石川遼がPGAツアーにフル参戦したのは2013年シーズンからとなります。
その後、PGAツアーは年をまたいだスケジュールに移行したのですが、現在の2016-17シーズンはフル参戦5シーズン目となります。
日本ツアーを主戦場としていた時代やメジャーの出場も含めると、通算で143試合に出場していることになるのですが、今季はPGAツアーにおけるキャリアワーストのシーズンとなる可能性が高まっています。
目次
石川遼の2016-17シーズンの成績は本格参戦後ワーストに近いものに
1. フルシーズンの予選通過率がキャリアワーストになることが濃厚
石川遼のシーズン別の予選通過率、トップ10とトップ25の割合は以下のとおりとなっています。トップ10フィニッシュは、同時にトップ25フィニッシュとしてもカウントされています。
Season | トップ10 | トップ25 | 予選通過率 |
---|---|---|---|
2016-17 | 5.56% | 11.11% | 38.89% |
2015-16 | 0.00% | 0.00% | 50.00% |
2014-15 | 7.14% | 17.86% | 60.71% |
2013-14 | 12.50% | 37.50% | 58.33% |
2013 | 4.35% | 4.35% | 56.52% |
2015-16シーズンは5試合に出場した後、離脱して復帰していません。フルシーズンとは言い難いため、除外して見ていきます。
トップ10とトップ25の割合では2013年シーズンがワーストとなっています。ただ、この2シーズンに大きな違いはありません。
2016-17シーズンは10位タイが1回、20位タイが1回となっていますが、それ以外は37位タイ、50位タイ、69位タイ、72位タイという成績になっています。
2013年は10位タイが1回のみです。しかし、26位タイ、29位タイ、33位タイ、38位タイというフィニッシュがありますので、総合的に比較すれば、両シーズンともに大差はありません。
しかし、予選通過率となると大きな違いがあり、2013年は56.52%(13/23)ですが、今季は38.89% (7/18)となっています。仮に公傷制度の残り2試合ともに予選通過した場合でも45.00%にしかなりません。。
RBCカナディアンオープンで優勝し、WGC-ブリヂストン・インビテーショナル、全米プロゴルフ選手権に出場、プレーオフシリーズに進出ということがない限り、フルシーズンの予選通過率はワーストとなることが濃厚です。
2. フェデックスカップ(FedExCup)ランキングがキャリアワーストになる可能性
現在、PGAツアーのシード権は、賞金ランキングは対象外で、フェデックスカップ(FedExCup)ポイントの上位125名に与えられることになっています。
石川遼のフェデックスカップ(FedExCup)ポイントの年間ランキングは以下のとおりとなっています。
Season | Fedex Rank |
---|---|
2016-17 | 171位 |
2015-16 | 213位 |
2014-15 | 124位 |
2013-14 | 75位 |
2013 | 141位 |
2015-16シーズンは5試合しか出場していません。そのためこれまでの年間ランキングのワーストはフル参戦1年目の141位でした。
しかし、今季は171位に沈んでいます。現在141位の選手はクリス・ストラウドで248ポイントです。石川遼の獲得ポイントは137ポイントにとどまるため、そのポイント差は111ポイントとなっています。
この111ポイントを1試合で獲得するためには、500ポイント設定のトーナメントでは単独5位(110ポイント)、300ポイント設定のトーナメントでは単独3位(105ポイント)以上が必要になります。
2試合で111ポイントを獲得するには、ともに予選通過し500ポイント設定では単独15位、300ポイント設定では単独7位が必要となります。
しかも、このラインは、レギュラーシーズンが終了する段階では、さらに上昇することになります。
そもそも今季の出場18試合で137ポイントの獲得にとどまりますので、2試合で120ポイント以上獲得するのは簡単ではありません。フェデックスカップ(FedExCup)ランキングのキャリアワーストを更新する可能性が高まっている現状です。
3. 連続予選落ちの回数がキャリアワーストに
シーズン別の連続予選落ちの回数は以下のとおりとなっています。
Season | Fedex Rank |
---|---|
2013 | 3戦連続が回、2戦連続が2回 |
2013-14 | 3戦連続が2回 |
2014-15 | 4戦連続が1回、3連続が1回 |
これまでの石川遼の最長の連続予選落ちは2015年シーズンの4連続でした。しかし、今季は5戦連続が1回、3戦連続が1回、2戦連続が1回を記録しています。
今季の石川遼の出場試合の成績は以下の表のとおりとなっています。
Tournaments | Finish |
---|---|
CIMBクラシック | 10T |
シュライナーズホスピタルオープン | CUT |
OHLクラシック | 50T |
キャリアビルダチャレンジ | T50 |
ファーマーズインシュランスオープン | T20 |
ウェイストマネジメント・フェニックスOP | CUT |
ジェネシスオープン | CUT |
ザ・ホンダクラシック | T37 |
バルスパーチャンピオンシップ | T69 |
プエルトリコオープン | CUT |
シェル・ヒューストン・オープン | CUT |
RBCヘリテージ | CUT |
バレロテキサスオープン | 72T |
ウェルズ・ファーゴチャンピオンシップ | CUT |
AT&Tバイロン・ネルソン | CUT |
メモリアル・トーナメント | CUT |
ジョンディアクラシック | CUT |
バーバソルチャンピオンシップ | CUT |
日本のメディアはこのことに触れていませんが、すでに連続予選落ちのキャリアワーストを更新しています。
最近の10試合で見ると予選落ちが8回、予選通過した2試合はともに最下位に近い順位でのフィニッシュに終わっています。
今年の初めはフェースローテーションを抑えるスイングに変えた結果、持ち球がドローからフェードに変わるほどの改造を行い、精度を重視する方針を打ち出しました。
その後シーズン中盤に差し掛かると、再び「振り切る」「置きにいかない」「飛距離を武器にする」といったキーワードの方針に変わりました。そして全米オープン予選会で予選落ちした後の休養明けには、シャフトを45インチから43.5インチに短くしています。
残念ながらいずれの試行錯誤も、結果にはつながっているとは言い難いものがあります。入れ替え戦に向けて、残り2試合で光明を見出すことができるのか、内容と結果の両面で注目されます。