通常、PGAツアートーナメントでは予選ラウンドと決勝ラウンドにわかれていて、予選ラウンド終了後にカットラインを下回った選手は決勝ラウンドに進むことができません。
その予選カットラインには基本的なルールがあり、そこにトーナメントによって異なるルールが採用されるケースがあります。
そこで今回はPGAツアーにおける予選カットライン・決勝ラウンドでのMDFなどのルールについてまとめておきたいと思います。
目次
PGAツアーのトーナメントの予選カットルールとMDFについて
このページでは以下のような内容をまとめています。
- 1. 一般的なトーナメントの予選カットのルール
- 2. MDFとは?
- 3. 予選カットがないトーナメント
- 4. マスターズの予選カットルール
- 5. 全米オープンの予選カットルール
- 6. 全英オープンの予選カットルール
- 7. 全米プロゴルフ選手権の予選カットルール
1. 一般的なトーナメントの予選カットのルール
一般的なトーナメントでは「36ホール終了後に70位タイまでの選手が決勝ラウンドに進出する」ことができます。ただし、ヒューマナ・チャレンジというトーナメントではプロ・アマ形式ということもあり、54ホール終了後に予選カットが行われます。
なお、上位70位以内にアマチュアの選手が含まれた場合は、その選手を除いた順位によってカットが行われることになります。
また、公式記録では予選通過としてカウントされるものの、MDFというものがあり、54ホール終了後に再びカットが行われるケースがあります。このMDFについては後述します。
2. MDFとは?
MDFとは”Made cut(予選通過)/Did not Finish(最後までプレーできなかった)”の略です。
このMDFは、第2ラウンド(36ホール)を消化した結果、79名以上が決勝ラウンドに進出した場合に実施され、第3ラウンド終了後(54ホール)に70位タイまで再びカットを行うことになります。
ただし、79名以上が予選通過した場合でも、アマチュアを除いだプロの予選通過人数が78名以下だった場合にはMDFが行われません。
第3ラウンド終了時点で、このMDFに引っかかってしまった場合には、公式記録上は予選通過扱いとなり賞金とポイントは獲得できるものの、最終ラウンドはプレーできなくなります。
テレビの中継時間などの関係で導入された制度で、最終ラウンドのプレーはできないものの、公式記録上では「予選通過」の扱いとなり、賞金やフェデックスカップポイントは獲得できます。
3. 予選カットがないトーナメント
予選カットが存在しないトーナメントというものもあります。2014-15シーズンでは以下のようなトーナメントがこれに該当します。
- 世界ゴルフ選手権シリーズ(キャデラック選手権・キャデラックマッチプレー・ブリヂストン招待・HSBCチャンピオンズ)
- ヒュンダイトーナメント・オブ・チャンピオンズ
- CIMBクラシック
これらのトーナメントは出場資格が厳しく、通常のシード権を持つだけでは出場することができません。
その一方で、フルフィールドの人数が少なく、予選カットというものが存在しないため、確実に賞金とポイントを獲得できる試合となっています。
4. マスターズの予選カットのルール
マスターズでは「第2ラウンド終了後(36ホール)に50位タイ、もしくは首位と10ストローク以内のプレーヤーが決勝ラウンド(36ホール)に進出」することができます。
つまり50位タイ以内になれば確実に決勝ラウンドに進出でき、仮に51位以下であっても首位と10打差以内であれば決勝ラウンドに進むことができることになります。
5. 全米オープンの予選カットのルール
全米オープンでは「第2ラウンド終了後(36ホール)に60位タイ以内の選手が、決勝ラウンド(36ホール)に進出」することができます。
このルールは2012年からのもので、それ以前はマスターズと同様に首位と10ストローク以内のプレーヤーも決勝ラウンドに進めるという項目がありましたが、現在は廃止されています。
6. 全英オープンの予選カットのルール
全英オープンでは1986年からは「第2ラウンド(36ホール)終了後に70位タイまでの選手が、残り決勝ラウンド(36ホール)に進出」することができます。
現在は、予選カットが1回だけ行われていますが、1968年から1985年までは第2ラウンド終了後(36ホール)で80位タイまでで1回カットが行われ、さらに第3ラウンド終了後(54ホール)に、さらに60位タイまで2回目のカットを行うシステムを採用していました。
その後は、先に述べた「36ホール終了後の70位タイまで」というルールが維持されています。
7. 全米プロゴルフ選手権の予選カットルール
全米プロゴルフ選手権では1965年からは「第2ラウンド(36ホール)終了後に70位タイまでの選手が、残り決勝ラウンド(36ホール)に進出する」ことができます。
それ以前にはマッチプレー形式で行われたいた時期や1960年代には全英オープン同様の2回カットが採用された時期もありましたが、現在は「36ホール終了後の70位タイまで」というルールが維持されています。