松山英樹がWGC-メキシコチャンピオンシップ2017に出場します。
前年まではフロリダ州マイアミで開催されていたWGC-キャデラックチャンピンシップ時代も含めると4年連続4回目の出場となります。
WGC-キャデラックチャンピンシップはトランプナショナルドラルで開催されていたのですが、このコースとの相性はあまり良い方ではなく、予選落ちのない75名程度のフィールドで34位タイ、23位タイ、35位タイという成績に終わっています。
今回からはメキシコのメヒコ州ナウカルパンにあるクラブ・デ・ゴルフ・チャプルテペク(Club de Golf Chapultepec)で開催されることになるのですが、フェアウェイが狭くショットの精度が問われることになるのではないかとの予想もあります。
トランプナショナルドラルは飛距離が出る選手がかなり有利になるセッティングとなっていましが、クラブ・デ・ゴルフ・チャプルテペクではどのような傾向となるのか注目されます。
このWGC-メキシコチャンピオンシップ2017で松山英樹が優勝した場合には世界ランク2位に登りつめることもできますが、ジョーダン・スピース、ヘンリク・ステンソンの成績次第では世界ランク6位に陥落する可能性もあります。
拮抗する世界ランクトップ6の一角として出場するWGC-メキシコチャンピオンシップ2017の松山英樹の全ラウンド結果速報です。
目次
松山英樹の全ラウンドのプレーの速報と結果
松山英樹のWGC-メキシコチャンピオンシップ2017のラウンド別のプレー詳細やキースタッツなどは以下のボタンのリンク先にまとめています。
使用される用語の簡単な解説 |
開幕前の直前最新情報 |
第1ラウンドのプレー詳細速報:41位T |
第2ラウンドのプレー詳細速報:46位T |
第3ラウンドのプレー詳細速報:25位T |
第4ラウンドのプレー詳細速報:25位T |
このページで使用される用語の簡単な解説
このページで使用される用語の簡単な解説です。速報の分析で頻繁に出てきますので、不明なときはご参照ください。
■ 簡単な用語解説
ストロークスゲインド(Strokes Gained):同大会の同一コースの過去のデータをベースに、その選手が平均値よりも優れているか、劣っているかを数値化したもの
ストロークスゲインド・オフ・ザ・ティー(SG:OFF-THE-TEE):パー4、パー5のティーショットによって、どれだけ平均的な選手よりスコアを稼ぐことができたかを示す。ティーショットのスコアへの貢献度。
ストロークスゲインド・アプローチ・ザ・グリーン(SG: APPROACH TO THE GREEN):30ヤードを越えるグリーンへのアプローチショットによって、どれだけ平均的な選手よりスコアを稼ぐことができたかを示す。アプローチショットのスコアへの貢献度。
ストロークスゲインド・アラウンド・ザ・グリーン(SG: AROUND THE GREEN):30ヤード以内のグリーンへのアプローチショットによって、どれだけ平均的な選手よりスコアを稼ぐことができたかを示す。ショートゲームのスコアへの貢献度。
ストロークスゲインド・ティー・トゥ・グリーン(SG: TEE TO GREEN):ティーからグリーンまでのショット全体によって、どれだけ平均的な選手よりスコアを稼ぐことができたかを示す。ショット全体のスコアへの貢献度。
ストロークスゲインド・パッティング(SG:PUTTING):グリーン上のパッティングによって、どれだけ平均的な選手よりスコアを稼ぐことができたかを示す。パッティングのスコアへの貢献度。
ストロークスゲインド・トータル(SG:TOTAL):フィールドの平均よりも良いスコアでそのラウンドをプレーできたかを示す。
松山英樹の開幕前の直前情報
松山英樹の直前情報というよりはトーナメントの直前情報となります。
以下はロブ・ボルトン氏のパワーランキングの記事からの情報です。
- コースはパー71・7330ヤードも、最長で7500ヤードまで伸ばすことが可能。
- 標高が高く飛距離が出るため体感的には6600-6700ヤード程度に感じると予想される。
- ラフは2インチ(5.1cm)程度で伸ばし合いの展開になることが予想される
- 620ヤードよりも長いパー5が2つあるものの、410ヤードに満たないパー4が6ホールもある
- アンジュレーションの強いグリーンはベントクラスとポアナ芝の混合に、スティンプメーターは11.5フィートに。
- 大半の選手が初めてのグリーンとなるため平均的なパターの選手にメリットが
- 初日は晴れで25-26度まで気温は上昇し、これが4日間で一番高くなる見込み。その後は雨が降る可能性がある。風は強くならない予報。
ファーマーズインシュランスオープン、ジェネシスオープンとポアナ芝のグリーンに苦しめられましたが、今回も少なからず影響があると予想されます。
以下はGDOの今岡涼太氏のツイートです。
「WGCメキシコ選手権」の練習場でのトラックマン率の高いこと!なにせ標高が2200m以上あって飛距離が15%~20%とか増しているので・・・。みんな把握に必死です。 pic.twitter.com/9kTLpF1cNH
— 今岡涼太 (@rimaoka) 2017年2月28日
標高が2200m以上ということで、気圧の関係で通常よりも飛距離が出ます。そのため、同じ距離でもいつもとは違う番手を使うことになるため、どのくらいの距離が出ているかを把握するためにトラックマンを使用して練習している選手が多いようです。
またコース自体が狭くショットの精度が要求され、忍耐力も必要になるとの情報もあります。
続いて、松山英樹に関する直線情報です。
今大会で松山のバッグを担ぐのは、2013年序盤まで石川遼の専属キャディとして米ツアーに帯同し、その後は昨年まで米女子ツアーで宮里美香のキャディを務めていた加藤大幸氏。エースキャディの進藤大典氏は2週間後の「アーノルド・パーマー招待byマスターカード」での復帰が予定されている。
前週は、米国ロサンゼルスで練習ラウンドを重ねてコミュニケーションを取ってきた2人。「番手の距離は把握できたので、あとは13%なのか、15%なのかその辺り」と加藤氏はいう。大会開催地のメキシコシティは標高2300m(富士山の6合目付近)の高地にあることから、どのクラブでも飛距離が出る。その割合は「どのくらいか?」というのが懸案だ。「彼(松山)は結構計算が速いけど、5yd刻みくらいの変換表を作ろうかなと話しているところ」と、対策も検討している。
キャディでも進藤氏以外を起用するなど、色々と視野や幅を広げる試みもやっているように見受けられます。
なお、Featured Groupsに選ばれているため第1ラウンドはPGA TOUR LIVEで生中継される予定です。
We've got some fun groups this week at the @WGCMexico.
Featured Groups: https://t.co/ezDMvSL4Pr pic.twitter.com/pLkRVKtmY0
— PGA TOUR (@PGATOUR) 2017年2月28日
アメリカ東部時間の午前11時30分、日本時間では3月3日の午前1時30分から中継が開始となる予定です。
WGC-メキシコチャンピオンシップ2017のパワーランキングは以下のページにまとめています。
ROUND1:グリーン上で苦しみ1オーバーでホールアウト
第1ラウンドの松山英樹は世界ランク1位のダスティン・ジョンソン、同3位のロリー・マキロイとの組み合わせで、現地時間の午前11時36分、日本時間の3月3日午前2時36分に10番ホールからスタートしました。
その初日のホールバイホールとプレーの詳細は以下の表のとおりとなっています。
今日は4バーディ・5ボギーの1オーバーでプレーを終えて、その時点では首位と7打差の41位タイとなっています。
ジェネシスオープンで予選落ちした時には「パットの方は何とかなりそうだが、ショットのほうが」というコメントをしていました。
しかし、その時のスタッツはストロークスゲインド・ティー・トゥ・グリーン(SG: TEE TO GREEN)は-0.346、ストロークスゲインド・パッティング(SG: PUTTING)が-5.045でした。
つまりスタッツは、2日間でショットは平均前後だったのですが、パッティングは1ラウンドあたり2.5ストロークも平均を下回ったことを示していました。
そのため予選落ちの原因はどちらかと言えばパッティングだったと考えられるスタッツだったのですが、ショットの方を気にするコメントをしていたのが、やや気になる点でした。
1週オープンウィークを挟んでのぞんだ、この大会ではショットのほうは完璧ではないものの、ある程度は良くなってきたのですが、パッティングに関しては良くない状態が続いています。
今日の3m以内のパットは以下のとおりとなっています。
- 10番:2.5m→15cm→Par
- 15番:1.2m→Birdie
- 16番:1.2m→Birdie
- 2番:2.0m→70cm→Par
- 3番:1.5m→Birdie
- 4番:1.1m→75cm→Bogey
- 5番:2.0m→1.1m→Bogey
- 7番:1.5m→Par
- 9番:1.1m→Par
18番で9.9mのロングパットが決まったのですが、それ以上にマイナスが多かったため、パットの貢献度を示すストロークスゲインド・パッティング(SG: PUTTING)は-1.793で76名中65位とと足を引っ張ってしまいました。
ショット全体の貢献度を示すストロークスゲインド・ティー・トゥ・グリーン(SG: TEE TO GREEN)は1.438で25位と悪くはなかったため、グリーン上での停滞が余計に目立つラウンドとなりました。
このコースがPGAツアーで使用されるのが初めてで、ショットリンクのシステムが使用されるのも当然のことながら初めてとなっています。
そのため今年のストロークスゲインドのスタッツは、過去のデータは加味されない今年のフィールドの平均値からの差を示しています。
ポアナ芝のグリーンを苦手としていることの影響はあるのですが、これだけパットを外してしまい、グリーン上で他の選手よりもロスしてしまうと、さすがにスコアを伸ばすことが難しくなってしまいます。
これまで苦手としてきたバミューダ芝には対応し始めているのですが、このポアナ芝にはまだまだ経験が必要と考えられます。
当座の目標となるマスターズのオーガスタナショナルゴルフクラブで使用されている芝とは異なるため、その点は救いなのですが、本番での不安を減らすためにも、もう少し改善したいところです。
ショットはフェアウェイキープ率が64.29% (9/14)で20位タイ、ドライビングディスタンスが309.6ヤードで12位とバランスが良いため、ストロークスゲインド・オフ・ザ・ティー(SG:OFF-THE-TEE)は0.453で28位とまずまずの数字となっています。
そしてパーオン率は77.78% (14/18)で6位タイとフィールドの上位につけていますし、ピンそばにつけるバーディチャンスも多かったため、アプローチショットの貢献度を示すストロークスゲインド・アプローチ・ザ・グリーン(SG: APPROACH-THE-GREEN)は1.612で13位とプラスになっています。
その一方で、ショートゲームでは苦戦し、スクランブリング(パーオンできなかったホールで、パーもしくはバーディであがれた割合)は25.00%(1/4)と、ボギーが多くなる原因の一つとなりました。
これを反映してストロークスゲインド・アラウンド・ザ・グリーン(SG: AROUND-THE-GREEN)は-0.628で59位タイとなるなど、パッティングとともに足を引っ張りました。
ただ、本人がホールアウト後にショートゲームとパッティングが悪かったことをしっかりと認識していて、その2つを修正していきたいと話していたのは、良い兆候ではないかと思われます。
パッティングに関してはグリーンの難しさは認めつつも、それ以前に「自分のストロークが悪い」と話していましたので、まずはその部分での立て直しが必要となりそうです。
パッティングがしっかりと平均レベルで決まっていれば、アンダーパーではプレーできるショットの状態ではありましたので、明日以降のアジャストが期待されます。
予選落ちはなく4日間しっかりとプレーできますので、その中でマスターズに向けて良い感覚を掴み、自信をもって望めるようになることを願っています。
ROUND2:ショットとパットともに今一歩で46位タイに後退
第2ラウンドは同じくダスティン・ジョンソン、ロリー・マキロイとの組み合わせで、現地時間の午後12時53分、日本時間の3月4日午前3時53分に1番ホールからスタートしました。
その第2ラウンドのホールバイホールとプレーの詳細は以下の表のとおりとなっています。
今日は2バーディ・3ボギーの1オーバーと一つスコアを落としてトータル2オーバーで46位タイに後退してプレーを終えています。
多くの選手が高地にアジャストしてスコアを伸ばし始めた第2ラウンドだったのですが、逆に松山英樹はショットの精度が落ちてしまいました。
フェアウェイキープ率が64.29% (9/14)から57.14% (8/14)に、パーオン率は77.78% (14/18)から55.56% (10/18)といずれも数字が落ちてしまいました。
ティショットのフェアウェイキープ率が落ちはしたのですが、1番パー4で1オンに成功したり、ボギーにつながるような大きなミスは14番のティショットくらいにとどめたりするなど、フェアウェイを外しても大きく曲げることは初日より少なくなりました。
そのためストロークスゲインド・オフ・ザ・ティー(SG:OFF-THE-TEE)は0.979と、初日の0.453から数字は伸びています。
その一方でショット作った3.0m以内のバーディチャンスは18番の75cmだけで、1番パー4の1.4mは1オンに成功したもので、5番パー5の1.4mも2オンこそ逃したものの、グリーン近くまで運ぶことができたことによるものでした。
昨日とは打って変わって精度の高いショットによるバーディチャンスは少なく、パーオン率も数字が落ちたため、ストロークスゲインド・アプローチ・ザ・グリーン(SG: APPROACH-THE-GREEN)は-1.390と、昨日の1.612から大きく落としてしまいました。
ショートゲームに関しては寄せきれなかったものがあったものの、多くの選手がグリーン周りで苦しんでいました。その中でスクランブリング(パーオンできなかったホールで、パーもしくはバーディであがれた割合)は62.5%(5/8)という数字は評価されるものでした。
本人としては10番、15番などで寄せきれなかったショートゲームの印象が強かったようで、不満を漏らしていましたが、全体で見れば悪くない内容でストロークスゲインド・アラウンド・ザ・グリーン(SG: AROUND-THE-GREEN)は0.871と、初日の-0.628からに改善されました。
昨日に引き続き課題となったのがグリーン上で、1番で1.4m、15番で1.4mのバーディパット、10番で2.7m、14番で2.3mというパーパットを決めることができませんでした。
それ以外にもミドルレンジのバーディパットはなかなか決まらず、長めのものでは11番で6.3mを決めたのが良かったくらいでした。
そのためストロークスゲインド・パッティング(SG: PUTTING)は-1.621と、昨日の-1.793に続いて足を引っ張ってしまいました。
2日間のプレーを終えた時点でのキースタッツは以下のとおりとなっています。
R1 | R2 | Total | Rank | |
---|---|---|---|---|
フェアウェイキープ率 | 64.29% | 57.14% | 60.71% | T37 |
ドライビングディスタンス | 309.6 | 292.6 | 301.1 | 27 |
ティーショットの貢献度 | 0.453 | 0.981 | 1.434 | 15 |
パーオン率 | 94.44% | 83.33% | 88.89% | T27 |
アプローチショットの貢献度 | 1.612 | -1.393 | 0.220 | 38 |
スクランブリング | 25.00% | 62.50% | 50.00% | — |
ショートゲームの貢献度 | -0.628 | 0.874 | 0.246 | 36 |
ショット全体の貢献度 | 1.438 | 0.462 | 1.900 | 29 |
パットの貢献度 | -1.793 | -1.621 | -3.414 | 72 |
ショット全体の貢献度を示すストロークスゲインド・ティー・トゥ・グリーン(SG: TEE TO GREEN)は+1.901で29位と、良くはないのですが及第点と言える数字になっています。
その一方でストロークスゲインド・パッティング(SG: PUTTING)は-3.414で76選手中72位と足を大きく引っ張っています。
ポアナ芝のグリーンにかなり苦しめられていて、そこに強いアンジュレーションが追い打ちをかけて、2.0m以内のパッティングを外すことが多くなっています。
多くの選手が3パットをしていますし、難しいグリーンであることは間違いないのですが、フィールドの平均をこれだけ下回ると、ショットがよほど良くないと順位を上げることはできません。
ショットは感じは悪くなさそうなフィニッシュをしていてもグリーンを外すことがあるなど、高地による影響のためか距離感が合っていないことが目につきました。
しかし、最終ホールではようやくピッタリと合いましたので、明日以降のアジャストに期待したいところです。
ショットとパットともに調子が良いとは言えない状態で乗り込んだところに、高地で距離感が合わせにくいという特殊な状況と苦手なポアナ芝のグリーンが加わって、スコアが停滞してしまっている印象の2日間でした。
この後の出場が予想されるトーナメントではバミューダ芝、ベント芝が大半となっていますので、ポアナ芝のグリーンは今季においては最後になる可能性もあります。
西海岸でメジャーが開催される時に向けて、中長期的にはポアナ芝への対応が必要とはなりますが、今季に関してはこのメキシコチャンピオンシップ以降はさほど大きな問題にならないと予想されます。
そのため、ポアナ芝へのアジャストも大切ではあるのですが、それ以上にマスターズに向けて自分が納得できる良いストロークができることを最優先にしてもらいたいところです。
ウェイストマネジメント・フェニックスオープンのTPCスコッツデール以外は苦手コース、苦手とするグリーンの芝が多いため、調子も上がりにくい状況が続いていますが、忍耐強くプレーして良い感覚を掴んでいってくれることを期待しています。
明日の第3ラウンドはザック・ジョンソン、ケビン・ナとの組み合わせで、現地時間の午前10時20分、日本時間では3月5日午前1時20分に10番ホールからスタート予定となっています。
ザック・ジョンソンとケビン・ナのプレーのほうが、ダスティン・ジョンソン、ロリー・マキロイよりは参考にしやすいと思われますので、そこにも期待したい第3ラウンドです。
ROUND3:ショットとパットともに上り調子で浮上
ザック・ジョンソン、ケビン・ナとの組み合わせで、現地時間の午前10時20分、日本時間では3月5日午前1時20分に10番ホールからスタートしました。
その第3ラウンドのホールバイホールとプレーの詳細は以下の表のとおりとなっています。
今日は6バーディ・1ボギーと5ストローク伸ばして、通算3アンダーとしてホールアウト時点では26位タイに浮上しています。
前日のラウンド前は左膝に違和感があるとのことでしたが、今日はドライビングレンジでも左ひざを気にするなど状態は良くなかったようでした。
痛み止めを飲んでのプレーということで状態が気になる中でのラウンドでしたが、ショットは安定し、パットは絶好調ではありませんでしたが、決めるべきパットはほぼ決めることができました。
フェアウェイキープ率は100.00% (14/14)、パーオン率は72.22% (13/18)といずれも高い数字で、パーオンを外した場合のスクランブリング(パーオンできなかったホールで、パーもしくはバーディであがれた割合)も80.00% (4/5)と、グリーンからティーまで非常に安定していました。
足を引っ張っていたパッティングですが、13番で2.1mのパーパットを決めれなかったり、3番2.9mと5番3.2m、9番4.4mというバーディパットを仕留めることができませんでした。
しかし、11番の3.5mに加えて、15番で1.5m、17番で1.4m、2番で2.4m、6番で1.7mといった昨日まで外していた距離のバーディパットをキッチリと沈めることができました。
そのため-1.793、-1.621とマイナスが続いていたストロークスゲインド・パッティング(SG: PUTTING)は0.485と大きくはありませんがプラスに転じました。
ショットに関しては、ティショットがフェアウェイキープ率100%と精度が安定し、ドライビングディスタンスも309.7ヤードと距離もでていました。
さらに1番パー4で1オンに成功するなどしたため、ストロークスゲインド・オフ・ザ・ティー(SG:OFF-THE-TEE)は1.531と大きくプラスとなりました。
30ヤードを越えるアプローチショットでは、パーオン率は72.22% (13/18)と高い数字で、パー5で2オンに1度成功し、3m以内のバーディチャンスを2度作りました。
ただ、パーオン率の割には高い精度のショットを連発したわけではなかったため、ストロークスゲインド・アプローチ・ザ・グリーン(SG: APPROACH-THE-GREEN)は1.673とプラスではありましたが、良い時に比較すれば小さいプラスにとどまりました。
ショートゲームに関してはサンドセーブも100%(2/2)、スクランブリングも80.00%(4/5)と安定していて、13番パー3で2.1mのパーパットを残してしまった以外は、しっかりと寄せることができました。
そのためストロークスゲインド・アラウンド・ザ・グリーン(SG: AROUND-THE-GREEN)は0.783とプラスになっています。
ショットの各部門に関しては全てプラスとなりましたので、ストロークスゲインド・ティー・トゥ・グリーン(SG: TEE TO GREEN)は3.895と3日間で一番良い数字となりました。
この大きなプラスに加えて、パッティングも大きくはないもののプラスとなりましたので、スコアを伸ばすことができました。
ホールアウト時点では松山英樹の今日の66は、スピースの63に次ぐ2番目に良いスコアとなっています。
初日と2日のプレー内容からは大幅に改善されたのは、マスターズに向けても明るい材料と言えます。
3日間のキースタッツは以下の表のとおりとなっています。
ショット全体の貢献度を示すストロークスゲインド・ティー・トゥ・グリーン(SG: TEE TO GREEN)は5.910で7位とフィールドのトップクラスですが、パッティングの貢献度を示すストロークスゲインド・パッティング(SG: PUTTING)が-2.844で67位と足を引っ張っています。
松山英樹の場合は本人がショットに納得していなくてもフィールドのトップクラスになることが多くあります。
後は、パッティングでコンスタントに平均をやや上回るレベルをキープできるようになれば、優勝回数もさらに増えますし、トップ5、トップ10の回数も飛躍的に増えます。
ポアナ芝のグリーンではありますが、自信をもってパッティングができるような何かを掴みきってしまえば、今週の最終的な結果が芳しくはなくとも、この後のシーズンで良い結果を残していくことができるキッカケとなります。
左膝の状態が気になるところではありますが、プレーの後もパッティングの練習をしていましたので、現時点では大きな痛みではないのかもしれません。
体調面がやや心配ではありますので、まずは悪化させないことを優先してもらいたいところです。
それが大前提で、最終日にパッティングの精度を上げて、次の出場が予定されるアーノルドパーマーで優勝争いができるような流れを作ってくれることを期待しています。
ROUND4:6番パー5でつまずきスコアを伸ばすことができず
最終ラウンドの松山英樹はブランデン・グレース、アン・ビョンフンとの組み合わせで、現地時間午前10時42分、日本時間では3月6日午前1時42分に1番ホールからスタートしました。
今日のホールバイホールとプレーの詳細は以下の表のとおりとなっています。
4バーディ・2ボギー・1ダブルボギーとスコアを伸ばすことができず、ホールアウト時点では26位タイとなっています。
1番パー4で1オンに成功してバーディを奪いますが、2番では3.6m、3番では1.8mとバーディチャンスを仕留めれませんでした。
それでも4番パー4で6.1mのバーディパット、5番パー4ではフェアウェイからの6.4mをねじ込んで66アンダーまで伸ばしトップ10が見える位置まで浮上しました。
続く6番パー5でさらに伸ばしたいところでしたが、ここでつまずいてしまい流れが完全に止まってしまいました。
ティショットをバンカーに入れてしまったため、フェアウェイにレイアップしたのですが、そこからのサードショットが大きくショートしてグリーン手前の池に入れてしまいダブルボギーを叩いてしまいました。
その後は全体的に重い展開となります。7.8mのパーパットを決めるなど良いものもあった一方で、1.4mのバーディパットを外すなど、最後までスッキリとしない流れでプレーを終えました。
フェアウェイキープ率は57.14% (8/14)と4日間で一番悪い数字となり、パーオン率は61.11% (11/18)と、第2ラウンドの55.56% (10/18)に続く悪い数字となりました。
ただ、ティショットに関しては3ホールでファーストカットにとまったものがありました。そのためフェアウェイキープ率が示す数字よりは内容が良く、大きなミスもありませんでした。
さらにドライビングディスタンスは318.6ヤードと距離も出ていましたので、ティショットの貢献度を示すストロークスゲインド・オフ・ザ・ティー(SG:OFF-THE-TEE)は1.435と大きくプラスとなりました。
30ヤードを越えるアプローチショットに関しては短いバーディチャンスもつくることができたのですが、パーオン率が落ちたことと、6番でダブルボギーにつながる大きなミスがありました。
そのためストロークスゲインド・アプローチ・ザ・グリーン(SG: APPROACH-THE-GREEN)は-0.891とマイナスになってしまいました。
ショートゲームに関してはサンドセーブ率が0.00%(0/3)でしたが、スクランブリング(パーオンできなかったホールで、パーもしくはバーディであがれた割合)は57.14%(4/7)とまずまずでした。
全体として見て抜群に良かったわけではないのですが、5番でのフェアウェイからのチップインバーディがあったことも助けとなり、ストロークスゲインド・アラウンド・ザ・グリーン(SG: AROUND-THE-GREEN)は0.110とプラスとなりました。
アプローチショットに関してはマイナスになったものの、ティショットとショートゲームでその分をカバーしたため、ストロークスゲインド・ティー・トゥ・グリーン(SG: TEE TO GREEN)は0.654とプラスとなっています。
その一方で課題となっているパッティングは、6.1mのパーパットや7.8mのパーパットを決めた一方で、1.4m、1.8mのバーディパットを外ずしてしまい、ミドルレンジのバーディパットは決まりませんでした。
これらを反映してストロークスゲインド・パッティング(SG: PUTTING)は-0.522と、4ラウンド中3回目となるマイナスになってしまいました。
4日間のキースタッツは以下の表のとおりとなっています。
フェアウェイキープ率が69.64%で9位タイ、ドライビングディスタンスが307.6ヤードで16位とティショットは飛距離と精度も安定していたため、ストロークスゲインド・オフ・ザ・ティー(SG:OFF-THE-TEE)は4.395で6位とフィールドのトップクラスとなりました。
その一方で本来の武器となるべき部分であるアプローチショットではパーオン率が66.67%で27位タイと今一歩にとどまり、ストロークスゲインド・アプローチ・ザ・グリーン(SG: APPROACH-THE-GREEN)は1.071で39位と物足りないものに終わりました。
本人が不満を漏らしていたショートゲームに関してはストロークスゲインド・アラウンド・ザ・グリーン(SG: AROUND-THE-GREEN)は1.101で21位と、フィールド全体的で比較した時には悪くはなかったという数字です。
パッティングに関しては4日間トータルで、ストロークスゲインド・パッティング(SG: PUTTING)が-3.370で76選手中65位と下位に沈みました。
その一方で本調子ではなかったショットはストロークスゲインド・ティー・トゥ・グリーン(SG: TEE TO GREEN)が6.568で10位とエリートフィールドでもトップクラスになっています。
そのためメジャー制覇に向けての課題は明白でパッティングの改善・復調となります。
ただ、今回のグリーン、予選落ちしたリビエラのグリーンはともに対応しきれていないポアナ芝であったことを考慮する必要があります。
「自分のストロークができなかった」とホールアウト後に話していましたが、苦手な芝のグリーンが技術的な面に影響を与えたことは否定できません。
松山英樹本人はどこに行っても崩れないショットとパットの技術を目指しているようなので、自分のストロークができなかったことに大きな不満は残ったことと思います。
ただ、TPCスコッツデールのように相性の良いコース、相性の良いグリーンではガラッと変わってくるのもゴルフではあります。
次戦のアーノルドパーマーインビテーショナルが開催されるベイヒルは、オーランドの自宅から近く、芝や気候にも順応しやすい環境です。
ここでもパッティングが上手くいかないようだとマスターズに向けて良い状態ではないと言わざるをえなくなりますが、ポアナ芝のグリーンだった今週の時点ではまだ猶予があるという印象です。
ショットに関しては良いものが増えてきつつはありますし、悪い悪いと言いながらも終わってみればトップ25フィニッシュとなっています。
その点では地力があがってきていることが証明されているのですが、さらに上のレベルである「長期間にわたり世界のトップ3をキープ」するようなところを目指すならば、悪い状態でもトップ10に近いところまで上がって行けるようになる必要があります。
そのためには、ストロークスゲインド・パッティングのスタッツがコンスタントに平均レベルになる必要があります。
今週もストロークスゲインドパッティングが平均を少し上回ればトップ10に近い成績を残すことができていました。
この壁を越えれば、さらにもう一段階ステップアップすることができますし、メジャーでの優勝争いの常連になることができます。
4日間プレーして次第に良い内容も増えてきていますので、それを土台にしてアーノルドパーマーインビテーショナルで優勝争いができるように、まずは左膝などの体調をしっかりと整えて、その後にショートゲーム、パッティングを上手く調整しててくれることを願っています。