松山英樹が自身初となる世界ランクトップ10となって世界ゴルフ選手権シリーズの一つであるWGC-HSBCチャンピオンズ2016に乗り込みます。
旧制度では中嶋常幸と青木功が世界ランクトップ10となったことがありますが、現行の制度では尾崎将司と松山英樹の2人だけとなっています。またAONの3名がポイントの大半を日本で稼いでいたのに対して、松山英樹は世界最高峰のPGAツアーでポイントを上積みしているところに価値があります。
松山英樹以外の日本人プレイヤーは世界で戦うとポイントを獲得できずランクを落としていくのですが、世界ランクトップ20を長らく陥落することなく、ついに世界ランクトップ10プレイヤーとなりました。
世界ランクトップ10プレイヤーとして迎える世界ゴルフ選手権となりますが、旧制度も含めると日本人歴代最高の4位となった中嶋常幸は以下のように世界ランクについて話しています。
日本歴代最高位を誇る中嶋は今年2月、世界ランクについてこう語った。「今は、日本ツアーのポイントが高かった僕らの時代とは違う。世界トップの米ツアーに参戦しながら、ランクを上げてきた英樹はすごいですよ。日本男子歴代最強と言ってもいいんじゃないかな」と絶賛していた。
松山英樹の凄みは海外四大メジャー、世界のトップレベルのフィールドでも優勝争いをコンスタントにできるところにあります。
トップ10プレイヤーとなって迎えるWGC-HSBCチャンピオンズですが、トッププレイヤーが揃うフィールドのため、ここで結果を残さないと再びトップ10から弾き出されるというシビアなレベルでの戦いとなりますが、最近の好成績の流れを活かして上位フィニッシュをしたいところです。
その松山英樹がWGC-HSBCチャンピオンズ2016の優勝候補予想、パワーランキングでも上位にランクされています。
PGAツアー公式サイトでは優勝候補7番手の評価に
PGAツアー公式サイト(PGATOUR.com)のロブ・ボルトン(Rob Bolton)氏によるパワーランキングは以下のとおりとなっています。
- ローリー・マキロイ
- ダスティン・ジョンソン
- ポール・ケーシー
- パトリック・リード
- アダム・スコット
- ラファエル・カブレラベロ
- 松山 英樹
- ジャスティン・トーマス
- ヘンリック・ステンソン
- ラッセル・ノックス
- マルティン・カイマー
- アレクサンダー・ノーレン
- セルヒオ・ガルシア
- ベルント・ウィスバーガー
- ババ・ワトソン
- ルイ・ウーストハイゼン
- エミリアーノ・グリーロ
- リー・ウエストウッド
- ティレル・ハットン
- ブランデン・グレース
ロブ・ボルトン氏のコメントの英語原文と管理人による翻訳は以下のとおりとなっています。
A T41 and a pair of WDs here, but struts in on a 5th-Win-2nd burst. With ball-striking the ticket this week, he’s projecting for a continuation of form.
『ここでの過去の成績は41位タイと2つの途中棄権だが、直近の成績は5位、優勝、2位という素晴らしい成績で姿を現している。ボールストライキングが今週は重要になるため、良い状態が続くことが予想される。』
過去の成績から見ると相性は良くないのですが、年間ランク上位30名だけのエリートフィールドで、なおかつ調子が良い選手が揃っているツアーチャンピオンシップで単独5位、ナショナルオープンの日本オープンで優勝、CIMBクラシックで単独2位と、いずれも優勝争いに絡みながらのトップ5フィニッシュです。
そのため過去の成績は良くないものの、最近の成績の良いこと。さらにショット力が重要になる開催コースの余山国際ゴルフクラブでは、松山英樹の素晴らしいボールストライキングが活きてくるだろうと評価し、ボルトン氏は7位にランクしています。
このWGC-HSBCチャンピオンズの開催コースのデータについて以下のようにボルトン氏は説明しています。
When weather brought out the bite in Sheshan International two years ago, it sat inside the top-10 most difficult among all courses that season in fairways hit, greens in regulation, scrambling and par-3 scoring. Yet, it also ranked comfortably inside the easiest half in birdie-or-better conversion percentage on attempted putts, this despite slotting T14 in par-4 scoring and 12th in par-5 scoring. Therefore, hitting GIR is at a premium. Because of the conditions, finding fairways has increased value.
「2年前に天候の影響を強く受けた際には、フェアウェイキープ率、パーオン率、スクランブリング(パーオンできなかったホールで、パーもしくはバーディであがれた割合)、パー3のスコアが、そのシーズンのPGAツアーにおいてトップ10に入る難しさになった」そうです。
しかし「パー4の平均スコアは14位タイ、パー5の平均スコアは12位タイにランクされるにも関わらず、バーディパット、イーグルパットの成功率は平均よりも簡単なほうにランクされた」とのことです。
そのため「パーオンすることの価値が非常に重要で、コンディションの影響もあり、フェアウェイをキープすることの価値も増すことになる」と述べています。
グリーン上でのパーディパット、イーグルパットが決まる確率は高いものの、平均スコア自体は良くないということは、グリーンを外すと厳しくなり、逆にグリーンを捉えることが多いとスコアを伸ばすチャンスが多いということになります。
コンディションについては、ラフも深く、水曜日と木曜日はサンダーストームの予報で芝が濡れ、その後は強く風が吹く予報になっているとロブ・ボルトン氏は伝えていて、ショットの正確性が問われる度合いがより強まることが予想されます。
松山英樹のCIMBクラシックと日本オープンのスタッツを見ると、フェアウェイキープにやや不安が残りますが、パーオン率は高く安定していました。また、コンディションが厳しい方が、その能力と実力が際立つ傾向があります。
そのため今週のWGC-HSBCチャンピオンズでは体調に問題がなく、フェアウェイキープ率をもう少し高めることができれば、再び週末を良い位置で迎える期待ができそうです。