石川遼は2015-16シーズンに5試合出場した後に故障で離脱し、シード権獲得ラインの125位以内に入ることができませんでした。しかし、2016-17シーズンは公傷制度の適用を受けて20試合に出場できることになりました。
しかし、その20試合での結果は予選落ちが12回と苦戦した結果、フェデックスカップ(FedExCup)ランクでは175位に沈みPGAツアーのステータスを失いました。
そのため再びPGAツアーカードを獲得するために、下部ツアーであるウェブドットコムツアーとの入れ替え戦となるウェブドットコムツアー・ファイナルズに参戦することとなりました。
入れ替え戦4戦で結果を残せない場合には、PGAツアーから撤退することになりますので、結果が求められる状況となっています。来季の出場資格の獲得や入れ替え戦の概要については「ウェブドットコムツアー・ファイナルズ(入れ替え戦)2017の概要」を参照ください。
その入れ替え戦の第1戦となるネイションワイド・チルドレンズホスピタル選手権2017の石川遼の速報です。
目次
石川遼の全ラウンドのプレーの速報と結果
石川遼のネイションワイド・チルドレンズホスピタル・チャンピオンシップ2017のラウンド別のプレー詳細やキースタッツなどは以下のボタンのリンク先にまとめています。
第1ラウンドのプレー詳細速報:25位T |
第2ラウンドのプレー詳細速報:17位T |
第3ラウンドのプレー詳細速報:14位T |
第4ラウンドのプレー詳細速報:50位T |
ROUND1:首位と5打差の25位タイ発進
第1ラウンドの石川遼はオーガスタ・ヌニョス、ジョシュ・ティーターとの組み合わせで現地の午前7時30分、日本時間の8月31日午後8時30分に1番ホールからスタートしました。
第1ラウンドの石川遼のホールバイホールは以下の表のとおりとなっています。なお、ショットリンクが動いていないため、情報が限定されていることをご了承ください。
今日は4バーディ、3ボギーの70でプレーし、首位と5打差の1アンダーで25位タイでのスタートとなっています。
一時は3アンダーまで伸ばしたのですが、11番ホール以降はパーオンはすれどバーディを奪うことができず、逆にボギーを2つ叩いてしまい、1アンダーでプレーを終えることになりました。
課題のティショットは、フェアウェイキープ率が57.14% (8/14)と良いとは言えない数字で、130名中81位と平均以下の数字となっています。
ドライビングディスタンスは301.5ヤードで63位タイと、平均よりは良いものの、大きくアドバンテージになる数字にはなっていません。
それでもリカバリーで上手く凌いだようで、パーオン率は83.33% (15/18)と高い数字で、フィールドの4位タイと上位につけています。それでもボギーが3つ出ているのは、3パットが5番パー3と14番パー4の2ホールであったためです。
バーディ数は4個で12位タイと悪くないのですが、このボギーが響いて25位タイでのスタートとなっています。
PGAツアーであれば悪くないスタートといえるのですが、入れ替え戦ではそうとは言えません。
入れ替え戦ではトップ5もしくはトップ10フィニッシュを1回できれば、来季の出場資格に大きく近づくことになり、残り3戦への負荷を減らすことができます。
午前の1番早い時間帯でのスタートでありながら、グリーンで苦しんだのは、明日の午後スタートに向けて不安材料ではあります。ただ、今日のようにパーオンで来ていれば、まずは予選通過できると考えられますので、ショットの状態をキープすることが最優先課題となりそうです。
すでに来季の出場資格を獲得した選手を除いた賞金ランキング25位タイに入る必要がある石川遼です。
まずはしっかりと予選通過して、その上で上位を目指すことが重要になりそうです。
第2ラウンドもオーガスタ・ヌニョス、ジョシュ・ティーターとの組み合わせで現地の午後12時30分、日本時間では9月2日午前1時30分に10番ホールからスタート予定となっています。
ROUND2:ダブルボギー先行もスコアを一つ伸ばし決勝ラウンドへ
第2ラウンドの石川遼のホールバイホールは以下の表のとおりとなっています。なお、ショットリンクが動いていないため情報は限定されています。
今日はダブルボギーが先行したものの、3つのバーディを奪い返して通算2アンダーとし、ホールアウト時点で17位タイとなり、決勝ラウンドに進出しています。
ダブルボギーはパーオンしていたのですが、そこからまさかの4パットをやってしまったものでした。しかし、その後はボギーを叩くことなく3つのバーディを奪っています。
2日間のスタッツは以下のとおりとなっています。
ROUND 1 | ROUND 2 | TOTAL | RANK | |
---|---|---|---|---|
バーディ | 4 | 3 | 7 | T14 |
ボギー | 3 | 0 | 3 | T7 |
ダブルボギー | 0 | 1 | 1 | T55 |
フェアウェイキープ率 | 57.14% | 28.57% | 42.86% | T69 |
ドライビングディスタンス | 301.5 | 312 | 306.8 | T26 |
パーオン率 | 83.33% | 66.67% | 75.00% | T10 |
パーオン時の平均パット | 1.867 | 1.917 | 1.889 | T59 |
フェアウェイキープ率は28.57% (4/14)と非常に低い数字で、PGAツアーのコースであれば大叩きしていてもおかしくないものとなっています。
入れ替え戦で、そこまでタフなセッティングではないことと、比較的アイアンが良いこともあり、パーオン率は66.67% (12/18)まで戻しています。
昨日は3パットが2回あったのですが、今日も4パットがあるなど完全にグリーンを攻略しているわけではありません。そのためパーオン時の平均パットは第1ラウンドが1.867、第2ラウンドは1.917と特別に良い数字ではありません。
ただ、パーオン率は2日間で75.00% (27/36)で13位タイとグリーンを捉え続けることができていて、さらに外した場合でもスクランブリング(パーオンできなかったホールで、パーもしくはバーディであがれた割合)が88.89%(8/9)とグリーン周りも安定しているため、上位で決勝ラウンドに進出できています。
ティショットが安定していないことは不安材料で42.86% (12/28)で69位タイと低迷しています。あまり良い状態ではないのですが、スコアを伸ばせていますので、このチャンスを活かして来季の出場権獲得に近づきたいところです。
トップ5に入れば来季の出場資格がほぼ確実で、トップ10でもかなりその位置に近づくことができます。入れ替え戦では内容もさることながら、結果を残すことが非常に重要となりますので、決勝ラウンドでこのチャンスを活かしたいところです。
ROUND3:4バーディ、2ボギーで2ストローク伸ばし最終日へ
第3ラウンドの石川遼のホールバイホールとプレーの詳細は以下の表のとおりとなっています。
4バーディ、2ボギーで2ストローク伸ばして通算4アンダーとしてプレーを終えています。
今日は出だしの1番パー4でバーディをとると、4番パー5ではカラーからバーディ、7番パー4でもバーディを奪うなどでして、前半だけで3ストローク伸ばしトップ10に浮上しました。
そのままさらに伸ばしたいところでしたが、6ホール連続でパーを並べた後に、難易度の1番高い14番パー4でラフからバンカーを渡り歩きボギーを叩いてしまいます。
しかし、続く15番パー4でバーディを奪い返しバウンスバックし、再びトップ10が見える位置に戻ります。しかし、17番パー3でティショットをラフにいれてボギーを叩いてしまいます。
最終的には2ストローク伸ばし、通算4アンダーの13位タイでホールアウトしました。
ROUND4:サンデーバックナインで大きく崩れ50位タイに
最終ラウンドの石川遼のホールバイホールとプレーの内容は以下の表のとおりとなっています。
今日はバーディを1つしか奪えず、その一方でダブルボギーを1つ、ボギーを5つ叩いてしまいまい、77と崩れて2オーバーの50位タイでのフィニッシュとなりました。
今日はショットが不安定で、特に3日間の軸となっていたセカンドが安定せずボギーが増えることになりました。
フェアウェイキープ率は50.00% (7/14)と、78.57% (11/14)と昨日持ち直したところから再び後退し混ました。
それ以上に痛かったのはアイアンの精度が落ちたことでした。第2ラウンドはフェアウェイキープ率が28.57% (4/14)でも、パーオン率は66.67% (12/18)までリカバリーしました。
しかし、今日は4日間で1番悪い44.44% (8/18)と低迷しました。ラフやバンカーを渡り歩くことも多く、スコアを落としてしまうのはやむを得ないショットの状態だったと言えます。
それでもパッティングが良ければというところもありましたが、3パットもあるなど良かったとは言い難い結果に終わり、パーオン時の平均パット数は2.000とバーディが出ないのが自然な数字となっています。
痛いのは後半ズルズルと悪い流れを止めることができずスコアを落としてしまったことです。
前半を終えた時点では2アンダーで、このスコアをキープできればトップ25フィニッシュができ、来季の出場権獲得圏内の賞金ランクに入って初戦を終えることができました。
しかし、バックナインではラフを渡り歩き続けることになるなど、ショットが不安定になっていますので、イーブンにまとめることも至難の業となりました。
50位タイでのフィニッシュとなったことで、25位以内に入る必要がある「入れ替え戦の賞金ランク」は41位タイでのスタートとなりました。
2013年に初戦に予選落ちしたときよりは悪くない結果ではありますが、喜べる出だしでもありません。
次のアンダーソンズ・ボイジー・オープンのコースは距離が短く、バーディ合戦となります。アイアンの精度が悪ければ、その流れに取り残されることになりますので、その点の修正が必要となりそうです。(詳細は「【入れ替え戦】アルバートソンズ・ボイジー・オープン2017の概要(9月14日開幕)」をご覧ください)
また今季の石川遼は第2ラウンドと第4ラウンドに崩れる傾向があります。
- ROUND 1 SCORING AVERAGE:71.20(132位)
- ROUND 2 SCORING AVERAGE:72.25(190位)
- ROUND 3 SCORING AVERAGE:70.25(68位)
- ROUND 4 SCORING AVERAGE:72.63(187位)
このことが予選落ちが多くなり、予選通過しても上位フィニッシュが少ない原因となっています。残念ながら入れ替え戦でも同様の傾向、課題が露呈してしまいました。
この流れを克服できないと残り3戦で結果を残すことも容易ではありませんので、ここを越えれるかどうかもポイントとなりそうです。