PGAツアーは2014-15シーズンは、10月9日のフライズドットコムオープンか開幕することになります。
また同時期には、日本国内男子ツアー(JGTO)は、日本オープンなど12月まで、毎週のように賞金額の大きい大会が続き、賞金王争いも佳境に入っていきます。
このようにPGAツアーと日本国内ツアーが日程に敵に重なることが多いのが、10月から11月にかけての期間となります。
そこで問題となるのが海外を主戦場とするメンバーの日程調整です。長期シード権をもつ選手に、年間5試合の出場義務が設定され、昨年のゴルフワールドカップに出場し、2年シードを獲得した石川遼もその試合数を国内で出場する必要があります。
その石川遼の2014年9月以降の日米ツアーでの出場予定を、メディアの情報を元に、このページではまとめています。
石川遼の出場予定とPGAツアーとJGTOの日程は?
2014年10月から2015年1月までのPGAツアーと日本国内ツアーの日程と石川遼の出場予定は以下の表のとおりとなっています。
2014年9月16日時点で出場が確実なのは、日本ツアーではANAオープン、ダイヤモンドカップの2連戦。そしてPGAツアーではフライズドットコムオープンとシュライナーズ・ホスピタルズ・フォー・チルドレンオープンの2連戦です。
- 09.18-09.21:ANAオープンゴルフトーナメント(JGTO)
- 09.25-09.28:ダイヤモンドカップゴルフ(JGTO)
- 10.09-10.12:フライズ・ドットコム・オープン(PGA)
- 10.16-10.19:シュライナーズ・ホスピタルズ・オープン(PGA)
これ以後の石川遼のスケジュールは、様々な要素に左右されるため、予想しにくいものがあります。
ここからは、報道や公式に発表された内容ではなく、今後の日米両ツアーの日程などをもとに、様々な状況を加味して、石川遼の出場スケジュールを予想していきます。
PGAツアー開幕2戦までの結果が2014年内の石川遼のスケジュールにも影響を与える可能性も
では、どのような要素が、石川遼のスケジュールに影響をあたえるのでしょうか?その要素には以下のようなものが考えられます。
- ダイヤモンドカップ出場で5試合の国内ツアー出場義務は完了
- フライズ・ドットコムとシュライナーズでポイントをしっかりと獲得できるかどうか
- CIMBクラシックとWGC-HSBCチャンピオンズで出場権が得られるか定かではない
石川遼はつるやオープン、中日クラウンズ、セガサミーカップとすでに3試合の国内ツアーに出場しています。そのため、ANAオープンとダイヤモンドカップに出場すれば、義務付けられた国内競技5試合出場を果たすことができます。
そのため状況次第では、11月13日から開催されるOHLクラシックまでPGAツアーに集中し、強行ではありますが11月20日からのダンロップフェニックストーナメントに戻ってくるというルートも選択できることになります。
これは2番目の「フライズ・ドットコムとシュライナーズでポイントをしっかりと獲得できるかどうか」と関係してきます。
石川遼が2013-14シーズンの前半でPGAツアーのシード権を確保できたのは、2013年内のトーナメントでポイントを大きく稼いだことが大きな要因の1つでした。
石川遼はフェデックスカッププレーオフに入るまでに681ポイントを獲得して、PGAツアーの2014-15シーズンのシード権を獲得したのですが、そのうちの293ポイントをフライズ・ドットコムとシュライナーズの2つで獲得しました。
もし、2014年のこの2つのトーナメントで思ったようにポイントを獲得できなかった場合には、PGAツアーでもう少し出場を増やす必要に迫られる可能性があります。
そこに絡んでくるのが、3番目の「CIMBクラシックとWGC-HSBCチャンピオンズで出場権が得られるか定かではない」ということです。
この2つは出場資格が厳しいトーナメントで、9月16日時点で、石川遼は両方のトーナメントの出場権を有していません。
CIMBクラシックは2013-14シーズンの最終フェデックスカップランキングの上位60名が出場できます。石川遼は最終的には72位だったので、上位選手が出場しない場合に、枠がまわってくることになります。(追記:9月19日にCIMBクラシックの出場が決定しました。)
前年の実績では88位の選手に出場枠が与えられていますので、石川遼にも枠が回ってくる可能性が高い状況ではあります。(参考:CIMBクラシックの出場資格)
続いて、WGC-HSBCチャンピオンズの出場資格を獲得する方法としては、「日本オープン終了後(10月20日)の国内ツアー賞金ランキングで1位」というものがあります。(参考:WGC-HSBCチャンピオンズの出場資格)
そのためには出場予定のANAオープンとダイヤモンドカップの2試合で賞金ランキングトップに立つ必要がありますが、9月16日時点で石川遼は5位(4521万8000円)で、首位の小田孔明とは約2413万円の差があります。
石川遼がPGAツアーに出場することで、日程が重なるTOSHIN GOLF TOURNAMENT IN Centralと日本オープンゴルフ選手権には出場しないため、ANAオープンとダイヤモンドカップの2試合で首位に立ち、なおかつ、2位以下を引き離す必要があります。
それを成し遂げるためには優勝賞金2200万円のANAオープンと3000万円のダイヤモンドカップのどちらかで優勝し、かつもう一方で単独2位か3位になるくらいの結果が必要となりそうです。
不可能な結果ではありませんが、小田孔明が上位でフィニッシュすれば、石川遼は首位に立てないため、WGC-HSBCチャンピオンズの出場は、現時点では微妙な情勢です。
では、石川遼の年内のスケジュールはどうなるのか?
このような状況のため、もしPGAツアーの開幕2戦で思ったような成績が残せない場合には、出場権が不確実なマレーシア開催のCIMBクラシックと中国開催のWGC-HSBCチャンピオンズというアジアシリーズの路線を捨てる。
そして、マックグラッドリークラシック(10.23-10.26)、サンダーソン・ファームズ選手権(11.06-11.09)、OHLクラシック(11.13-11.16)のアメリカ本土のPGAツアー出場へとかじを切る可能性も否定できません。
ただ、CIMBクラシックの出場が決まったことで、余程のことがない限りは、年内にアメリカ本土に戻る可能性は限りなく低くなりました。
PGAツアーのシード権を確保することは容易なことではありません。年が明けると多くのトッププレーヤーが参戦するため、フェデックスカップポイントを稼ぐことの難易度は高くなっていきます。
そのため石川遼にとって、2014年内にフェデックスカップポイントを少しでも多く獲得しておくことは、非常に重要です。
そして来季の四大メジャーへの出場権をもっていませんので、世界ランキングをあげて、1つでも多くの出場権を確保することも重要です。(参考記事:石川遼が2014年の残り4ヶ月でメジャーの出場権を獲得するには?2015年に向けてクリアしておきたいこと)
世界ランキングのポイントを稼ぐ上では、日本ツアーで多くプレーしたほうが良いかもしれません。
石川遼はセガサミーカップ2014の優勝で世界ランキングのポイントを18ポイント獲得しました。
これは石川遼がPGAツアーのファーマーズインシュランスでの7位タイ(8.49ポイント)とアーノルドパーマー招待での8位タイ(8.68ポイント)というPGAツアーのトップ10で獲得したポイントの倍以上の数字です。
そのため、理想のパターンを言えば、昨年同様にフライズドットコムとシュライナーズで優勝するか、上位に入るなどして、まずはフェデックスカップポイントをしっかりと稼ぐ。
そして出場権を得られる可能性が高いCIMBクラシックに出場して、その後は日本ツアーで世界ランキングのポイントをしっかりと積み重ねる。となるのでないかと考えられます。
そして、仮に最初のPGAツアー2戦でつまずいた場合には、できるだけPGAツアーに多く参戦できるスケジュールに変更して、来季のシード権のためにフェデックスカップポイントを獲得に集中することも必要かもしれません。
だだ、どのケースになったとしても、PGAツアーは11月16日で年内のスケジュールが終わって中断期間に入るため、遅くともその時期には、石川遼は日本国内ツアーに戻ってくることが濃厚です。
そのため少なくとも、すでに出場を表明しているダンロップフェニックストーナメント(11.20-11.23)、自身の所属しているカシオ主催のカシオワールドオープン(11.27-11.30)、ゴルフ日本シリーズJTカップ(12.04-12.07)あたりには、出場することが予想されます。
またPGAツアーでうまくことが運べば三井住友VISA太平洋マスターズ(11.13-11.16)あたりも出場候補となりそうです。
そして2015年の年明けの始動は、今シーズン同様にソニーオープン・イン・ハワイからとなるのではないかと予想されます。
石川遼は、PGAツアーでの複数年シード権を持っていませんので、毎年、結果を残し続けてフェデックスカップランキングで125位以内に入ることが必要な立場です。そして四大メジャーに出場するためには、世界ランキングもあげる必要があります。
この両方をにらみながら、柔軟な対応が必要となるため、石川遼の今後のスケジュールは非常に予想しづらいものがありますが、2014年内の1試合の結果はとても重みがあるものとなることだけは間違いなさそうです。