松山英樹の「3パット回避」は平均以下ではない!データ解析の第一人者が新スタッツを提唱

松山英樹の4月中旬時点での3パット回避率(Three-putt avoidance)は3.3%でPGAツアー全体で123位にランクされていました。

この数字を単純に見ていった場合には、松山英樹の3パット回避率は、PGAツアー平均値の3.1%よりも悪く、このスタッツでトップとなっている0.8%のダスティン・ジョンソンよりも4倍も悪いことになります。

3パットはバーディチャンスがボギーになってしまうため「スコアキラー」ともなるため、この数字が悪いことは大きなダメージにつながることが少なくありません。

ただ、この「3パット回避率」には問題があると、ゴルフアナリティクスの権威であり、コロンビア大学ビジネススクールのマーク・ブローディ教授は述べます。

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旧来からの「3パット回避率」は選手の実力が正確に測れない

マーク・ブローディ教授は、PGAツアーが採用しているショットリンクによるショットのデータをもとに、”ストロークス・ゲインド”のスタッツを開発した人物で、ゴルフのスタッツ、データ解析に革命的な役割を果たしています。

マーク・ブローディ教授は「3パット回避率」には以下のような問題があると指摘します。

Flaw No. 1

Currently, distance doesn’t matter—a three-putt from eight feet is assessed the same as a three-putt from 60 feet. A simple count of three-putts doesn’t distinguish between these two very different putting performances.

「8フィート(2.4メートル)からと60フィート(18.3メートル)からの3パットでは大きく意味が異なるにもかかわらず、単に3パットとしてカウントされてしまっている」ことが1つ目の問題として指摘されています。

Flaw No. 2

Green conditions aren’t factored. In the current three-putt measure, pros are, in effect, penalized for playing on courses with undulating, larger-than-average greens that naturally lead to three-jacks. Wind and green smoothness also affect three-putt rates, independent of a player’s skill in avoiding three-putts.

アンジュレーションの強いグリーン、平均よりも大きいグリーンは3パットが出る確率が高まり、風やグリーンそのものの状態もこのスタッツに影響を与えることになります。しかし、3パット回避率ではこういった要素は全く考慮されず、選手の技術の問題かどうかを反映しきれいていないところに問題があるとブローディ教授は述べています。

Flaw No. 3

The three-putt stat doesn’t add an extra penalty for taking four or more putts on a green.

3パット回避率では4パット、5パットした場合でも「3パット」としてカウントしているだけで、3パットよりも多いパット数になってしまったことによるダメージが反映されていないことが3つ目の問題点として指摘されています。

マーク・ブローディ教授は、このような問題があるため「3パット回避率」のスタッツは、選手のパッティングの技術を正確に反映しているスタッツではないと述べ、新たにストロークスゲインド・スリーパット率(Strokes Gained Three-Putt Rate)を提唱しています。

Here’s the idea: For each three-putt, use its strokes-gained value to measure “fractional” three-putts. For example, a three-putt from 60 feet represents a gain of -0.8 (three putts to hole out compared to the PGA Tour average of 2.2). We’ll count this as 0.8 three-putts. A three-putt from eight feet represents a gain of -1.5 (three putts to hole out compared to the average of 1.5). We’ll count this as 1.5 three-putts, which recognizes that a three-putt from eight feet costs the player almost double the three-putt from 60 feet.

ストロークス・ゲインドのスタッツは、コース毎のカップまでの距離別でツアー平均値を算出し、その平均値よりも優れていればプラス、劣っていればマイナスというように算出されています。

ストロークス・ゲインド:スリーパット率でも、同様に距離別の平均値が用いられています。

マーク・ブローディ教授は具体的な例を上げて説明をしています。

  • 60フィート(18.3メートル)からのパッティングにおいてカップに入れるまでの打数のPGAツアー平均値は2.2打。60フィート(18.3メートル)から3パットとなった場合には-0.8。
  • 8フィート(2.4メートル)からのパッティングにおいてカップに入れるまでの打数のPGAツアー平均値は1.5打。8フィート(2.4メートル)から3パットとなった場合には-1.5。

このような方式でデータを集計すると、「60フィートからの3パット」と「8フィートからの3パット」の違いが反映されることになります。

8フィートから4パットをしてしまった場合には、-2.5とデータ上のペナルティが課されることになるため、3パットよりも多いパット数になった場合との違いも、スタッツに反映されることになります。

このような方法で算出されるストロークスゲインド・スリーパット率(Strokes Gained Three-Putt Rate)を用いた場合、松山英樹はPGAツアー全体で38位にランクされることになり、ブローディ教授はこちらのほうが彼のパッティングの実態に近いとしています。

Crunching the numbers for the 2018 season, Matsuyama ranks 38th by our new mea-sure: strokes gained three-putt avoidance. The gap between his official and adjusted rank-ing is mostly accounted for by his three-putt distances. As of mid-April, he had seven three-putts in 213 attempts, with six starting outside of 35 feet. Yes, three-putts deserve attention, but not all of them are created equal.

公式の3パットのスタッツと新しい3パットのスタッツによる結果の違いは、パッティングの距離が反映されるようになったことが大きいとブローディ氏は述べ、「4月中旬の時点で、松山英樹は3パットが213回中7回あったが、そのうち6回は35フィート(10.7メートル)を超える距離からのパッティングだった」ことが紹介されています。

松山英樹は遠い距離からファーストパットを打つことが多くあり、そのことが3パットの数の多さにつながっただけで、必ずしもパッティングの技術が平均以下だったというわけではないということです。

平均パット数、総パット数などのスタッツも3パット回避率と同様に、距離による違い、コースによる違いが反映されず、必ずしも選手のパッティングの技術が反映されたものとはなっていませんでした。

旧来からの集計方法によるスタッツには問題が多く、選手の能力、実力に対する誤った評価が生じる原因ともなっていました。

すでにストロークス・ゲインドが公式なスタッツとして採用されています。ストロークスゲインド・スリーパット率(Strokes Gained Three-Putt Rate)のようなより詳細なデータが公式なものとなれば、より正確に選手の実力を知ることができると考えられるため、今後に期待したいところです。

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