石川遼がPGAツアーの2015-16シーズンの開幕戦となるフライズドットコムオープン2015に出場します。
このフライズドットコムオープンへの出場は3年連続3回目となるのですが、2014年から開催コースが変わったものの2013年が21位タイ、2014年が19位タイという成績になっています。
日本ツアーでは優勝、52位タイ、6位タイという成績で世界ランクを上げることにも成功しましたが、その流れを活かすだけでなく、様々な日本での試行錯誤した内容が実を結ぶか注目されます。
そのフライズドットコムオープン2015での石川遼の全ラウンド結果速報です。
目次
石川遼の全ラウンドのプレーの速報と結果
石川遼のフライズドットコムオープン2015のラウンド別のプレー詳細やキースタッツなどは以下のボタンのリンク先にまとめています。
2014年大会の成績の分析 |
石川遼の大会直前インタビュー動画 |
第1ラウンドのプレー詳細速報:89位T |
第2ラウンドのプレー詳細速報:135位T |
石川遼の2014年の19位タイの成績をスタッツで分析
2013年は開催コースが異なり、参考になりませんので、2014年の成績で分析していきます。
4日間のホールバイホールは以下の表のとおりとなっています。
初日は4バーディ・3ボギーの1アンダーで44位Tで滑り出し、2日目は1イーグル・3バーディ・4ボギーの出入りが激しいゴルフも47位タイで決勝Rへ進みます。
そして第3ラウンドでは1イーグル・4バーディ・1ボギーの67でスコアを5つ伸ばして7アンダーとして17位タイまで浮上します。
最終日はフロントナインで一時は10アンダーまで伸ばしたものの、9番でボギー、11番でダルボギーを叩くなどして停滞し、最終的には5バーディ・1ダブルボギー・2ボギーで1つスコアを伸ばすにとどまり、通算8アンダーの19位タイとなりました。
その2014年大会のスタッツは以下の表のとおりとなっています。
フェアウェイキープ率が51.79%で54位タイ、ドライビングディスタンスが299.7ヤードで23位タイ、パーオン率が68.06%で40位タイ、ストロークスゲインド・ティー・トゥ・グリーン(ショットで稼いだ打数)が5.392で19位、ストロークスゲインド・パッティング(パッティングで稼いだ打数)が1.170で42位となっています。
上位にいくには全体的に決め手に欠けるスタッツとなっています。
順位は予選通過74名中のものとなるのですが、フェアウェイキープ率は54位となっていますので、どちらかと言えば良くない数字となっています。
そのフェアウェイキープ率が悪い中でもパーオン率は68.06%で40位とある程度リカバリーはしているものの少なくない影響を受けていたと考えられます。
ボギーが11個あるのですが、そのうちグリーンのファーストカットからも含めると3パットが5回あるなど、パッティングでカバーするには至りませんでした。
一方で初日には9.9m、4.3m、4.8mといったバーディパットを沈めたのもあったため、ストロークスゲインド・パッティングはフィールド中位よりやや下となる42位となっています。
全体的に決め手を欠いていたのですが、2日目に12番パー4、3日目に14番パー4で2打目が直接カップインする2つのイーグルがスコアを押し上げるのをかなり大きな役割を果たしました。
フェアウェイキープ率、パーオン率ともにフィールドの平均を下回っていたにも関わらず、ストロークスゲインド・ティー・トゥ・グリーン(ショットで稼いだ打数)が19位となったのも、この2つのイーグルがあったためです。
パー4での2打目が直接カップインしていますので、良いショットであったことは間違いないのですが、こういうイーグルは運に助けられてもいることも否定できないものでもあります。
それが2回起こった上での4日間通算の8アンダーなので、今回の大会でティーショット、パッティングなどの質を高めて、バーディ数を増やしたいところです。
特に去年よりは確実にフィールドの層が厚くなっていますので、内容を良くすることが必要となります。
フェアウェイキープ率に関しては、PGAツアーの最終戦となったザ・バークレイズの決勝ラウンドの2日間が42.86%-35.71%、日本ツアーの3試合ではが32.14%-57.14%-35.71%と3戦ともに良くありませんでした。
シーズン開幕戦での修正に期待したいところです。
なお、昨シーズンのプレー内容や詳細は以下のページにまとめています。
石川遼の大会直前インタビュー動画
石川遼の大会直前インタビューの動画です。
ROUND1:初日は3バーディ・3ボギーのイーブンパーで出遅れ
第1ラウンドはキム・ウィー、D.H.リーとの組み合わせで、現地時間の10月15日午前8時50分、日本時間の10月16日午前0時50分に1番ホールからスタートしました。
初日のホールバイホールとプレーの詳細は以下の表のとおりとなっています。
今日は3バーディ・3ボギーの72のイーブンパーでプレーを終え、3選手がホールアウトしていない時点でサスペンデッドとなり、順位は暫定88位タイで第2ラウンドでの巻き返しが必要なスタートとなりました。(最終的には89位T)
ティーショットの飛距離を見る限り、日本のツアーでのように全ホールでドライバーを握ることはなかったようです。
ティーショットのフェアウェイキープ率は57.14%(8/14)と良くはないのですが、及第点というところになっています。
しかし、パーオン率は61.11%(11/18)にとどまり、このコースではやや物足りない数字となっています。
ボギーが3つありましたが、2番パー3では1オンできず、4番パー4ではフェアウェイからの残り98ヤードをグリーン奥のラフに外してしまい、アプローチは7.8mもピンをオーバー、7番パー3ではティーショットをバンカーに入れ、そこからも寄せきれずというものでした。
パーオンできなかった6ホールのうち3ホールでボギーとするなどスクランブリング(パーオンできなかったホールで、パーもしくはバーディであがれた割合)も50.00%にとどまりました。
このようにショットがボギーの大きな要因となり、スタッツも全体的に良くなかったため、ストロークスゲインド・ティー・トゥ・グリーン(ショットで稼いだ打数)は-1.746(暫定値)と大きくマイナスとなっています。
それでもイーブンパーでとどまったのはパッティングで8番2.4m、17番で1.8mというパーパット、5番で4.7mといったパットを沈めたためで、ストロークスゲインド・パッティング(パッティングで稼いだ打数)は0.482(暫定値)と大きくはありませんがプラスとなっています。
初日のスタッツは以下のとおりとなっています。
- バーディ:3個 – 86位T
- ボギー:3個 – 88位T
- フェアウェイキープ率:57.14%(8/14) – 51位T
- ドライビングディスタンス:294.2 yds – 96位
- パーオン率:61.11%(11/18) – 111位T
- Strokes Gained:T2G:-1.746 – 117位
- Strokes Gained:Putt:0.482 – 54位
- Strokes Gained:Total:-1.264 – 89位T
- 平均パット:1.818 – 95位T
ティーショットに関しては良いとまでは言えないまでも、これまでのスタッツを考えれば悪くはないのですが、アイアンの精度はイマイチでした。
ティーショットにラフに入れてもある程度グリーンを捉えることができるセッティングなのですが61.11%にとどまっていますし、4番では残り98ヤード、8番では82ヤードといった距離をバンカーやラフに入れていますので、アイアンがあまり良いとは言えない一日でした。
シルバラード自体は、昨シーズンのPGAツアー開催コースの難易度ランキングでは中位レベルで極端に難しくもなく、簡単でもないというセッティングで、昨年は1アンダーがカットラインとなっていますので、しっかりとスコアを伸ばしたいところです。
本来であれば、夜露で柔らかくなり気温も上がらずグリーンの状態も良く、風も強くない午前スタートの初日にスコアを伸ばしたいところでしたが、そうはできませんでした。
明日は午後1時40分という遅い時間のスタートで、午後は風も強くなる予報のためグリーンがさらに硬くなり、コンディションも荒れる可能性があるため、プレーの質を上げていかないとスコアを伸ばせなくなります。
特に午前組と午後組で平均スコアが異なり、明らかに午前スタートが有利な初日となりました。
明日は2アンダーは出したい状況なので、早い時間にホールアウトして、できた時間を有効に使って調整してくれることを期待しています。
ROUND2:第2ラウンドは連続ダブルボギーなど大荒れのゴルフで予選落ちに
第2ラウンドはキム・ウィー、D.H.リーとの組み合わせで、日本時間の10月17日午前5時40分(現地午後1時40分)に10番ホールからスタートしました。
第2ラウンドのホールバイホールとプレーの詳細は以下の表のとおりとなっています。
今日は2バーディ・2ダブルボギー・3ボギーの77と5つスコアを落とす大荒れのゴルフでトータル5オーバーの135位タイとなり、2015-16シーズン初戦は予選落ちとなってしまいました。
出だしの6ホールはティーショットも安定し、パーオンにも成功する安定したショットで、2ホール目の11番で4.4m、続く12番で2.7mのバーディパットを沈めて予選通過ラインの2アンダーに浮上しました。
しかし、16番パー5でティーショットが乱れ始めてから、全体的な流れが悪くなり始め、17番で6.4mのバーディチャンスから3パットでボギーとしたことで、一気に悪い方向に傾きます。
結局その16番からのフェアウェイキープ率は10.00%(1/10)という不安定なものとなるだけでなく、曲がり幅も大きくなり5番でのOB以外でも、そうなってもおかしくない同様のショットが増えていきました。
それもでハーフターンしてからの3ホールまでは粘っていたのですが、4番ボギー、5番と6番で連続ダブルボギー、7番でボギーと4ホールで一気に6つスコアを落としてしまいました。
この4ホールではティーショットがフェアウェイにいかず、ラフからのリカバリーも失敗し、さらにはグリーン上で1.8m、1.5mのパットを外すなどしてしまいました。
パーオンは12ホールで成功したのですが、その際の平均パットが2.000となっていますので、パターもバーディを奪えるような状態ではありませんでした。
ショットのトータルでは、フェアウェイキープ率は57.14%(8/14)から35.71%(5/14)に落ちて2日間トータルでは46.43%で103位T、この日もパーオン率は66.67%(12/18)にとどまり、2日間トータルでも63.89%で90位Tとなっています。
このようにショットとパットともにスコアを落とす原因となったため、ストロークスゲインド・ティー・トゥ・グリーン(ショットで稼いだ打数)は-2.593、ストロークスゲインド・パッティング(パッティングで稼いだ打数)は-2.055と酷い数字となってしまいました。
2日間のキースタッツは以下のとおりとなっています。
バーディ | 3個|2個|5個-112位T |
ボギー | 3個|3個|6個-95位T |
フェアウェイキープ率 | 57.14%(8/14)|35.71%(5/14)|46.43%(103位T) |
平均飛距離 | 294.2 yds|289.7 yds|291.9 yds(108位) |
パーオン率 | 61.11%(11/18)|66.67%(12/18)|63.89%(90位T) |
Strokes Gained:T2G | -1.740|-2.593|-4.333(111位) |
Strokes Gained:Putt | 0.483|-2.538|-2.055(111位T) |
Strokes Gained:Total | -1.257|-5.131|-6.388(135位T) |
パーオン時の平均パット | 1.818|2.000|1.913(134位) |
ティーショットやパッティングもあまり良くなかったのですが、アイアンの精度もイマイチで2.0m以内につけるようなバーディチャンスはありませんでしたし、サンドセーブ率は25.00%(1/4)、スクランブリングは50.00%(6/12)となるなど、ラフやバンカーからのアプローチも冴えが見られませんでした。
攻撃的なゴルフを志向するのは悪く無いことなのですが、ショットの精度が伴わなければ、スコアを落とすリスクの方が高くなるだけになってしまいますので、ティーショット、アイアンの精度を高めて欲しいところです。
攻撃的なゴルフを志向しながらバーディ数が5個で112位タイにとどどまり、ボギー数は6個で95位タイ、ダブルボギー数は2個で131位タイとなっていることからも、精度が良くないことの影響があることが伺えます。
日本のコースとは違いPGAツアーの開催コースの多くはラフに入れたら難しくなりますし、グリーンにのせたとしても良いところに止めることができなければショートパットでも難しくなるほどアンジュレーションがあります。
残念ながら、この開幕戦の内容は、PGAツアーで結果を残すには、全体的に不足な内容が目につくものとなってしまいました。
来週のシュライナーズホスピタル・フォー・チルドレンオープンの開催コースであるTPCサマーリンはセッティングがPGAツアーでも上位にくる簡単さのため、今回のショットの精度でも何とかなるかもしれませんが、それ以降のことを考えると精度の向上が必要となりそうです。
パッティング、スクランブリングなどに問題があったためバーディ数が減り、ボギー数が増えたという問題が昨シーズンのスタッツには出ていたのですが、残念ながらそれが改善される兆しは開幕戦では目にすることができませんでした。
参考:スタッツと成績で見る石川遼の2014-15シーズンのPGAツアー
来週以降も、今週と同様の攻め方、スタイルを継続していくのか、それともより現実的な路線に修正していくのか、などの決断にも、今後は注目していきたいと思います。
コメント
昨年の上位者のスタッツ見ても、フェアウェイキープ率が低いわりにパーオン率が高い設定ですね
おそらくフェアウェイが狭い割にセミラフ、ラフが浅めなのでしょうか?
こういったコースなら石川選手も予選は通過できるかとはおもいます
が、しかし、そういったコースは他の選手も伸ばしてくるでしょう
突き抜けるためには他の記事のコメントに書いたように無理攻めをせずクレバーに攻めることでしょうか。
とにかくハザードに入れないことを祈るばかりです
おはようございます。
改めまして、今シーズンもよろしくお願い致します。
GN放送終了時で3選手ともイーブンですが、松山・岩田選手はまだ伸ばせる状態ですが、石川選手はホールアウトしていますので、明日の巻き返しが必要となっています。
まぁ、初日100位以上でスタートし、ウィンダムチャンピオンシップみたいに31位Tでシード権を確定できたということもありますので、楽観して明日を楽しみにしています(苦笑)。
今シーズンはgolfさんが忙しいので、今後、3人が出場する試合には最終日だけにコメントします。
明日にならないことを祈って。
lavさん、コメントありがとうございます。
このコースはラフなどのセッティングは簡単ではないものの、厳し過ぎはしないという感じですが、グリーン周りで外すと難しくなるのかなという気がします。
ショットとパットの全体的なバランスがとれずにスコアがまとまりきらないことが多いので、そのあたりも課題になるかなとは思います。
tokiさん、おはようございます。そしてお気遣いありがとうございます。
さすがに日本と同じようなゴルフはせずに、PGAツアー向きに変えていた印象でしたが、アイアンの調子がイマイチで、グリーン上でもカバーしれきていない印象でした。
午後スタートで、どちらかと言えばタフな環境でのプレーになりそうではありますが、しっかりとスコアを伸ばしてもらいたいです。最低でも2アンダーは出してもらいたいです。
golfさん、第1ラウンドの解析ありがとうございました。TVの録画をざっと見ただけですが、アイアンの縦の距離感があっていない印象を受けます。なんかまた余計な工夫(クラブ?スイング?)をしたのでないかと気になります。明日もよろしくお願い致します。
Ayakoさん、コメントありがとうございます。
2週間前くらいから変えているようですね。その影響があるのかもしれません。
新シーズン序盤だからということで、いろいろ追求したいのかもしれませんが、それが今週の結果にどのような影響が出るのか気になりますね。まずは明日しっかりとスコアを伸ばしてもらいたいです。
こんにちは。
お疲れさまでした。
危惧通りの結果になってしまいました。
日本での1ヶ月は何だったんでしょうね。
今シーズンもハラハラする展開になる予感がします(苦笑)。
岩田選手も苦いスタートとなってしまい残念でした。
このコメントに対する返信はご無用です。
石川も予選落ちしてしまったので、コメントいたします。最終日までとっておきたかったのに残念です。
今日はスタート4,5ホールだけGNで見ていたのですが、出だしは上々でまさかこんな結果になるとは想像してませんでした。
石川は岩田と違いこの初戦に照準を絞ってきたはずで、本人も調子が良いとインタビューで答えながら、それでこの結果は正直不安だけが残りました。
日本での調整が疑問視され、それもPGAの結果で判断するしかないと思ってましたが、初戦を見る限り成果は感じられず、むしろ悪くなっているような印象です。アイアンやドライバーの重さは結局どうしたのでしょうか。
まだ初戦とも言えますが、それにしても悪過ぎませんか。今は次戦に期待するしかありません。
先ほどのコメントで石川の調子がいいと言っていたのはGNの解説(佐藤信人プロかな?)でした。訂正いたします。
マークさん、コメントありがとうございます。
日本のコースだと精度が悪くてもスコアをまとめることができてしまいますが、PGAツアーはコースも非常に洗練されていますし、セッティングもフェアになるように良く考えられています。なので、一定水準以上の精度で攻める選手には報酬が多くなり、一定水準以下の精度しかない選手や攻めることができない選手にはリスクがつきまというようになっているように感じます。
残念ながら日本での成績がPGAツアーの参考にならないことは、これまでの日本人プレーヤーの実績からも明らかだったのですが、それが再度、確認される形になったのは残念です。
予選落ちすると「日本ツアーのレベルはどうなっているんだ?」と思われても仕方ないので、頑張って欲しかったのですが、残念な結果でした。
個人的には日本ツアーでのコースの攻め方をしたらPGAツアーではリスクが高いだけになってしまうので、もう少し攻守のバランスをとってもらいたいなと思います。
スタッツ的にはあまり良いところが見つからなかった2日間となりましたが、来週に立てなおしてくれることを期待しています。