献度)が-1.772で60位となるなどして、ストロークスゲインド・ティー・トゥ・グリーン(ショット全体の貢献度)が3.109の32位にとどまっていることが大きく響いている状況です。

ただ、最終日に再び「65」以上を出すことができればトップ10フィニッシュはできるような位置まで浮上できたことは素晴らしいことで、ビッグスコアを期待したいところです。

気になるのは、「優勝争いが遠ざかると良いスコアが出る、良いプレーができる」ということが続いていることです。

本人は「優勝争いの緊張感の中でも崩れない技術を身につけたい」と考えているのかもしれません。しかし、人間の生理、メカニズムからしてメンタルが崩れると技術が崩れてしまうのは自然なことで、ある面において必然的であるとも言えます。

技術面へのこだわりが強いことが、松山英樹を世界のトッププレイヤーに押し上げていると考えられます。が、同時にそのことがメンタル面強化の軽視につながっているのではないかというところは、懸念されるところです。

インタビューなどを聞いていると、優勝できるメンタリティを作り上げきれていないようにも受け取れることがあります。

最終日のさらなる浮上に期待していますが、同時に今後にむけてメンタル面をどのようにコントロールしているのかも注目したいところです。

最終ラウンドはパトリック・ロジャース、ケビン・ツウェイとの組み合わせで午前9時4分(2月3日午前1時4分)に1番ホールからスタート予定です。

3.4 ROUND 4 (16位T) ショットが安定するもグリーンで停滞

松山英樹の最終ラウンドのホールバイホールとプレーの詳細は以下の表のとおりとなっています。

WM Phoenix_Matusyama_Round 4

今日は5バーディ、2ボギーで3ストローク伸ばし、トータル10アンダーで4日間のプレーを終えています。

「ビッグスコアを出したい」と話して臨んだ最終ラウンドでしたが、3番ホールでバーディを奪いはしましたが、その前の2ホールで絶好のバーディチャンスを2つ外したことが響きました。

1番では2.2m、2番では1.1mという距離のバーディパットで、3連続バーディで滑り出してもおかしくないショットでした。

しかし、この最初のつまずきが影響したのか、昨日は面白いように入っていたパッティングが決まらなくなり、7.0m、4.7m、3.6m、3.9m、5.3mといったチャンスを活かせませんでした。

結果、流れが悪くなり9番ではバンカーに捕まってボギーを叩きます。フェアウェイキープは7ホール中5ホール、パーオンは9ホール中8ホールと4日間でもっともショットは安定していましたが、スコアは伸ばせずにハーフターンとなります。

折り返してすぐの10番パー4では4.5mを沈め、チャンスホールの13番パー5では2オンに成功しバーディを奪い9アンダーまで伸ばします。そのまま流れを掴みたいところでしたが、続く14番でフェアウェイからのセカンドでグリーンを捉えられずボギーを立てきます。

それでも15番、16番で連続バーディを奪い、トップ10フィニッシュの可能性を残しましたが、17番で1オンも3パットでバーディを奪えずに終わると、最終18番はティショットをバンカーに入れてしまい、スコアは伸ばせませんでした。

最終ラウンドは4日間で最もショットが安定していました。ストロークスゲインド・オフ・ザ・ティー(ティショットの貢献度)は+0.140、ストロークスゲインド・アプローチ・ザ・グリーン(アプローチショットの貢献度)は+4.158、ストロークスゲインド・アラウンド・ザ・グリーン(ショートゲームの貢献度)は+0.302といずれもプラスになっています。

そのためストロークスゲインド・ティー・トゥ・グリーン(ショット全体の貢献度)は+4.600とビッグスコアを叩き出すには十分な数字となっています。

しかし、昨日は+2.727と好調だったパッティングが足を引っ張りました。ストロークスゲインド・パッティング(パットの貢献度)は-1.964で、ショットで稼いだ貯金を削ってしまう形になりました。

4日間のキースタッツは以下のとおりとなっています。

スタッツ Round 1 Round 2 Round 3 Round 4 Total Rank
ティショットの貢献度 -0.817 -1.237 0.281 0.140 -1.632 54
アプローチショットの貢献度 1.756 0.539 -0.461 4.158 5.992 4
ショートゲームの貢献度 1.130 0.305 1.617 0.302 3.354 7
パッティングの貢献度 1.521 -3.137 2.727 -1.964 -0.852 52
ショット全体の貢献度 2.070 -0.393 1.437 4.600 7.714 7
フィールド平均との差 3.591 -3.530 4.164 2.636 6.861 T16
フェアウェイキープ率 57.14% (8/14) 57.14% (8/14) 64.29% (9/14) 64.29% (9/14) 60.71% (34/56) T26
ドライビングディスタンス 304.8 305.5 312.3 321.2 310.9 25
ロンゲストドライブ 338 337 340 345 345 T85
サンドセーブ率 75.00% (3/4) 100.00% (1/1) 80.00% (4/5) T6
スクランブリング 83.33% 50.00% 71.43% 60.00% 68.18% T15
パーオン率 66.67% (12/18) 77.78% (14/18) 61.11% (11/18) 72.22% (13/18) 69.44% (50/72) T28
パーオン時の平均パット 1.667 2.143 1.364 1.846 1.780 38

松山英樹は世界最高峰のツアーであるPGAツアーの中でも、最も予選落ちが少ない選手の一人です。毎試合のようにトップ20を外さないハイレベルな安定感は称賛に値するもので、評価されるべきことです。

そのことが毎シーズン、30名しか出場できない最終戦のツアーチャンピオンシップに出場する原動力ともなっています。

ただ、2017年8月を最後に優勝からは遠ざかっています。さらには優勝から遠ざかっているだけでなく、緊迫した優勝争いからも遠いのが現実です。上位フィニッシュはありますが、首位とは離されていたり、優勝の可能性が低い後方から追い込んだりしたものが多くなっています。

第3ラウンドの速報でも書きましたが、優勝争いから遠ざかった後の良いプレー、良いスコアによる好成績が多くなっています。

世界最高峰の舞台でのハイレベルな安定感と実績が、松山英樹の技術の高さを証明しています。

シーズンを通じた安定感と、PGAツアーの誰よりも多く、長時間に渡る練習をこなせることが体力が十分なものであることを示しています。

ただ、インタビューなどを見たり、読んだりしているとネガティブな思考や発言が目につくことが少なくないなど、メンタル面では気になるところがあります。ネガティブな思いや不安に振り回されながら、不安を抱えながらも「自分が勝てる」と信じ抜いている選手たちに勝つのは簡単ではありません。

人間は緊張すれば脈拍が上がったり、呼吸が浅くなったり、文字通り視野が狭くなったり、筋肉が硬直したり、思考が停止したりしてしまいます。そのため、どんなに反復練習をして技術を磨いても、心、精神を制御できなければ、重要な局面で体が正常には動かなくなるのが人間です。

技術に対するこだわりは持ち続けてもらいたいです。が、それと同じくらい精神、メンタルを磨くことにも取り組んでもらいたいなと思います。