ウェルズファーゴチャンピオンシップ2015が5月14日よりノースカロライナ州のクエイルハロウクラブで開催されます。
クエイルハロウクラブは7,562ヤードのパー72、その難易度の高さから”グリーンマイル”との呼び名をもつ16番からの上がり3ホールに象徴される難コースです。先週のプレーヤーズは7,215ヤードだっため、全体で300ヤードほど長いコースとなります。
上がり2ホールの17番パー3は+0.342、18番パー4は+0.452という平均スコアはPGAツアーで最も厳しいクロージングホールとなっています。
ちなみに松山英樹は昨年、最初の3日間はうまくのりきったのですが、故障によってスイングが崩れてしまったり、パッティングにかなり苦しんでいた時期だったこともあり、最終日に17番ダブルボギー、18番ボギーと苦しめられました。
参考記事:松山英樹は38位Tフィニッシュ|ウェールズ・ファーゴ選手権2014最終結果
クエイルハロウクラブはファアウェイキープ率(50.17%:4位)、パーオン率(59.22%:8位)の両方の難易度が、2013-14シーズンのPGAツアーでトップ10に入っている5コースのうちの1つです。
ただこのクエイルハロウクラブはただ難しいだけでなく、ボギー以下(ボギー、ダブルボギー、トリプルボギーなど)が1658回がメジャー以外のトーナメントで最多である一方で、パーブレイカー(バーディ以上)が1538回も同様に最多の数となっています。
Risk & Reward(リスクと報酬)の色合いが強いコースセッティングのため60台半ばも出ると同時に、70台半ばも出る可能性があるクエイルハロウクラブです。
そのウェルズ・ファーゴチャンピオンシップ2015のPGAツアー公式サイトとアメリカのゴルフチャンネルによる優勝候補予想するパワーランキングです。
目次
米メディアのウェルズファーゴチャンピオンシップ2015のパワーランキングまとめ
初回投稿日:2015年5月12日
最終更新日:2015年5月13日
- 米ヤフースポーツ(Yahoo!Sports)のパワーランキング:4位
- ゴルフチャンネル(Golf Channel)のパワーランキング:4位
- PGAツアー公式サイト(PGATOUR.com)のパワーランキング:6位
米ヤフースポーツ(Yahoo!Sports)のパワーランキング:4位
アメリカのヤフースポーツ(Yahoo!Sports)のライアン・バレンジー(Ryan Ballengee)によるパワーランキングは以下のとおりとなっています。
- ロリー・マキロイ(1)
- J.B.ホームズ(13)
- ジム・フューリック(5)
- 松山 英樹(14)
- ケビン・キスナー(66)
松山英樹の対するコメントの英語原文とその翻訳は以下のとおりとなっています。
Matsuyama made the cut here last year, but he’s so much more than that now. He faded quickly after a Day 1 lead at The Players, but this course should suit his eye.
管理人訳『松山は昨年のこの大会で予選通過したが、今はその時を遥かに超えている。プレーヤーズでは初日に首位に立った後は急激に勢いがなくなったが、このコース(クエイルハロウクラブ)は彼に向いているはずだ。』
Yahoo!SPORTSのパワーランキングは毎週5名しかピックしないため、なかなかランクインすることはないのですが、今週は選ばれました。
ここのパワーランキングで選ばれていたのは、ちょっとした驚きでした。
ゴルフチャンネル(Golf Channel)のパワーランキング:4位
ゴルフチャンネル(Golf Channel)のウィル・グレイによるパワーランキングは以下のとおりとなっています。
- ロリー・マキロイ(1)
- フィル・ミケルソン(18)
- ジム・フューリック(5)
- 松山 英樹(14)
- J.B.ホームズ(13)
- ジャスティン・トーマス(85)
- ビル・ハース(20)
- ヘンリック・ステンソン(3)
- ニック・ワトニー(87)
- ルイ・ウーストハイゼン(27)
松山英樹の対するコメントの英語原文とその翻訳は以下のとおりとなっています。
Matsuyama quietly finished T-17 last week at TPC Sawgrass, his sixth consecutive top-25 finish dating back to February. He finished T-38 last year in his Quail Hollow debut and ranks third on Tour in strokes gained tee-to-green, eighth in GIR percentage and 10th in scoring average.
管理人訳『松山は先週のTPCソーグラス(プレーヤーズチャンピオンシップ)で2月から6試合連続でのトップ25フィニッシュとなる、17位タイで静かに終えた。彼は昨年の初めてプレーするクエイルハロウクラブ(ウェルズファーゴチャンピオンシップ)で38位タイフィニッシュしていて、ストロークゲイン・ショット(ショットのスコアへの貢献度)はツアー全体で3位、パーオン率で同8位、平均スコア(補正)で10位になっている。』
PGAツアー公式サイトと同様に6連続トップ25フィニッシュ、主要なショット関連のスタッツがトップ10に多く入っていること、スコアをまとめることのできる安定感が高く評価されています。
どの選手も調子の波があるのですが、松山英樹は2月から5月頭にかけて6試合連続でトップ25に入っていますので、その波が小さいと考えられる現状となっています。
PGAツアー公式サイト(PGATOUR.com)のパワーランキング:6位
PGAツアー公式サイト(PGATOUR.com)ののボブ・ロブトンによるパワーランキングは以下のとおりとなっています。カッコ内は最新の世界ランキングです。
- ロリー・マキロイ(1)
- ジム・フューリック(5)
- フィル・ミケルソン(18)
- J.B.ホームズ(13)
- ビル・ハース(20)
- 松山 英樹(14)
- ヘンリック・ステンソン(3)
- ケビン・キスナー(66)
- ジャスティン・トーマス(85)
- ライアン・ムーア(32)
- ウェブ・シンプソン(50)
- パトリック・リード(15)
- ジェイソン・コクラック(107)
- ケビン・ストリールマン(73)
- チャールズ・ハウエル3世(106)
松山英樹へのコメントの原文と翻訳は以下のとおりとなっています。
Co-led THE PLAYERS after 18 holes and finished T17 for his sixth straight top 25. Third in ball-striking; 10th in adjusted scoring.
(管理人訳)「プレーヤーズの初日を終えた時点で首位タイとなり、6試合連続トップ25フィニッシュとなる17位タイで終えた。ボールストライキング(トータルドライビングとファアウェイキープ率の順位合計)で10位、補正した平均スコアで10位となっている。」
日本のメディアでは評価ポイントとしてあまり出てこないのですが、アメリカメディアではトップ25に入っている回数は重要な評価材料の1つとなっています。
14試合に出場してわずかに予選落ちは1回だけで、予選通過した13試合のうち11試合でトップ25(トップ10の7試合を含む)に入っていることは、プレー全体の安定感を示すと同時に、プレーヤーとしての実力の高さを示していると言えます。
プレーヤーズを終えた時点で、松山英樹がトップ10に入っている主要スタッツは以下のとおりとなっています。
- ボールストライキング:3位(14)
- パーオン率:8位(70.72%)
- ストロークゲイン・ショット:3位(+1.650)
- ストロークゲイン・トータル:5位(+1.598)
- 平均スコア(補正):10位(70.191)
- オールアラウンドランキング:6位(355)
- トータルドライビング:3位(80)
ショット関連はすでに十分なレベルです。118位となっているストロークゲイン・パッティング(パットのスコアへの貢献度)がツアー平均レベルをやや上回れば、優勝争いの回数が更に増えることになりそうです。
用語の簡単な説明は以下のとおりとなっています。
オールアラウンドランキング:プレーヤーのスコアリング、パッティング、イーグル、バーディ、サンドセーブ率、パーオン率、ドライビングディスタンス、フェアウェイキープ率のスタッツのそれぞれのランキングを足して、より数字が少ない選手が上位に。
トータルドライビング:ドライビングディスタンスとファアウェイキープ率の両方のランキングを合計した数字で、その数値が少ないプレーヤーが上位に。
ストロークゲイン・トータル:同大会・同コースの全プレーヤーの平均スコアとのラウンド毎のスコアとの差。仮に平均スコアが70.15で、Aというプレーヤーが72なら-1.85で、69なら+1.15に。
ストロークゲイン・ショット:正確にはストロークゲイン・ティー・トゥ・グリーン。ストロークゲイン・トータルからストロークゲインパッティングの数字を引いたもの。ティーからグリーンにのるまでのショットの全体のスコアへの貢献度を示すスタッツ。
ボールストライキング:トータルドライビングとパーオン率のそれぞれのランキングを足した数で、その数字が少ないプレーヤーが上位にランクされます。総合的なショットの能力を知ることができるスタッツ。
平均スコア(補正):全ラウンドのスコアを合計した数をラウンド数で割るという単純な平均スコアではなく、ラウンド毎のフィールド全体(出場選手全体)の平均スコアを計算し、その平均スコアをパーから引くことで、そのラウンドの調整値を決定する。この調整値はラウンドごとに計算。
仮にパーが72のコースで、全体の平均スコアが71.2だった場合には、-0.8が調整値になり、逆に73.5だった場合には+1.5が調整値に。この数字を加味して選手のラウンド毎のスコアを調整し、その数字を合計したものをラウンド数で割ることで算出。
詳しいPGAツアーのスタッツ用語は以下のページにまとめています。
コメント
お世話になります。
7/9から開催されるジョンディアクラシック がジョンディリークラシックになっているように思います。
PGAツアーの開催日程を見ている時に、ジョンディリーとあったので、ニクラウスやパーマーみたいに、いつのまにやらジョンディリーをレジェンドになったのかなと思いましたが違っているようです。
完璧なデータ記載をされているので、直されたほうがよいかと思いご連絡させていただきました。
ケチを付けているわけではありませんので、よろしくお願い致します。
KENTさん、ありがとうございます。1人でやっているとチェックしきれていないことがありますので、教えていだけると助かります。これからも間違い等あれば、よろしくお願いします。
ジョンディアクラシックと言えば、「全英オープン2015」の中の「全英オープン予選会」でジョンディアクラシックが記載されていないのですが、変更が有ったのでしょうか?
昨年は1名に出場資格が与えられていましたが。
takahashiさん、ご指摘ありがとうございます。今年も変わらずジョンディアクラシックは「トップ5フィニッシュをした出場権を有しない最上位1名に出場資格」が与えられます。私が記載し落としていたので、修正しておきました。これからも何かありましたら、教えていだけると助かりますので、よろしくお願いします。
golfさん、早速ありがとうございました。
石川君が出場権を持っていれば気にもならなかったんですが。
お世話になります。
golf さんの、このブログがゴルフ関連のサイトで日本でNO.1であると思っています。
期待もしていますし、golf さんの姿勢を尊敬していますので、最新情報の更新をよろしくお願い致します。
余談ですが、NHKのPGAツアー解説をしている田中泰二郎 さんのラウンドリポートで少し疑問があるのですが、それは私だけでしょうか?
彼はPGAはおろか日本ツアーでの優勝経験もないのですが、PGAツアーで優勝争いをしている選手の心理まで踏み込んで解説するのは、止めてほしいと思っています。
客観的な事実だけを伝えてるのが、ラウンドリポーターの仕事であるべきです。PGAツアーの選手はギリギリの精神状態の中で、最良のゴルフ技術をしようとしてると思います。
田中 秀道さんがNHKのPGAツアー解説をしてくれる時があるのですが、田中泰二郎 さんとはまったく違うので、とても良く分かります。
経験がない人が、さも経験したかのようなコメントは非常に耳障りです。
これはNHKへ言うべきでしたが、グチになりました。
オリンピック競技種目になったゴルフ関連のレベルを上げていかなければ、これから若い世代の世界に通用するゴルフファーが誕生しないと思います。
その意味からgolfさんの活動は素晴らしいと思っています。
楽しみながらやっているだけなので、そんなに褒めて頂いて、大変恐縮です(笑)。田中泰二郎さんのラウンドレポートは、森永さんに比べると主観が多めに入るので、人によって好みが分かれるかもしれませんね。
世界に通用する若い選手を多く輩出するためには、テニスの分野でソニーグループで要職を務めた盛田正明さんがファンドを作って、錦織圭のアメリカに行けるように助けたように、ゴルフでも基金を立ち上げて、アメリカに送り出すようなシステムがあったらいいかもしれないですね。アメリカのトップクラスの大学では練習場にベント芝、ポアナ芝など様々な種類の芝が揃っていて、その環境で練習できると聞いています。このような選手がPGAツアーに出ている中で、松山がそれらの選手よりグリーンで苦労するのは仕方ないと思います。日本で世界を視野に入れた育成やシステムが出てきていくといいなあと願っていますが、それが難しければアメリカに送り出すシステムがあればと思います。
世界に通用する若いゴルファーが出てくれることを私も夢みます。
盛田ファンドのような基金があれば本当にいいですね。
golf さんは本当にいろいろな知識があり、なるほどと感心しております。
コメントいただきまして、誠にありがとうございました。