PGAツアーのトーナメントには様々な出場資格があるのですが、それぞれの資格に優先順位が設定されていて、その上位の条件を満たす選手からフィールドが埋まっていくことになります。
このような優先順位のことをプライオリティランキングシステム(priority ranking system)と呼びます。通常のトーアナメントではこのランキングに従ってフルフィールドにしていくことになります。ただし、下記のトーナメントはこのランキングに縛られること無く自由に出場資格を設定することができます。
- 四大メジャー(マスタース・全米オープン・全英オープン・全米プロ)
- プレーヤーズチャンピオンシップ
- 世界ゴルフ選手権シリーズ(キャデラック選手権・キャデラックマッチプレー・ブリヂストン招待・HSBCチャンピオンズ)
- インビテーショナル(アーノルドパーマー招待・RBCヘリテージ・クラウンプラザ招待・メモリアルトーナメント・クイッケンローンズナショナル)
- ヒュンダイトーナメント・オブ・チャンピオンズ
- CIMBクラシック
そのプライオリティランキングシステムにおける出場資格とその優先順位についてこのページではまとめています。なお、この内容はPGAツアーの2015-16シーズンにおけるものです。
初回投稿日:2015年4月22日
最終更新日:2017年8月21日
プライオリティランキングシステムにおける出場資格とその優先順位の一覧
PGAツアーの2014-15シーズンのプライオリティランキングシステムにおける出場資格とその優先順位は以下のとおりとなっています。
- 全米プロゴルフ選手権と全米オープンの1970年より前の優勝者、もしくは今シーズンと直近5シーズンの優勝者
- ザ・プレーヤーズチャンピオンシップの今シーズンと直近5シーズンの優勝者
- マスターズの今シーズンと直近5シーズンの優勝者
- 全英オープンの今シーズンと直近5シーズンの優勝者
- ツアーチャンピオンシップの今シーズンと直近3シーズンの優勝者
- 世界ゴルフ選手権の今シーズンと直近3シーズンの優勝者
- メモリアル・トーナメントとアーノルドパーマー招待の今シーズンと直近3シーズンの優勝者(2015年から対象)
- 直近5シーズンのフェデックスカップ・ポイントランキングで1位の選手(フェデックスカップ年間王者)
- 直近5シーズンのPGAツアー賞金ランキングで1位の選手
- PGAツアーが承認もしくは共催するトーナメントの直近2シーズンと今シーズンの優勝者
→複数回優勝した場合には1勝ごとに1シーズン分追加され、最大5シーズンまで。 - 生涯獲得賞金による1回のみ行使できるシード権を行使した選手
(A) 生涯獲得賞金が前シーズン終了時点でトップ50にランクされている選手で次シーズンのシード権を1回のみ行使できる。
(B) 生涯獲得賞金が前シーズン終了時点でトップ25にランクされている選手で次シーズンの特別シード権を1回のみ行使できる。 - スポンサー推薦(最大で8名)
(A) 少なくとも2名はシードを持たないPGAツアーメンバー
(B) 少なくとも2名はウェブドットコムツアー(下部ツアー)の前年の優勝者 - コミッショナーによって指名されたインターナショナルプレーヤー2名
- 現PGAクラブプロチャンピオンシップの優勝者
- PGAセクションチャンピオンシップの王者もしくは、そのトーナメントが開催されたセクションのプレーヤー・オブ・ザ・イヤー
- トーナメント開催週の月曜日に行われるオープンクオリファイングでのトップ4となったプレーヤー
- 特定のトーナメントの過去の優勝者-ただしPGAツアーと過去の優勝時と同じスポンサーによって共催される場合に限定
(A) 1970年7月28日より前の優勝者:無制限の出場権
(B) 1970年7月28日から2000年1月1日までの優勝者:10シーズンの出場権
(C) 2000年1月1日より後の優勝者:5シーズンの出場権 - ライフメンバー(15年間以上のPGAツアーメンバーで20勝以上)
- 前シーズンのフェデックスカップポイントランキングのトップ125
- 前シーズンのウィンダムチャンピオンシップ終了時の賞金ランキングでトップ125 *2017-18シーズンから対象外
- PGAツアーのノンメンバーで前シーズンのウィンダムチャンピオンシップ終了時の獲得したフェデックスカップポイントが125位相当以上、もしくは賞金ランキングで125位以上 *2017-18シーズンから賞金ランクは対象外
- コミッショナーにより承認されたメジャーメディカルエクステンション(公傷制度)の認定を受けた選手
- ウェブドットコムツアーと入れ替え戦によるシード権獲得プレーヤー
(A)前シーズンのウェブドットコムツアーのレギュラーシーズンとファイナル(入れ替え戦)の賞金を合算した賞金ランキング1位
(B)前シーズンのウェブドットコムツアーのファイナル(入れ替え戦)の賞金ランキング1位
(C)前シーズンのウェブドットコムツアーで3勝したプレーヤー - ウェブドットコムツアーのメディカルエクステンション(公傷制度)が認定された選手の中で獲得賞金トップのプレーヤー
- 前週のトーナメントで10位タイ以上でフィニッシュしたプレーヤー
- ウェブドットコムツアーの上位選手
・前シーズンのウェブドットコムツアーのレギュラーシーズンとファイナルを合算した賞金ランキングで2位から25位
・前シーズンのウェブドットコムツアーフィナルズ(入れ替え戦)の賞金ランキング上位25位タイ - ウェブドットコムツアーのメディカルエクステンション(公傷制度)が認定された選手でトップフィニッシュした選手
- 今シーズンのウェブドットコムツアーで3勝したプレーヤー
- マイナーメディカルエクステンション(マイナー公傷制度)が認定された選手
- 前シーズンのフェデックスカップランキングで126位から150位
- メジャーメディカル・ファミリークライシスが認定された選手
- 33-37の優先順位入れ替え後のカテゴリー:
優先順位は2014-15シーズンにおいては、OHLクラシック、ノーザントラスト、マスターズの月曜日、プレーヤーズ選手権、全米オープン、全英オープン終了後に優先順位が組み替えられます。 - フェデックスカップポイントランキングで150位以下の歴代のトーナメント優勝者、チームトーナメントの勝者、ベテランメンバー:前シーズンのPGAツアーとウェブドットコムツアーの獲得賞金の総額でランキング
- 過去のトーナメント優勝者:優勝回数でランキング
- スペシャルテンポラリーメンバー:PGAツアーのノンメンバーで、前シーズンのフェデックスカップの150位相当以上のポイントを獲得した選手に、特別に与えられる資格。
- チームトーナメントの勝者
- 150回以上の予選通過を記録したベテランメンバー:生涯獲得賞金でランキング
2016-17シーズンにおいては、松山英樹は「6.世界ゴルフ選手権の今シーズンと直近3シーズンの優勝者」の資格を有しています。
松山英樹はメモリアルで優勝しているのですが、「7.メモリアル・トーナメントとアーノルドパーマー招待の今シーズンと直近3シーズンの優勝者」は2015年の優勝者から対象となりますので、ここの資格には該当しません。
石川遼は2015-16シーズンではシード権を獲得できませんでしたが、公傷制度による救済を受けて20試合に限定されますが2016-17シーズンに「22.コミッショナーにより承認されたメジャーメディカルエクステンション(公傷制度)の認定を受けた選手」という項目で、出場資格を有しています。
岩田寛は「30. 前シーズンのフェデックスカップランキングで126位から150位」で出場していました。
丸山茂樹と今田竜二は、過去のトーナメント優勝による「33」のカテゴリーで出場資格があるものの、優先順位が低いため、フィールドが薄くなるトーナメントやメジャーとWGCの裏開催のトーナメントにしか出場できないという状況です。
トム・ワトソン、ビジェイ・シン、デービス・ラブ3世などはライフメンバー(15年間以上のPGAツアーメンバーで20勝以上)の資格を有するため、フェデックスカップランキングで125位以上の選手よりも上位の優先出場権があります。